SS-QOLとは?脳卒中特異的QOL尺度の12領域・採点方法と日本語版 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
  1. HOME
  2. ブログ
  3. 評価シリーズ
  4. SS-QOLとは?脳卒中特異的QOL尺度の12領域・採点方法と日本語版
評価シリーズ

SS-QOLとは?脳卒中特異的QOL尺度の12領域・採点方法と日本語版

STROKE LAB / STROKE-SPECIFIC QUALITY OF LIFE

SS-QOLの評価方法動作の先にある、
その人の暮らしを捉える。

脳卒中特異的QOL尺度(Stroke-Specific Quality of Life Scale)。49項目・12領域の構成、採点方法、日本語版を使う際の確認点を、生活場面のイラストと記録例で解説します。

UPDATED 2026.11FOR PT / OT / ST・看護・医療職BY STROKE LAB
脳卒中を経験した人が、療法士と日々の生活について話している場面のイラスト
できる動作だけでなく、本人が感じる生活への影響を一緒に確かめます。
日本語版の出典と、得点の集計方法をそろえます。

本記事は49項目版の解説です。日本語版の作成報告はありますが、ここで未確認の質問文を独自翻訳して「正式票」として配布することはしていません。配布PDFは採点整理・経過記録用です。[4, 5]

49項目・12領域身体・心理・役割・コミュニケーションまで。
この1週間一場面の動作テストではなく、生活の振り返り。
高いほど良好総合得点の表し方と、領域ごとの変化を併記。
SECTION 01

SS-QOLとは|脳卒中後の健康関連QOLを捉える

SS-QOLは、脳卒中を経験した人の健康関連QOLを捉える患者中心の尺度です。Williamsらが患者への面接をもとに項目を作成し、1999年に開発を報告しました。最終版は49項目・12領域からなります。[1]

歩行や更衣が自立しても、疲れやすさ、会話への不安、家庭での役割の変化が残ることがあります。SS-QOLを読む際は「動作ができるか」に加えて、本人が生活のどの側面を難しく感じているかに目を向けます。得点は人格の価値や、回復可能性の上限を示すものではありません。

評価の視点 SS-QOLと組み合わせる意味
身体機能・神経症状 筋力・麻痺・感覚などの所見と、本人の生活への影響を分けて理解
ADL・IADL 介助量や活動の遂行と、本人の実感を照合
包括的な健康関連QOL 目的に応じて別尺度も検討。異なる尺度間の得点を直接換算しない
SECTION 02

12領域|身体・心理・役割を見渡す

領域名は記事内の説明用日本語です。使用する日本語版の正式名称・質問文は、その版の原資料を確認してください。下表の項目数は49項目版の構成です。[3]

領域(説明用) 英語名 項目数
活力 Energy 3
家庭内の役割 Family roles 3
言語 Language 5
移動 Mobility 6
気分 Mood 5
性格 Personality 3
セルフケア Self-care 5
社会的役割 Social roles 5
思考 Thinking 3
上肢機能 Upper extremity function 5
視覚 Vision 3
仕事・生産性 Work / productivity 3

合計49項目。以下の場面は領域のイメージであり、実技課題・採点用の図ではありません。絵の動作を行わせて点数を決める方法ではありません。

移動・セルフケア

椅子に座った安全な姿勢で身支度をしている場面のイラスト(移動・セルフケア)
安全な姿勢で行う身支度の一場面。

介助の有無だけでなく、本人の困難の受け止め方も確認します。その場の動作観察は別の評価として残し、質問票の回答を観察者の判断で置き換えないようにします。

上肢機能・仕事/生産性

手を使って家事や作業に取り組んでいる場面のイラスト(上肢機能・仕事/生産性)
手を使う活動と、その人が担いたい役割を考える場面。

仕事という言葉だけで有給労働に限定しないよう、使用票の内容に従って回答します。家事や普段の作業への影響も、面談で具体的に共有できます。

活力・気分・性格

休憩をとりながら、疲れや気持ちについて話している場面のイラスト(活力・気分・性格)
休憩が必要になる背景と、本人の気持ちを聞く場面。

性格という領域名を「性格が悪い」という評価に使いません。疲れや気持ちに関する本人の体験として受け止めます。QOLの回答のみでうつ病などを診断しません。

視覚・言語・思考

文字を読む、話す、考えをまとめるといった場面を描いたイラスト(視覚・言語・思考)
見え方・伝え方・考える負担も、生活の中で確かめます。

話すことが難しい場合、理解や自己回答の可能性まで一律に否定しません。ただし、自由な言い換えや別課題への変更で回答の意味が変わらないよう、実施方法と支援を記録します。

家庭内の役割・社会的役割

家族や周囲の人と関わりながら過ごしている場面のイラスト(家庭内の役割・社会的役割)
本人が続けたい関わりや活動を聞く場面。

活動の回数だけを増やすのではなく、本人が望む参加の仕方を確認します。家庭や人間関係に関する回答は、プライバシーに配慮して聞き取ります。

SECTION 03

実施手順|この1週間を、本人の視点で振り返る

予定表を見ながら、この1週間の生活を振り返っている場面のイラスト
予定表は記憶を整理する補助のイメージです。独自の質問票や採点基準ではありません。

回答の対象は過去1週間です。所要時間は10〜15分程度が目安と案内されていますが、言語理解や疲労によって変わります。時間内に終えることを優先して回答を急がせません。[2]

順序 実施時の確認
1.使用票を確認 49項目版か、短縮版か。日本語版の出典、採点規則、利用条件を記録
2.回答条件を整える 眼鏡・補聴器、静かな環境、疲労、理解と意思表示の方法を確認
3.期間をそろえる この1週間の生活を対象とし、評価日と対象期間を残す
4.選択肢を確認 項目に対応する回答セットを使う。回答を誘導しない
5.欠測と支援を残す 未回答を勝手に補完せず、本人回答・代理回答・聞き取り支援を区別
6.採点と共有 領域別の結果と、採用した総合得点の計算法を併記
実技試験として行いません。

点数を付けるために、危険な歩行や無理な上肢運動を求める必要はありません。新たな麻痺・言語障害などの急な変化がある場合は、QOL質問票の完成より医療対応を優先します。

SECTION 04

採点方法|49–245点と1–5点を混同しない

各項目は1〜5点で評価し、高いほど良好な方向です。項目によって、介助・困難・記述への同意という異なる回答セットがあります。全項目を一律に「全くない〜非常にある」と読み替えず、対応する選択肢と採点方向を確認します。[2, 3]

表記 全項目回答時の計算 範囲
領域得点 その領域の項目得点の平均 1–5
総合得点:12領域平均の平均 12個の領域平均を合計して12で割る 1–5
49項目の単純合計 全49項目の点数を足す 49–245
49項目平均 49項目の単純合計を49で割る 1–5

NINDS CDEはsummary scoreを12領域平均の平均として説明しています。一方、49項目の合計を用いた報告もあります。「総合3.5点」「総合170点」だけでなく、どの集計方法かを明記します。[2, 5]

計算例|同じ「平均」でも重みが違う

説明用に、移動の6項目がすべて1点、残り43項目がすべて5点だったとします。

49項目合計:6×1+43×5=221点。
49項目平均:221÷49=約4.51。
12領域平均の平均:(1+11×5)÷12=約4.67。

項目数が3〜6と異なるため、項目を同じ重みで平均する方法と、領域を同じ重みで平均する方法は一致しません。

欠測を0点で埋めない。

0は通常の項目点の範囲外です。欠測処理は採用版・研究計画の規則を確認し、不明なら総合得点を保留して理由を残します。未回答を除くだけの独自計算や、49項目版と12項目版の混在は避けます。

SECTION 05

日本語版・短縮版・代理回答の扱い

日本語版は「どの翻訳版か」を確認する

毛利らは2004年にSS-QOL Ver.2の日本語訳と、慢性期脳卒中者を対象とした検討を報告しています。別の国内報告にも邦訳による検討があります。日本語という共通点だけで、すべての翻訳が同じとは扱いません。[4, 5]

導入時には原報告・質問票提供元を確認し、質問文、回答形式、採点、利用条件をそろえます。本記事で公開確認できた日本語版報告の書誌・概要を超えて、詳細な検証結果や全文の配布条件までは断定していません。

SS-QOL-12は49項目版とは別に扱う

Postらは各領域から1項目を選ぶ12項目の短縮版を開発しました。短時間で使える可能性がありますが、任意に12問を選んだものが短縮版になるわけではありません。本記事のPDFは49項目版用です。[6]

本人の回答と代理回答を区別する

SS-QOLの患者・家族代理回答を比較した研究があります。家族の情報は重要ですが、本人の内面的な体験を同じように表すと決めつけず、誰が回答したかを明記します。自己回答から代理回答へ変わったときは、点差だけを改善・悪化と解釈しません。[7]

SECTION 06

結果の読み方|総合得点の背後を見る

低い領域は、面談で背景を確認する手がかりです。得点だけで支援の優先順位を決めず、本人の希望、疲労、環境、家族との役割分担などを確認します。同じ総合得点でも、移動が難しい人と、気分・社会参加に負担がある人では支援が変わります。

点差をそのまま「治療効果」としない

開発研究は発症後1・3か月の虚血性脳卒中患者で、信頼性・妥当性・反応性を検討しています。良好な結果が示されても、全病期・重症度・言語版で同じ性能が保証されるわけではありません。[1]

Linらの最小検出可能変化・臨床的重要差の検討は、SS-QOLの身体関連カテゴリーを対象としています。その数値を日本語版の全体得点にそのまま適用することは避けます。対象・領域・集計方法をそろえ、本人の実感と経時変化を併せて読みます。[8]

SECTION 07

評価記録PDF|採点整理から生活目標へ

SS-QOL採点・経過記録PDF(A4縦・3ページ)の1ページ目イメージ
STROKE LAB / CLINICAL NOTE

計算法と、本人の言葉を残す。

A4縦・3ページ/印刷・手書き用

01 評価条件・12領域の得点
02 総合得点と採用した集計方法
03 前回比較・本人の実感・生活目標

採点・経過記録PDFをダウンロード ↓日本語版の原報告を確認 ↗

本PDFは正式な日本語質問票ではありません。49項目の質問文・回答選択肢は収載していません。

SECTION 08

記載例|得点と暮らしの変化をつなぐ

FICTIONAL CASE / 架空の記載例

家族と近所へ出かけたいAさん

初回:SS-QOL 49項目版、本人回答・聞き取り支援。日本語版の出典を記録。過去1週間、欠測なし。社会的役割5項目の合計12、領域平均2.4。本人は「疲れるのが心配で誘いを断っている」と話す。

再評価:同じ版・方法で実施。社会的役割合計15、領域平均3.0。「休憩を入れれば短い外出を楽しめた」と話す。

共有:この領域の平均は0.6上昇。総合得点は全12領域をそろえて別途集計する。本人が望む外出を続けられるか、休憩・移動手段・同行者を調整して確認する。

説明用の架空例です。0.6点を普遍的な改善基準とするものではありません。1領域の結果だけで全体のQOL改善や介入効果を断定しません。

SECTION 09

リハビリへの活用|本人が続けたい活動から

本人と療法士が、続けたい活動や生活の目標について話し合っている場面のイラスト
得点を上げることだけを目標にせず、本人が大切にする生活を具体化します。
面談で確かめること 支援の検討例
疲れやすさと活動量 活動と休憩の配分、症状や睡眠などの背景確認
手の使いにくさと役割 道具・環境・作業手順を調整し、続けたい役割を整理
伝えにくさ・考える負担 意思疎通の方法、予定の整理、静かな環境を検討
家族・社会との関わり 本人が望む参加、移動手段、同行や役割分担を相談

これらは面談から支援を考える例で、各領域の得点から機械的に処方するものではありません。質問票の回答と、観察した動作、医学的な情報を区別して記録します。

SECTION 10

よくある質問

SS-QOLは245点満点ですか?

49項目の単純合計なら49〜245点です。一方、12領域平均の平均など1〜5点の総合得点も使われます。点数と計算法をセットで記録してください。

低得点なら重い脳卒中ということですか?

神経学的重症度の尺度ではありません。本人が感じる健康関連QOLへの影響を、身体機能や生活状況と併せて読みます。

失語があれば家族がすべて答えますか?

失語の有無だけで一律に代理回答にしません。理解・意思表示・適切な支援の可能性を確認し、実施可能性を判断します。代理回答では回答者と理由を残します。

短縮版の12項目を、このPDFに記録できますか?

本PDFは49項目版の領域構成を前提にしています。短縮版とは項目数・集計の前提が異なるため、混用しません。

空欄は0点として合計してよいですか?

いいえ。採用版の欠測規則を確認し、確認できなければ未算出の理由を残します。

日本語版の質問票は無料で自由に転載できますか?

NINDSでは原尺度をpublic domainと案内していますが、日本語の翻訳文や論文PDFの転載条件まで同一とは判断できません。使用する版の提供元・原報告で確認してください。

SECTION 11

STROKE LAB|暮らしの目標を相談する

「家族と出かけたい」「家事の一部を再開したい」「会話を楽しみたい」。ご本人が大切にすることを出発点に、現在の動作と生活環境を整理します。相談時は主治医からの注意事項と、生活で困っている場面をお知らせください。

STROKE LAB / CONSULTATION

今の生活に合うリハビリを、一緒に考える。

医学的に状態が安定した方の動作・環境・練習方法について、ご本人・ご家族からご相談いただけます。

無料相談を申し込む →

REFERENCES

参考資料・原著論文

  1. Williams LS, et al. Development of a stroke-specific quality of life scale. Stroke. 1999;30:1362–1369. 原資料を確認 ↗
  2. NINDS Common Data Elements. Stroke Specific Quality of Life Scale (SS-QOL). 原資料を確認 ↗
  3. Shirley Ryan AbilityLab. SS-QOL英語質問票(原尺度参照用)。 原資料を確認 ↗
  4. 毛利史子ほか.日本語版Stroke Specific QOL(SS-QOL)の作成と慢性期脳卒中者のQOL評価.総合リハビリテーション.2004;32:1097–1102. 原資料を確認 ↗
  5. 木林勉・荻原新八郎.日常生活の質評価の計量心理学的検証.第39回日本理学療法学術大会抄録.2004. 原資料を確認 ↗
  6. Post MWM, et al. Development and validation of a short version of the Stroke Specific Quality of Life Scale. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2011;82:283–286. 原資料を確認 ↗
  7. Williams LS, et al. How valid are family proxy assessments of stroke patients’ health-related quality of life? Stroke. 2006. 原資料を確認 ↗
  8. Lin KC, et al. Assessing the Stroke-Specific Quality of Life for Outcome Measurement in Stroke Rehabilitation: Minimal Detectable Change and Clinically Important Difference. Health Qual Life Outcomes. 2011;9:5. 原資料を確認 ↗

資料確認:2026年11月。記事・イラスト・配布PDFは独自の学習・記録補助資料です。正式な翻訳版・認証版を意味しません。臨床例は架空です。尺度使用時は原著と使用する日本語版の出典を明記してください。

CATEGORY

 

FOLLOW US

STROKE LABの記事は各種ソーシャルメディアでも配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしてください。

FOLLOW US

STROKE LABの記事は各種ソーシャルメディアでも配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしてください。

CATEGORY

関連記事

誠心誠意の機能向上に向けたリハビリ支援
脳卒中・パーキンソン病に特化した個別リハビリ支援。
病院で培った機能をつなぎ、可能性を広げる施設です。
〒113-0033 東京都文京区本郷2-8-1 寿山堂ビル3階・5階
03-6887-5263
〒158-0082 東京都世田谷区等々力7-2-31 The Room 等々力West 201号 2026.3 OPEN
03-6887-5263
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満6-3-16 梅田ステートビル202号
06-7220-4733
ACCESS
会社案内
事業案内
その他