【2026年最新】自費リハビリとは? メリット デメリットは? 料金は? 信頼できる施設になるために。
自費リハビリとは?病院との違い・メリット・デメリットを、10年の現場から正直に解説
「保険のリハビリが期限切れになった」「もっと続けたいのに受けられない」——そんなリハビリ難民と呼ばれる方が増えています。新しい選択肢である自費リハビリの良い面も、注意すべき面も、そして違法性の見分け方も、10年間運営してきた立場から率直にお伝えします。
脳卒中やパーキンソン病などで、保険のリハビリが受けられなくなったり、受ける場所が限られたりして、適切なリハビリを続けられない。そうした「リハビリ難民」と呼ばれる方が、いま増えています。その受け皿として注目されているのが、保険の枠の外で利用できる自費リハビリです。
私たちSTROKE LABは設立から10年目を迎え、現在15人のスタッフが働いています。保険の制約にとらわれず、お一人おひとりに合わせたリハビリをお届けしてきました。この記事では、10年間この分野を歩んできたからこそお伝えできる、自費リハビリのメリットとデメリットを、できるだけ正直にお話しします。
メリット① リハビリ期限がない。
自費リハビリの最大のメリットは、費用を対価に、ご自身が納得するところまでリハビリを継続できることです。保険のリハビリには、どうしても「期限」がついて回ります。
医療保険でカバーされるリハビリには、標準的算定日数という期限が定められています。脳血管疾患等(脳卒中など)の場合、発症や手術などの日から原則180日が目安です。この期間を過ぎても、医師が「治療を続ければ改善が期待できる」と判断すれば継続は可能ですが、その場合でも月13単位(1単位20分)まで、つまり月に4時間程度に制限されます。
それ以外の方は、基本的に介護保険のリハビリへ移行します。介護保険なら期限はありませんが、利用できるサービスには限度額があり、訪問リハビリは週に最大120分まで、通所リハビリの個別介入は20分程度と短いのが現状です。自主トレや機器を使ったリハビリは自由にできますが、専門的な指導がなければ、単なるエクササイズになってしまうリスクもあります。
特に脳卒中のリハビリは、身体から脳へ働きかける繊細な感覚、いわゆる「質」が重要で、個別リハビリでの運動学習が欠かせません。自費リハビリでは実施時間を個別にカスタマイズでき、こうした制約が解消されます。ただし、担当する療法士が限られた時間で効率的に治療を組み立てるスキルを持っていなければ、効果は期待できません。「納得いくまでマンツーマンで受けたい」という方に、最適な選択肢です。
| 種類 | 期限・時間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 医療保険 脳血管疾患等 |
原則180日。超過後は月13単位(約4時間)まで | 自己負担は少ないが、期限と回数の制約がある |
| 介護保険 訪問・通所 |
期限なし。訪問は週最大120分、通所の個別は20分程度 | 限度額があり、個別の介入時間は短くなりがち |
| 自費リハビリ | 期限なし。時間・頻度を自由に設定 | 納得いくまで続けられるが、費用は全額自己負担 |
※算定日数や単位数は診療報酬改定で見直されることがあります(直近では2026年に改定)。最新の扱いは、かかりつけの医療機関でご確認ください。
メリット② 療法士・内容を自分で選べる。
保険のリハビリでは、担当する療法士の知識や、施設・病院の方針によって受けられる内容が変わります。治療法を自分で選ぶことはできず、いわゆる「担当ガチャ」と呼ばれる問題がしばしば話題になります。日本の医療保険は、安価で標準的な医療を受けられる素晴らしい仕組みですが、担当が経験の浅い療法士になることもあれば、相性が合わないこともあります。
自費リハビリでは、自分で選んだ療法士やセラピーを受けられるため、モチベーションや満足度が高くなります。その代わり、療法士の側は、期待に応えるだけの技量を持っている必要があります。リハビリの専門領域は、整形外科・脳神経系・内科疾患・小児など非常に幅広く、進行性の難病などでは専門知識を持つ療法士が欠かせません。長く続けるからこそ、単調な技術では飽きられてしまい、適切な評価と新しいセラピーの展開が求められます。
STROKE LABでは、定期的にパフォーマンスの変化を確認し合い、改善点・問題点・目標をご本人と共有するよう努めています。一方通行ではなく、一緒に納得しながら進めることを大切にしています。
デメリット① 料金と、費用対効果。
正直な疑問だと思います。自費リハビリは全額自己負担のため、保険診療と比べると、どうしても料金は高く感じられます。
十分なセラピーを受けるには、時間や頻度、担当する療法士によって費用がかかります。価格帯は60分あたり10,000円からが多く、技術・立地・設備・待遇などによって変わります。安いリハビリもありますが、大切なのは「誰が行うか」です。1回が安くても成果が出ず、リハビリが延々と続くこともあれば、1回が高くても確実に成果が出れば、徐々に頻度や時間を減らしていけます。だからこそ、費用対効果という視点が欠かせません。
STROKE LABでは、お一人おひとりに応じた治療プランをご提案しています。あわせて、保険内リハビリ・地域の健康促進教室・公共施設サービス・スポーツジム・YouTube動画などを上手に活用することで、費用対効果を高める工夫もお伝えしています。
デメリット② 医療機関との連携。
療法士は本来、医師の指示に従って働く職業です。けれど自費リハビリの療法士は、資格は持っていても、医師の指示のもとで働いているわけではありません。そのため、医師が常駐しない施設では、安静度やリスクをすぐに確認できないという課題があります。CTやMRIなどの重要な情報がなければ、リハビリの効果を最大限に引き出すのが難しい場合もあります。
利用する際は、こうした制約やリスクを理解し、適切な情報を提供することが大切です。医師との連携や定期的な医療チェックを受けることで、質を保ちながら安全に進められます。施設を選ぶときは、医療機関との連携体制や、療法士の経験・資格を十分に確認しましょう。退院時サマリーや指示書の持参が推奨されているかどうかも、一つの目安になります。
STROKE LABには、順天堂医院の元技師長を含む、10年以上勤務した療法士が在籍し、緊急判断やリスク管理の経験を豊富に持っています。順天堂医院の傍に位置するため医師からの紹介も多く、連携医師がいるため、何か問題が生じればすぐに医師が対応できる体制をとっています。
自費リハビリは、違法なの?
「自費リハビリは違法では?」と聞かれることがあります。結論から言えば、以下の点に配慮していれば問題ありません。逆に、次のような打ち出しをしている施設には注意が必要です。利用者として知っておくと、施設を見分ける助けになります。
| 注意すべきケース | 理由 |
|---|---|
| 「リハビリテーション」「理学療法・作業療法」を提供すると広告している(保有資格をプロフィールに示すのは問題なし) | これらは医師の指示のもとで行う医療行為であり、自費リハビリ施設では行えない |
| 利用者に対して診断行為をしている | 診断(「あなたは〇〇という病気です」)は医師以外は行ってはいけない |
| 効果を過剰にうたう・根拠のない情報を発信している | 景品表示法で、虚偽や誇大広告は禁止されている |
| 医療器具や薬品の販売を行っている | 適切な許可を得た医療機関や薬局でしか行えないため、自費施設での販売は違法 |
| 保険適用のサービスだと偽っている | 消費者を誤解させる行為であり、法的に問題がある |
| 患者の個人情報を適切に管理していない | 個人情報保護法に基づき、患者の個人情報は厳重に管理しなければならない |
※法令の解釈や運用は変わることがあります。判断に迷う場合は、専門家や行政の窓口にご確認ください。
運営側が、抱える課題。
設備とスペースの問題
感染予防対策は、いまも欠かせません。特に小規模な施設では、スペースや建物の構造に制限があり、感染リスクが高まることがあります。STROKE LABも最初は狭いスペースで、歩行する場所も十分に取れない状況でした。数年を経て、立地の良い場所に広い店舗を構えられたのは、多くの方のサポートのおかげです。
神経系に特化したベッドは1台100万円近くするため、多くの病院では備えていないことが多いものです。自費リハビリ施設は、人気を得られれば治療設備に資金を充てられるため、病院よりも環境を充実させられる可能性があります。広いスペースと十分な換気を確保することで、安心してリハビリを受けられる環境づくりに努めています。
セラピー以外の仕事
起業した療法士にとって、利用者様の獲得は大きな課題です。そのため営業活動が欠かせません。地域密着の会社なら、ケアマネージャーや個人宅への営業をすることもあります。STROKE LABはウェブサイトで存在感を高めることに注力し、この記事もその一環です。YouTubeや各種SNS、書籍の執筆、講習会の開催を通じて認知度を高めています。
こうした活動を一人で行うのは難しく、臨床と両立するには外部への委託なども必要です。ただ、宣伝・営業活動は利用者だけでなく、病院や施設からの信頼にもつながります。リハビリの重要性を広く伝えることが、結果として地域社会や医療機関からの信頼を育て、より多くの方に貢献することにつながります。
倫理的な問題と、向き合う。
大切な視点です。自費リハビリは社会保険料が投入されないぶん、利益を上げなければ廃業のリスクがあります。経営のプレッシャーから、倫理的な問題が生じる可能性は否定できません。だからこそ、隠さずに向き合うべきだと考えています。
具体的には、治療効果を過大にアピールしたり、不要な治療を勧めたりするリスクが考えられます。療法士が自費リハビリ施設で働くときも、利用者として施設を選ぶときも、次の4点を確認すると安心です。
経営方針や収益モデルが透明で、倫理的な基準に従って運営されているか。
施設が従うべき倫理的なガイドラインが、明確に定められているか。
療法士が継続的に教育や研修を受ける機会が、提供されているか。
施設が、患者の利益を最優先に考えたケアを提供しているか。
以下では、自費リハビリが抱えやすい倫理的な論点と、STROKE LABがどう向き合っているかを、4つの観点でお話しします。
不公平なケア
施設によっては、リハビリの質に大きな差があったり、裕福な方を優先してリハビリの難しい方を避けたりするケースも見られます。これは利用者にとって不公平で、リハビリの意義を損なうものです。STROKE LABは、こうした不公平を少しでも解消するため、無料のYouTubeチャンネルで自宅でできるリハビリや神経系の知識を発信しています。距離や経済的な理由でリハビリを受けにくい方にも、最大限のサポートを届けるための取り組みです。
利益相反
患者にとって最善の治療を提供しつつ、施設の利益も追求する——これは非常に難しいバランスです。一部の施設では、収益のために長期間・高頻度のリハビリを勧め、過剰な治療や高額なチケット販売につながることもあります。オーナーには常に、患者の利益を最優先に最適なプランを提供する姿勢が求められます。STROKE LABは最初の無料相談で必要な頻度を説明し、1回ごとの予約制で、チケットの導入は行っていません。
個人情報の保護
健康情報は、誰にも知られたくないものです。STROKE LABでは、専用のパスワードやサーバーで厳重に管理し、USBやSDカードを介したウイルス感染・情報漏洩のリスクも最小限に抑えています。YouTubeなどで公開する際は、必ずご本人の許可を得たうえで、モザイク加工で配慮しています。プライバシーに最大限の注意を払いながら、納得いただける形で情報をお届けすることを心がけています。
インフォームドコンセントと、物販
限られた時間の中では、説明が不十分になり、トラブルにつながることもあります。STROKE LABでは、定期的な無料相談の場で情報を共有し、今後の頻度や目標を一緒に決めることで、不安を取り除けるようにしています。また、一部の施設では「回復に良い」とされる水や高価な機器を勧めて収益にするケースもありますが、これは利用者の利益を損ないかねません。STROKE LABは物販を一切行わず、おすすめの自主トレ道具はオンラインのURLをお伝えし、ご自身で購入いただく形にしています。
業界発展への、取り組み。
プロ意識の、社会的な発展
セラピストの数は増えているものの、医療財源の圧迫や熟練者の病院離れで、技術教育に投資できる病院は減り続けています。その結果、技術教育は外部委託や、個人が自分の給与で学ぶ「放置状態」が増えると予想されます。こうした中、STROKE LABでは、通常の学校や病院では学べない、イギリスでの経験に基づく特殊な技術を提供しています。習得には多くの学びと実践、臨床経験が必要なため、週に数時間をスタッフ教育に積極的に投資しています。
さらに、自施設内の講習にとどまらず、他施設や病院からの講師依頼にも積極的に応じています。こうした活動を通じて、セラピスト全体のプロ意識と技術レベルの向上に貢献することを目指しています。
デジタル医療推進のサポート
STROKE LABがサポートしている、東京慈恵会医科大学附属病院准教授の高尾洋之先生は、多くのデジタル医療の開発で活躍されている医師です。当事者の方がより快適な生活を送れるよう、高尾先生が発信されているデジタル医療を広める活動をお手伝いしています。当事者の方にも療法士の方にも、新しい気づきがある内容です。
よくある質問。
最大の違いは「期限がない」ことと「療法士やプランを自分で選べる」ことです。医療保険のリハビリには標準的算定日数(脳血管疾患等は原則180日)があり、超えると回数が大きく制限されます。自費リハビリは保険の枠にとらわれず、納得いくまでマンツーマンで続けられます。一方で費用は自己負担となり、料金は高くなりやすい点に注意が必要です。
60分あたり10,000円からの設定が多く、技術・立地・設備・スタッフの待遇などで変わります。重要なのは費用対効果です。1回が安くても成果が出ず延々と続くこともあれば、1回が高くても確実に成果が出れば頻度や時間を減らしていけます。誰がリハビリを行うかが質を大きく左右します。
一定の点に配慮していれば問題ありません。逆に、医師の指示なく「リハビリテーション」「理学療法・作業療法」を提供すると広告する、診断行為をする、効果を過剰にうたう、医療器具や薬品を販売する、保険適用と偽る、個人情報を適切に管理しない、といった施設には注意が必要です。これらは医師法・景品表示法・個人情報保護法などに抵触する可能性があります。
施設によります。自費リハビリの療法士は資格を持っていても医師の指示下で働いているわけではないため、医師が常駐しない施設では安静度やリスクの即時確認が難しいことがあります。利用する際は、医療機関との連携体制や、退院時サマリー・指示書の持参が推奨されているか、療法士の経験・資格を十分に確認することが大切です。
療法士のスキルと経験、医療機関との連携体制、料金の透明性(チケットの強制購入がないか)、個人情報の管理、無料相談などで説明が丁寧に行われるか、物販の押し売りがないか、を確認しましょう。患者の利益を最優先する姿勢があるかどうかが、信頼できる施設かを見分ける鍵になります。
まとめ。
自費リハビリは、まだ新しい領域です。今後広がっていくなかで、良い面も注意すべき面も、さらに見えてくるでしょう。時代の流れに応じて内容も変わっていきますが、若い領域だからこそ、大きな変化と発展が期待できます。
倫理的な問題には、プロ意識を高め、自律的に向き合うことが必要です。業界として整備が進み、自費リハビリと保険内リハビリ、病院・施設が協力して、当事者の方を中心に取り巻くネットワークが築かれれば、より良い医療が実現します。STROKE LABは自費リハビリの先駆けとして療法士を牽引し、医療業界の発展に貢献することを目指しています。
あわせて読みたい:STROKE LABの技術教育・講習活動について
快適な毎日を取り戻せるように。

自費リハビリには、期限にとらわれず続けられるという大きな価値があります。同時に、費用や連携、倫理といった、向き合うべき課題もあります。私たちはその両面を隠さずお伝えすることが、ご本人とご家族が納得して選ぶための助けになると信じています。
いちばん大切なのは、少しでも多くの当事者の方が、快適な生活を送れること。そのために、これからも全身全霊で尽力してまいります。
代表取締役 金子 唯史
注意書き。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療や個別の医療判断に代わるものではありません。リハビリの算定日数・単位数などの制度は診療報酬改定により変わることがあり(直近では2026年に改定)、最新の取り扱いはかかりつけの医療機関にご確認ください。料金の目安は施設により異なります。法令の解釈・運用についても変更されることがあるため、判断に迷う場合は専門家や行政の窓口にご相談ください。

1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024) パーキンソン病の機能促進:医学書院 (2025)