【2026年版】パーキンソン病の体軸・脊柱回旋障害とは?最も影響を受ける部位とリハビリテーション戦略を解説 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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【2026年版】パーキンソン病の体軸・脊柱回旋障害とは?最も影響を受ける部位とリハビリテーション戦略を解説

Parkinson’s Disease — Axial Rotation & Kinetic Chain

パーキンソン病の体軸回旋障害を、運動連鎖から読み解く。

パーキンソン病で骨盤の回旋が遅れるのは、単なる動作緩慢ではありません。肩甲帯と骨盤の運動連鎖の断絶が本質的な問題です。Vaugoyeauらの研究から、その神経機序と臨床応用までを体系的に整理します。

UPDATED2025
READ約12分
FORPT / OT / ST
BYSTROKE LAB

YHAR Stage
3〜4段階
研究対象はYHAR重症度分類3〜4段階の患者10名。固縮・転倒を経験した中等度〜重度症例。
Pelvis Delay
有意遅延
健常者では肩と骨盤がほぼ同時に回旋するのに対し、PD患者では骨盤の回旋開始が有意に遅延する。
Bottom-Up Chain
より障害大
下肢→頭部のボトムアップ連鎖が、頭部→足部のトップダウン連鎖よりも障害されやすい。足部介入の重要性を示す。

Quick Reference
忙しい臨床家のための
要点5項目。
01
PD患者の体軸回旋障害は「動作緩慢」ではなく、肩甲帯—骨盤間の運動連鎖の断絶が本質。骨盤回旋の開始遅延として観察される。
02
ボトムアップ(足部→頭部)の運動連鎖がより障害される。足部アライメントの評価と修正から介入を始めることが合理的。
03
評価はYHAR重症度分類で病期を確認しつつ、歩行開始時の肩と骨盤の同時性を観察・計測することが重要。
04
ADL(更衣・移乗など)で体軸回旋を必要とする場面では、OT・PTともに骨盤と肩甲骨の連結を意識した介入が必要。職種を超えた全身評価スキルが求められる。
05
介入は骨盤回旋の促通を中心に、徒手的誘導・視覚/聴覚キュー・課題指向型訓練を組み合わせる。週3回・1回20〜30分の頻度が推奨されている(エビデンスレベル:RCT複数)。

01
Clinical Encounter

臨床現場でこう出会う。

Case Vignette
70代男性・パーキンソン病 YHAR3。
「着替えのとき、体がうまく回せない」

担当セラピストは更衣動作の評価中、患者が体幹を回旋しようとすると肩だけが先に動き、骨盤がついてこないことに気づきました。患者本人は「体が固まっているような感じ」と表現します。

この現象は固縮(Rigidity)だけでは説明できません。肩甲帯と骨盤の運動連鎖の断絶が起きており、どこから介入すべきかの判断が臨床の分岐点になります。

パーキンソン病(Parkinson’s Disease: PD)の患者さんは、病院・施設・在宅を問わずあらゆる臨床現場で出会います。歩行・移乗・更衣などのADL(日常生活動作)で体を回旋させる場面に、必ず評価のポイントが潜んでいます。

新人セラピストが「なんとなく動きが硬い」で終わらせてしまいがちなこの現象を、運動連鎖(Kinetic Chain)の視点から正確に評価し、介入につなげることが求められます。

02
Definition & Epidemiology

体軸回旋障害の定義と疫学。

体軸回旋(Axial Rotation)とは、身体の長軸(頭から足への軸)を中心として、体幹・骨盤・肩甲帯が協調して回旋する動作のことです。健常者では歩行開始時に肩と骨盤がほぼ同時に回旋を始めます。

パーキンソン病は日本国内で約15〜20万人の患者が存在する神経変性疾患です。主な運動症状として安静時振戦・固縮・無動・姿勢反射障害の4主徴が知られていますが、これらに加えて体軸回旋障害が転倒リスクや更衣動作・歩行に大きく影響します。

Key Definition
パーキンソン病の体軸回旋障害:3つの特徴

① 骨盤回旋の開始遅延:肩甲帯が先に動き始め、骨盤の回旋開始が遅れる。健常者の「ほぼ同時」とは明らかに異なる時系列パターン。

② 肩甲帯—骨盤間の不連結:肩と骨盤が分離して動いてしまい、体幹全体としての協調した回旋が失われる。

③ ボトムアップ連鎖の優先的障害:足部→骨盤→体幹→頭部の上行性連鎖が、頭部からの下行性連鎖よりも障害されやすい。

体軸回旋はなぜADLに直結するのか

体軸回旋を必要とするADL場面は非常に多くあります。更衣(シャツを着る・ズボンを上げる)、入浴(浴槽またぎ)、移乗(ベッドから車椅子)、寝返り、歩行と方向転換など、ほぼすべての基本動作に回旋成分が含まれています。

そのため、体軸回旋障害を見過ごすと、ADL動作の分析が表面的になり、効果的な介入につながりません。「なぜこの動作ができないのか」の答えが回旋障害にある場合が多いのです。

STROKE LABでの無料相談の様子

— ご本人・ご家族の状況を丁寧にお伺いします

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「体が硬くなった」「動きが遅くなった」そのお悩み、一度ご相談ください。

STROKE LABは脳神経系に特化した自費リハビリ施設です。パーキンソン病の運動連鎖・体軸回旋障害に精通したセラピストが、現状の評価から具体的な介入プランまで丁寧にご提案します。まずは無料相談からお気軽にどうぞ。

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03
Neural Mechanisms

神経メカニズムと責任病巣。

Clinical Insight
「なぜ骨盤だけが遅れるのか?」—— 基底核と自動的運動制御の崩壊

パーキンソン病の主病変は黒質線条体系のドーパミン減少です。基底核(特に被殻)は、習慣化・自動化された運動プログラムの実行に関わっています。歩行開始時の骨盤回旋は、この「自動的な運動プログラム」の一部です。

ドーパミン欠乏により基底核の機能が低下すると、自動化された連続動作(肩と骨盤の同時回旋など)が崩壊します。代償として随意的に動かそうとしますが、その場合は頭部・肩甲帯が先に動き、骨盤の開始が遅れるという時系列パターンが生じます。

運動連鎖(Kinetic Chain)とは何か

運動連鎖(Kinetic Chain)とは、身体の各部位が連動して動く際のドミノ倒し的な力の伝達経路のことです。足部が床を踏む力が骨盤へ伝わり、骨盤の回旋が体幹・肩甲帯・頸部へと順次伝わる—これがボトムアップ(上行性)の運動連鎖です。

健常者では、歩行開始時にこのボトムアップ連鎖が円滑に機能することで、肩と骨盤がほぼ同時に回旋します。パーキンソン病ではこの上行性伝達が障害されるため、骨盤の回旋開始が遅れ、「分節的な」不連結な動きになります。

EVIDENCE — Key Study
Vaugoyeau et al. (2006): パーキンソン病の体軸回旋研究

著者・出典:Vaugoyeau M, Viallet F, Aurenty R, Assaiante C, Mesure S, Massion J. Axial rotation in Parkinson’s disease. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2006.

対象:YHAR 3〜4のパーキンソン患者10名。日常生活において固縮・転倒を経験した症例。

方法:歩行開始時の身体回旋をAMTI(Advanced Mechanical Technology社製)にて経時的に計測。

主要結果①:身体部位の回旋開始が健常者に比べて遅延。肩と骨盤の連結が乏しい。

主要結果②:ボトムアップ(下肢→頭部)の運動連鎖が、トップダウン(頭部→足部)の下降性連鎖よりも障害されやすい。

主要結果③:健常者では肩と骨盤がほぼ同時に回旋するが、PD患者では骨盤の開始が遅延。この障害は一般的な動作緩慢(Bradykinesia)ではなく、肩と骨盤の間の不連結・遅延によるものと結論付けた。
エビデンスレベル:観察研究(Cross-sectional study)

パーキンソン病体軸回旋研究における計測方法の図解

— 歩行開始時の身体回旋を経時的に計測した研究の概念図(Vaugoyeau et al. 2006より)

04
Differential Diagnosis

鑑別診断と動作緩慢との違い。

臨床現場で最も混同しやすいのが、「体軸回旋障害」と「Bradykinesia(動作緩慢)」の違いです。Vaugoyeauらの研究が明確にしたのは、骨盤回旋の遅延はBradykinesiaとは別の現象であるという点です。

特徴 体軸回旋障害 Bradykinesia(動作緩慢)
本質 肩甲帯—骨盤間の不連結・協調障害 全体的な動作スピードの低下
観察所見 骨盤回旋の開始が肩より明らかに遅れる 肩も骨盤も、両方が全体的に遅い
介入方向 骨盤回旋の促通・足部からの入力修正 視覚・聴覚キュー・外部ペーシング
見逃しリスク 「動きが遅い」と一括りにされやすい 比較的気づかれやすい
この障害は一般的な動作緩慢ではなく、肩と骨盤間の不連結があり遅延を認める。(Vaugoyeau et al. 2006)

05
Assessment & Staging

評価の視点と病期分類。

パーキンソン病の体軸回旋障害を評価する際は、まず病期を把握することが出発点となります。Vaugoyeauらの研究ではYHAR(Hoehn and Yahr重症度分類)の3〜4を対象としています。

YHAR Classification
ホーン&ヤール重症度分類
— パーキンソン病の病期判定の標準指標
Stage 1:一側性のみ。日常生活への影響少ない。
Stage 2:両側性。姿勢反射は保たれている。
Stage 3:姿勢反射障害。立位バランス障害。ADL制限出現。体軸回旋障害が明確化。
Stage 4:高度障害。歩行・立位は一部可能だが生活介護必要。転倒リスク高。
Stage 5:車椅子・寝たきり。常時介護必要。
Observation Points
体軸回旋の臨床観察ポイント
— 評価で必ず確認すべき観察項目
歩行開始時、肩と骨盤のどちらが先に動くか
骨盤回旋の開始遅延の程度
方向転換時の「回り方」—ブロック回旋の有無
足部の接地パターン・アライメント
更衣・寝返りでの体幹回旋の質

パーキンソン病患者の骨盤と肩甲帯の回旋タイミングの違いを示す図

— 健常者(左)とPD患者(右)の骨盤・肩甲帯回旋タイミングの比較(Vaugoyeau et al. 2006より)

06
Intervention Phases

介入の段階とエビデンス。

体軸回旋障害への介入は、「足部からのボトムアップ入力の整備」→「骨盤回旋の促通」→「体幹・上肢との連結訓練」→「ADL課題への応用」という段階で組み立てます。各フェーズにパラメータを明記します。

01
足部アライメントの評価と修正Phase 1 / 5〜10分

足部の接地パターン・アーチ高・踵骨アライメントを観察します。足部の感覚情報をボトムアップ連鎖の「入力源」として捉え、徒手的修正や肢位変換で骨盤への伝達を確認します。その場で骨盤回旋が変化するかどうかが、介入の有効性の判断材料になります。

02
骨盤回旋の徒手的促通Phase 2 / 10〜15分

セラピストの手を腸骨稜に当て、骨盤の回旋を誘導します。肩甲帯と骨盤がほぼ同時に動くよう促すことが目標です。立位・座位・歩行中それぞれの場面で実施し、自発的な回旋が出てくるまで繰り返します。1セットにつき10回を目安に、3セット実施します。

03
視覚・聴覚キューを活用した体幹連結訓練Phase 3 / 10〜15分

メトロノーム(60〜80bpm程度)やフロアへのテープライン(床のキュー)を使い、肩と骨盤を同時に回旋させる課題を繰り返します。ミラーを用いた視覚フィードバックも有効です。PD患者は外的ペーシング(視覚・聴覚キュー)によって自動化された運動プログラムを補完できるため、積極的に活用します。エビデンスレベル:RCT複数あり(強く推奨)。

04
ADL課題への応用(更衣・移乗・寝返り)Phase 4 / 5〜10分

更衣(シャツを着る動作)・移乗(ベッドから立ち上がり)・寝返りなど、実際に体軸回旋を必要とする課題で練習します。セラピストは骨盤への誘導を継続しつつ、徐々に介助量を減らしていきます。1セッション全体で20〜30分を目安に、週3回以上実施することが推奨されています。

EVIDENCE — Additional
パーキンソン病の体幹訓練・運動連鎖アプローチ関連エビデンス

聴覚リズムキュー(RAS):Thaut MH et al. Rhythmic auditory stimulation in gait training for Parkinson’s disease patients. Mov Disord. 1996。歩行速度・ストライド長の有意な改善を報告。エビデンスレベル:RCT。

LSVT BIG(体幹大きな動き訓練):Ebersbach G et al. Comparing exercise in Parkinson’s disease—the Berlin BIG Study. Mov Disord. 2010。体幹・四肢の動きの振幅を増大させるアプローチ。1日1回60分、週4回×4週のプロトコル。エビデンスレベル:RCT。

タンゴダンス:Duncan RP, Earhart GM. Randomized controlled trial of community-based dancing to modify disease progression in Parkinson disease. Neurorehabil Neural Repair. 2012。体軸回旋・バランス・歩行に有意な改善。エビデンスレベル:RCT。推奨頻度:週1〜2回、60分/回。

STROKE LAB代表 金子唯史
Message from CEO
「もっとスムーズに体を動かせるようになりたい」、そのご希望に応えます。

STROKE LABでは、パーキンソン病に特化した脳神経系・運動連鎖の専門セラピストが、体軸回旋障害を含むPDの運動症状に対して体系的なリハビリを提供しています。毎回のセッションは評価から始まり、科学的根拠に基づいた個別プランで取り組みます。

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07
Interdisciplinary Collaboration

多職種連携と環境調整。

パーキンソン病の体軸回旋障害は、リハビリ訓練室だけでなく日常生活全体の場面で改善を積み重ねることが重要です。多職種がそれぞれの専門性を活かして「体軸回旋」という共通言語で連携することが、臨床成果を高めます。

多職種の役割分担

職種 体軸回旋に関わる主な役割 具体的な介入場面
PT(理学療法士) 歩行・移乗・立位バランスでの骨盤回旋促通 歩行訓練・ステップ訓練・足部修正
OT(作業療法士) 更衣・入浴・移乗ADLでの回旋動作訓練 更衣・入浴・家事動作・自助具検討
ST(言語聴覚士) 嚥下・発声における頸部・体幹の連動 食事姿勢・嚥下時の体幹アライメント
看護師 日常ケア場面での回旋促通・声かけ 着替え介助・移乗介助での回旋誘導
医師・MSW 薬物療法の最適化・退院調整 ON/OFFとの関連確認・在宅環境整備

先輩からの連携ヒント

Clinical Insight

「OTとして更衣動作を評価していると、骨盤と肩甲骨の連結がADLの自立度に直結していることがよくわかります。PTだけが介入するのではなく、更衣の中で回旋を練習するのが最も自然な文脈です。」

「看護師に『着替えのとき骨盤を少し誘導してもらう』と依頼するだけで、訓練量が格段に増えます。リハビリ室でしか練習しないのはもったいないです。」

「金子先生(STROKE LABコメント):作業療法士であろうと足部から介入できるスキルがあれば、更衣動作など回旋を多く必要とするADL課題を改善できます。全身を評価できることは必須です。」

08
Pitfalls & Clinical Reasoning

Pitfallsと臨床判断のコツ。

体軸回旋障害の評価と介入において、新人セラピストが特に陥りやすい3つの罠があります。先輩たちが繰り返し経験してきたミスを、あらかじめ知っておきましょう。

Pitfalls — Don’t make these mistakes
新人臨床家が陥りやすい3つの罠
!
「動作緩慢だから仕方ない」で終わらせてしまう:骨盤回旋遅延はBradykinesiaとは別の現象です。「全体的に動きが遅い」と一括りにせず、「肩の動き出しに比べて骨盤の回旋が遅れていないか」という視点で観察することが重要です。分析できてはじめて介入ターゲットが定まります。
!
足部を無視して体幹だけアプローチする:ボトムアップ連鎖が障害されているため、足部のアライメントを整えないまま骨盤を動かそうとしても効果が得にくいです。まず足部の感覚・アライメントを評価し、そこから骨盤への連鎖を確認するという順序を守りましょう。
!
リハビリ室の訓練だけで完結させてしまう:PD患者の体軸回旋は日常生活全体で練習しなければ般化しません。看護師・介護士・家族への情報共有と、更衣・移乗などのADL場面での回旋誘導依頼を忘れずに。訓練量の確保は多職種連携でしか達成できません。

臨床判断の分岐点:「どこから介入するか」

Mentor’s Voice

「骨盤を動かそうと徒手誘導しても変化がない場合、まず足部アライメントを確認してください。足部を修正するだけで骨盤の回旋が引き出せることがよくあります。」

「ON/OFFの状態によって体軸回旋の質が大きく変わります。服薬タイミングとリハビリのタイミングを医師・看護師と調整することも忘れずに。」

足部のアライメントや感覚情報を修正しながら、肩甲帯や頭部の立ち直りを評価していくという視点が臨床の核心です。

09
Prognosis & Goal Setting

予後とゴール設定。

パーキンソン病は進行性疾患であるため、体軸回旋障害の「根治」ではなく「機能の維持・改善・代償」を現実的なゴールとして設定することが重要です。

Goal Setting Framework
病期別のゴール設定の考え方

YHAR 1〜2(軽症):体軸回旋の質的改善・維持。自主トレーニングとして骨盤回旋体操を習慣化。転倒予防の一環として体幹可動性を確保。

YHAR 3〜4(中等度:本研究対象):骨盤回旋遅延の軽減。ADL(特に更衣・移乗・歩行方向転換)での安全性向上。外部キューを用いた代償戦略の確立。

YHAR 5(重症):介護者への誘導方法の指導。更衣・移乗時の安全な回旋方向の確立。褥瘡予防を含む体位変換プログラムへの組み込み。

進行性疾患だからこそ、「今できることを維持する」ゴール設定が長期的な生活の質(QOL)向上につながります。

10
FAQ

よくある質問。

Q. パーキンソン病で体軸回旋がなぜ難しくなるのですか?
A.

パーキンソン病では基底核の機能低下により、自動的・連続的な運動プログラムが障害されます。

特に骨盤の回旋開始が遅延し、肩甲帯と骨盤の協調した同時回旋が困難になります。これは単なる動作緩慢(Bradykinesia)ではなく、肩甲骨と骨盤間の運動連鎖の断絶によるものです。

Q. ボトムアップとトップダウンの運動連鎖とは何ですか?
A.

ボトムアップ(下肢→頭部)は、足部からの運動情報が体幹・肩甲帯・頭部へと伝わる連鎖です。トップダウン(頭部→足部)はその逆方向です。

パーキンソン病患者はボトムアップの運動連鎖がより障害されやすく、足部からの感覚・運動入力が骨盤や体幹に伝わりにくくなっています。これが足部介入の重要性につながります。

Q. パーキンソン病の体軸回旋評価はYHARどの病期から必要ですか?
A.

Vaugoyeauらの研究ではYHAR 3〜4の患者を対象としており、固縮や転倒リスクが高まる中等度以降で体軸回旋の明確な障害が確認されています。

ただし、YHAR 1〜2段階から骨盤回旋の質的な変化が生じることも多く、早期からの評価が予防的介入に有効です。

Q. 足部からのアプローチはOTが行ってもよいのですか?
A.

はい。ADLにおける回旋動作(更衣・移乗など)の改善を目的とする場合、OTが足部アライメントの評価と修正から介入することは合理的です。

職種の壁を越えた全身評価スキルを持つことが、臨床結果の向上につながります。この視点はSTROKE LABの代表・金子氏が特に強調している点でもあります。

Q. 骨盤回旋を促通するための具体的な介入方法は?
A.

①足部アライメント修正によるボトムアップ入力の正常化、②徒手的な骨盤回旋促通(腸骨稜への誘導)、③視覚・聴覚キューの活用(床テープ・メトロノーム)、④体幹回旋を含む課題指向型訓練(ステップ動作・更衣動作など)が有効です。

各セッション20〜30分、週3回以上の頻度が推奨されています(エビデンスレベル:RCT複数あり)。

Q. 多職種でパーキンソン病の体軸回旋障害に関わる際のポイントは?
A.

PTは歩行や移乗時の骨盤回旋促通、OTは更衣・入浴などのADL場面での回旋動作訓練、STは嚥下・発声訓練と頸部・体幹の連動、看護師は日常ケアでの声かけ戦略を担います。

情報共有の要として、各職種が「どの動作で回旋を使っているか」を共通言語で話せることが重要です。

11
Our Program

STROKE LABのプログラム。

STROKE LABは脳神経系に特化した自費リハビリ施設です。パーキンソン病を含む脳神経系疾患の患者さんとご家族に対し、エビデンスに基づいた個別集中リハビリを提供しています。体軸回旋・運動連鎖の評価から、ADL改善・転倒予防まで、専門チームが一貫してサポートします。

Our Strengths
STROKE LABの強み
— 脳神経系特化の自費リハビリ施設
神経系・運動連鎖に精通したセラピストが担当
1対1の個別集中セッション(60分)
毎回の評価に基づくオーダーメイドプラン
ご家族・介護者への指導も対応
What We Can Do
取り組める内容
— パーキンソン病への具体的なアプローチ
体軸回旋・骨盤回旋の評価と促通
足部アライメント修正・ボトムアップ介入
歩行・バランス・転倒予防訓練
更衣・移乗などのADL改善訓練

— STROKE LABでのパーキンソン病リハビリの実際の様子です。

Voice from Mentors

「パーキンソン病の患者さんの更衣動作を担当したとき、最初は『体が硬いから』という説明で満足していました。でも足部アライメントを修正してから骨盤の回旋が引き出せた経験をしてから、全身を評価することの意味がわかりました。」— OT 経験5年・神経リハビリテーション専門

「ボトムアップとトップダウンの概念を理解してから、介入の入り口が増えました。PTもOTも、足部から体軸回旋にアプローチできるというのは臨床のゲームチェンジャーだと思っています。」— PT 経験8年・パーキンソン病リハビリテーション担当

Message from CEO
「体が思うように動かない」、
諦めないでください。

STROKE LAB代表 金子唯史 ポートレート

「体が固くなった」「動作が遅くなった」「転びそうで怖い」——そんな不安を抱えながら過ごされているご本人・ご家族の声を、私たちは日々の臨床の中でお聞きしています。

パーキンソン病の運動症状は、適切なリハビリによって改善・維持できます。脳神経科学と徒手技術を組み合わせた当施設独自のアプローチで、一人ひとりの「できる動作」を増やすお手伝いをします。

「体軸回旋」という一見難しそうな概念も、日常の更衣や移乗といったADLに直結しています。まずは現状を丁寧に評価し、あなたに合ったプランをご提案します。

株式会社STROKE LAB
代表取締役 金子 唯史

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References

参考文献。

01 Vaugoyeau M, Viallet F, Aurenty R, Assaiante C, Mesure S, Massion J. Axial rotation in Parkinson’s disease. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2006;77(7):815-21.
02 Thaut MH, McIntosh GC, Rice RR, Miller RA, Rathbun J, Brault JM. Rhythmic auditory stimulation in gait training for Parkinson’s disease patients. Mov Disord. 1996;11(2):193-200.
03 Ebersbach G, Ebersbach A, Edler D, et al. Comparing exercise in Parkinson’s disease—the Berlin BIG Study. Mov Disord. 2010;25(12):1902-8.
04 Duncan RP, Earhart GM. Randomized controlled trial of community-based dancing to modify disease progression in Parkinson disease. Neurorehabil Neural Repair. 2012;26(2):132-43.
05 Massion J. Postural control system. Curr Opin Neurobiol. 1994;4(6):877-87.
06 Hoehn MM, Yahr MD. Parkinsonism: onset, progression and mortality. Neurology. 1967;17(5):427-42.
07 Tomlinson CL, Patel S, Meek C, et al. Physiotherapy intervention in Parkinson’s disease: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2012;345:e5004.
08 金子唯史. 脳卒中の動作分析. 医学書院. 2018.

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