【2026年版】ヒューゲルメイヤーとは 下肢評価 (FMA-LE )と 脳卒中片麻痺者の歩行の相関 脳梗塞のリハビリ論文サマリー – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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【2026年版】ヒューゲルメイヤーとは 下肢評価 (FMA-LE )と 脳卒中片麻痺者の歩行の相関 脳梗塞のリハビリ論文サマリー

Stroke Rehabilitation — Fugl-Meyer Assessment Lower Extremity

FMA下肢評価の採点基準を、新人セラピストが臨床で迷わないために。

FMA(フーゲルメイヤーアセスメント)は脳卒中治療ガイドライン2015・追補2019でグレードB推奨の疾患特異的評価スケールです。海外では標準的に使用されているにもかかわらず、「どの肢位で」「どこまで動けば2点か」といった採点の迷いは新人セラピストに頻出します。この記事では、下肢評価の全項目採点基準を実施方法とともに完全網羅し、臨床判断に直結する形で解説します。

UPDATED2025
READ約15分
FORPT / OT / ST
BYSTROKE LAB

— FMA下肢評価の実施方法と採点基準を動画で確認できます。本記事と併用してご活用ください。

LOWER EXTREMITY
34点満点
FMA下肢運動機能の最高得点。全6領域の合計は226点満点。上肢66点・下肢34点で運動機能100点。
PROPORTIONAL RECOVERY
70%
比例回復モデル(Prabhakaran, 2008)が示す回復率の目安。初期障害から最大約70%の回復が期待される。
ASSESSMENT TIME
30〜45
FMA全領域の標準実施時間。ブルンストロームステージ(5〜10分)より詳細な定量評価が可能。

Quick Reference
忙しい臨床家のための
要点5項目。
01
FMAは0点(実行不可)・1点(部分的に可能)・2点(完全に可能)の3段階採点。下肢運動は34点満点、全領域226点満点。
02
Duncan(1994)の重症度分類は運動100点満点基準。0〜35点=非常に重篤 / 36〜55点=重度 / 56〜79点=中等度 / 79点超=軽度。
03
E-Ⅲ以降(共同運動の組み合わせ・非共同運動)では代償回避のためハムストリングスの触診確認が必須。大腿・足底の浮き上がりは屈筋共同運動とみなす。
04
協調性(踵-膝試験)は「所要時間」「測定障害」「振戦」の3項目で各2点、計6点。5回の踵-膝往復運動と非麻痺側との時間差で採点。
05
比例回復モデル(Prabhakaran, 2008)によると、初期障害に関わらず最大回復量の約70%が達成可能。FMAスコアは予後予測の中心的指標のひとつ。

01
Clinical Encounter

臨床現場でこう出会う。

Case Vignette
脳梗塞発症3週目。担当患者のFMA下肢評価を初めて任された。

60代男性、左中大脳動脈領域の脳梗塞。ブルンストロームステージは下肢Ⅲと記録されているが、今後の歩行訓練の進捗管理のためFMAでの定量評価を指示された。評価用紙を前にして、採点の根拠に自信が持てない—そんな現場の疑問にこの記事は答えます。

「E-Ⅲaの座位での膝関節屈曲、これで本当に90°以上動いているのか?」「G(バランス)のパラシュート反応はどう誘発するのか?」。このような疑問を、先輩から後輩へ伝える感覚で一つひとつ解説していきます。

FMAは入院期・外来期を問わず、担当患者のベースライン評価や介入効果の判定に使います。上司から「FMAで定期評価して」と言われたとき、どの項目でも迷わず実施できることが新人セラピストの最初の目標です。

この記事では下肢評価(E〜J項目)を中心に、バランス・感覚・関節可動域・関節痛まで全採点基準を実施方法つきで解説します。上肢評価・予後予測については関連記事を参照してください。

02
Definition & Epidemiology

FMAの定義と疫学。

FMA(Fugl-Meyer Assessment)は1975年にFugl-Meyer ARらが発表した脳卒中疾患特異的評価スケールです(Fugl-Meyer AR et al., Scand J Rehabil Med, 1975)。脳卒中治療ガイドライン2015・追補2019ではグレードB(行うように勧められる)と推奨されており、海外ではブルンストロームステージよりも広く使用されています。

評価項目は6領域で構成されます。上肢運動機能・下肢運動機能・感覚・バランス・関節可動域・関節痛の6つで、それぞれを独立して使用することも可能です。特に上肢・下肢の運動機能はアウトカムとして単独で使われることが多く、進捗管理に有用です。

Scoring Overview
FMA 6領域・配点の全体像。
領域 最高点 内訳
運動機能 100点 上肢66点・下肢34点
感覚 24点 軽いタッチ8点・位置感覚16点
バランス 14点 座位6点・立位8点
関節可動域 44点 ゴニオメーターで必ず計測
関節痛 44点 可動域評価と同時実施

採点は0点(実行できない)・1点(部分的に実行できる)・2点(完全に実行できる)の3段階。合計最高点は226点。

重症度分類(Duncan PW, 1994)

Duncan PW(1994)らは運動機能100点満点において、以下の重症度分類を提案しています。ゴール設定や転帰予測の際に参照しましょう。

I
非常に重篤0〜35点

随意運動はほぼ不可能な状態。共同運動すら引き出しにくく、端座位保持から介入を開始する段階。

II
重度36〜55点

共同運動が引き出せる段階。選択的な運動は困難。平行棒内歩行や介助歩行を目指す時期。

III
中等度56〜79点

部分的に選択的運動が可能。屋外歩行や階段昇降の自立を目指すことが多い段階。

IV
軽度79点超

選択的運動がほぼ可能。不整地歩行や生活の質の向上が主要課題となる段階。

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STROKE LABは脳神経疾患に特化した自費リハビリ施設です。担当セラピストが、FMA評価結果を踏まえた個別プログラムを提案します。ご本人だけでなくご家族も一緒に参加できます。

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03
Neural Mechanism

共同運動パターンの神経機序。

Clinical Insight
FMAはなぜ「共同運動」から始まるのか。

脳卒中後の運動回復は、共同運動パターン(synergy pattern:特定の関節運動が連動して出現するパターン)の出現から始まり、やがて選択的随意運動へと移行します。この回復過程がFMAの評価構造に反映されています。

皮質脊髄路の損傷により、系統発生的に古い脊髄・脳幹の神経回路が優位になります。これが共同運動パターンの出現につながります。リハビリの進行とともに皮質の再組織化が進み、より精緻な選択的運動が可能になっていきます。

下肢の屈筋共同運動と伸筋共同運動

下肢の屈筋共同運動(Flexor Synergy)は、股関節・膝関節の屈曲と足関節の背屈が連動して起こります。伸筋共同運動(Extensor Synergy)は、股関節の伸展・内転、膝関節の伸展、足関節の底屈が連動します。

FMAのE-Ⅱ(共同運動)→E-Ⅲ(共同運動の組み合わせ)→E-Ⅳ(非共同運動)という評価順序は、この回復の段階性を反映しています。新人セラピストはまず「今の患者さんはどの段階にいるか」を意識して評価に臨みましょう。

EVIDENCE — Level: SR・複数RCT 強く推奨
Winters et al. (2016) — FMAは脳卒中後の最も広く検証されたアウトカム指標

研究概要: Winters C et al. (2016) による脳卒中後上肢回復の測定に関するシステマティックレビュー。FMAを含む複数のアウトカム指標を検討した結果、FMAが最も広く使用され、十分に検証された評価法であることが確認された。FMAを補完する追加の尺度特定に向けたさらなる研究が必要であることも指摘している。

臨床的含意: FMAは変化に対する感度が高く、介入効果の判定に信頼性が高い。単独使用でも有用だが、FIM等の機能的転帰指標との組み合わせでより包括的な評価が可能。

04
Differential — FMA vs Brunnstrom

FMAとブルンストロームステージの違い。

どちらも脳卒中の運動機能回復を評価するツールですが、アプローチと臨床上の強みが異なります。使い分けの基準を整理しましょう。

比較項目 FMA Brunnstrom Stages
評価の焦点 定量的(数値化) 定性的(段階記述)
構造・項目数 6領域155項目(最大226点) 6段階
実施時間 30〜45分 5〜10分
変化への感度 高い(微細な変化を検出) FMAより低い
適した使用場面 研究・アウトカム評価・介入効果の定量判定 日常臨床の記録・スクリーニング
患者層 広範囲の脳卒中患者に適用可能 重度の運動障害患者に最も適する
ブルンストロームで「段階」を把握し、FMAで「変化量」を定量化する。この2つを補完的に使うのが臨床のコツです。

05
Scoring Criteria — Complete Guide

下肢評価の採点基準(完全網羅)。

ここからが本記事の核心です。FMA評価用紙PDFを手元に置きながら、各項目の実施方法と採点基準を確認しましょう。

E-Ⅰ. 深部腱反射

深部腱反射の評価 FMA下肢評価

SCORING CRITERIA

測定部位: 屈筋=ハムストリングス / 伸筋=大腿四頭筋腱または下腿三頭筋(アキレス腱)

開始肢位: 背臥位

採点: 消失=0点 / 出現=2点(各部位)

※非麻痺側でも反射がなければ、麻痺側の消失も正常と判断します。

E-Ⅱa. 屈筋共同運動

股関節・膝関節の屈曲と足関節の背屈の共同運動を評価します。可動域制限がない範囲で随意運動ができれば満点です。

屈筋共同運動の実施方法 FMA下肢評価

SCORING CRITERIA

実施方法: ①背臥位から股関節・膝関節の屈曲と足関節の背屈を同時に行う(股関節の外転・外旋は可)。②膝関節は踵を上に持ち上げるよう軽く抵抗をかける(下方向への抵抗は股関節屈曲への抵抗にもなるため注意)。

採点(股関節屈曲・膝関節屈曲・足関節背屈を各独立採点): 不可=0点 / 一部分可能=1点 / 全可動域可能=2点

屈筋共同運動 評価例1 屈筋共同運動 評価例2

E-Ⅱb. 伸筋共同運動

股関節伸展・内転、膝関節伸展、足関節底屈の4つを評価します。検査前に可動域の確認を行っておきましょう。

伸筋共同運動の実施方法 FMA下肢評価

SCORING CRITERIA

実施方法: ①股関節・膝関節の屈曲、足関節の背屈からスタート。②股関節の伸展・内転、膝関節の伸展、足関節の底屈を同時に行う。③内転以外は従重力活動のため抵抗をかける。

採点(股関節伸展・内転・膝関節伸展・足関節底屈を各独立採点): 不可=0点 / 一部分可能=1点 / 全可動域可能=2点

伸筋共同運動 評価例

E-Ⅲa. 共同運動での組み合わせ(座位での膝関節屈曲)

座位での膝関節屈曲 FMA下肢評価

SCORING CRITERIA

実施方法: ①膝裏とベッド(椅子)の間が10cm空くよう座る。②足裏を床につけたまま後ろに滑らせながら膝関節を屈曲。ハムストリングスを触診して収縮を確認することが必須。大腿や足底が浮いた場合は屈筋共同運動として扱う。

採点: 随意運動なし=0点 / 90°未満=1点 / 90°以上=2点

座位膝関節屈曲 評価例

E-Ⅲb. 共同運動での組み合わせ(座位での足関節背屈)

座位での足関節背屈 FMA下肢評価

SCORING CRITERIA

実施方法: ①ベッドや椅子に座り、足関節の可動域を確認。②自分の力で足関節を背屈。大腿や踵が浮いた場合は屈筋共同運動として扱う。

採点: 随意運動なし=0点 / 一部分可能=1点 / 全可動域可能=2点

座位足関節背屈 評価例

E-Ⅳa. 非共同運動(立位での膝関節屈曲)

立位での膝関節屈曲 FMA下肢評価

SCORING CRITERIA

実施方法: ①股関節伸展位で立位(バランステストではないため支持物使用可)。②股関節伸展位を保ちながら膝関節のみを90°屈曲。

採点: 随意運動なし・開始直後から股関節が屈曲する=0点 / 90°未満・運動に伴い股関節が屈曲する=1点 / 90°以上屈曲可能=2点

立位膝関節屈曲 評価例

E-Ⅳb. 非共同運動(立位での足関節背屈)

立位での足関節背屈 FMA下肢評価

SCORING CRITERIA

実施方法: ①股関節伸展位で立位(支持物使用可)。②足関節のみを背屈。骨盤前傾の方は足をやや前に出して評価。

採点: 随意運動なし=0点 / 一部分可能=1点 / 全可動域可能=2点

立位足関節背屈 評価例

E-Ⅴ. 腱反射の程度(E-Ⅳの2項目が両方満点の方のみ実施)

腱反射の程度の評価 FMA下肢評価

SCORING CRITERIA

実施方法: 背臥位にてハムストリングス・大腿四頭筋・アキレス腱の腱反射を麻痺側・非麻痺側ともに評価し、非麻痺側との差を判定。

採点: 2/3が著明な亢進=0点 / 1/3が著明な亢進=1点 / 1/3が亢進(非麻痺側と同等)=2点

F. 協調性(踵-膝試験)

協調性 踵-膝試験 背臥位 協調性 踵-膝試験 座位
SCORING CRITERIA(3項目×2点=最大6点)

実施方法: 踵を反対下肢の膝蓋骨につけ、膝蓋骨→足関節と滑らせて戻す動作を5回繰り返す。論文によっては座位での評価もある。

① 所要時間(非麻痺側と比較): 6秒以上遅い=0点 / 2〜5秒遅い=1点 / 差が2秒以内=2点

② 測定障害(ジスメトリア): 顕著・一定しない=0点 / わずか・程度は一定=1点 / なし=2点

③ 振戦: 著明=0点 / わずか=1点 / なし=2点

協調性 評価例

G. バランス — 5項目(座位2点+立位8点=最大14点)

バランス評価は転倒リスクが高い項目を含みます。毎回、転倒リスクの評価・環境調整・患者への説明の3点を徹底してください。

G-1. 端座位保持

端座位保持 FMA下肢評価

実施方法: 背もたれのないベッドで5分間端座位保持。他の評価中に5分以上介助なく端座位が取れていれば再評価不要。

採点: 背もたれが必要=0点 / ときどき介助が必要=1点 / 5分以上介助なく可能=2点

G-2. パラシュート反応(麻痺側・非麻痺側の両方を評価)

パラシュート反応 FMA下肢評価

実施方法: 端座位で検査者がわざと左右にバランスを崩し、上肢の外転・伸展で支えられるかを評価。転倒リスクが高いため必ずリスク管理と環境調整を行う。

採点(麻痺側・非麻痺側それぞれ): 反応なし=0点 / 一部分あり=1点 / 肘関節伸展・肩関節外転が出現=2点

G-3. 軽介助での立位保持

軽介助での立位保持 FMA下肢評価

実施方法: 軽く肩に触れた状態で1分間立位保持(触れる力は軽く触れる程度——過介助は評価精度を下げる)。

採点: 保持不可能=0点 / 徐々に介助量が増加=1点 / 1分間可能=2点

軽介助立位 評価例

G-4. 介助なしでの立位保持

介助なしでの立位保持 FMA下肢評価

実施方法: 介助なしで1分間立位保持。転倒リスクがあるため、必ずすぐ支えられる位置で評価する。

採点: 保持不可能=0点 / 動揺あり=1点 / 動揺なく1分間可能=2点

介助なし立位 評価例

G-5. 片脚立ち(麻痺側・非麻痺側の両方を評価)

片脚立ち FMA下肢評価

実施方法: 麻痺側・非麻痺側の両方で片脚立位を行い、保持できた時間を計測。非麻痺側も神経学的影響を受けることが多いため、両側とも転倒注意。

採点: 3秒以下=0点 / 4〜9秒=1点 / 10秒以上=2点

片脚立ち 評価例

H. 感覚 — 触覚と受動運動覚(最大24点)

触覚の評価 FMA下肢評価

SCORING CRITERIA

H-1. 触覚: 非麻痺側と比較して麻痺側の触覚を評価。両側で触れる力を同じにする。→ 脱失=0点 / 鈍麻・異常感覚=1点 / 非麻痺側と同等=2点

H-2. 受動運動覚: 股関節・膝関節・足関節・母趾の4箇所を各4回評価。目を閉じた状態で上下の運動方向を回答。手の側面から触れ(上下の触圧覚で判断されないよう注意)、膝関節が動かないよう固定。→ 2/4以下=0点 / 3/4=1点 / 正常=2点

I. 関節痛 / J. 関節可動域(同時実施・各44点)

SCORING CRITERIA — 関節可動域評価は必ずゴニオメーターを使用

I. 関節痛: 著明=0点 / わずか=1点 / なし=2点

J. 関節可動域: わずかな可動域=0点 / 制限あり=1点 / 非麻痺側と同等=2点

評価関節: 股関節(屈曲・外転・内旋・外旋)、膝関節(屈曲・伸展)、足関節(背屈・底屈)、距骨下関節(内反・外反)

※I.関節痛とJ.関節可動域は同じタイミングで評価を行います。目視での可動域推定は信頼性を下げます。必ずゴニオメーターで計測してください。

CLINICAL REFERENCE
FMAスコア記録例 — 5症例の点数分布
ID 上肢運動 手指運動 下肢運動 感覚 バランス 合計
001 30/66 10/14 28/34 12/24 10/14 142
002 40/66 12/14 30/34 20/24 12/14 176
003 25/66 8/14 22/34 18/24 8/14 127
004 50/66 14/14 32/34 24/24 14/14 198
005 35/66 10/14 26/34 16/24 10/14 153

各領域で異なる重症度パターンを示します。上肢と下肢の回復には乖離が生じることも多く、領域別スコアの把握が重要です。

06
Evidence-Based Intervention

介入への応用とエビデンス。

FMAスコアは評価結果を記録するだけでなく、介入の段階設定に直結します。今の患者さんのスコアがどの段階にあるかを把握したうえで、次のフェーズへの進め方を計画しましょう。

Ph1
反射・共同運動の誘発FMA 0〜35点

端座位・立位バランスの促通から開始。体重支持や重心移動を通じた運動出力の誘発が優先。1セッション20〜40分・週3〜5回。

Ph2
共同運動内の反復練習FMA 36〜55点

屈筋・伸筋共同運動を繰り返す反復練習(1日100〜200repetition)を導入。平行棒内歩行の開始。比例回復モデルを意識したゴール設定。

Ph3
課題指向型訓練の導入FMA 56〜79点

非共同運動(E-Ⅳ)が出現する段階。選択的な膝関節・足関節運動を課題に組み込む。1セッション30〜45分の課題指向型訓練・週4〜5回。歩行速度や動的バランスを指標に。

Ph4
高機能運動・生活場面への汎化FMA 79点超

不整地歩行・段差昇降・運動速度の向上など高機能な課題を中心に。FMA各項目の2点取得が増える段階。バランスの精緻化と生活場面への汎化を目指す。

EVIDENCE — Level: 文献レビュー
Stinear et al. (2017) — FMAとバイオマーカーの組み合わせが予後予測を向上させる

研究概要: Stinear CM et al. (2017) は運動回復バイオマーカーと脳卒中後の機能的転帰予測に関する文献をレビュー。FMAスコアを神経生理学的測定や神経画像などのバイオマーカーと組み合わせることで予後予測の精度が向上すると結論付けた。患者固有の回復予測を強化するための、より精確なバイオマーカーの開発が今後の課題とされている。

臨床への示唆: FMAのみによる予後予測には限界があります。患者の発症後日数・MRI所見・神経生理学的データを組み合わせて総合的に判断することが重要です。

STROKE LAB代表 金子唯史

Message from CEO
「もっとよくなりたい」というお気持ちを、全力で支えます。

FMAの評価結果をもとに、脳神経系に特化したセラピストが一人ひとりに合ったプログラムを提案します。退院後・慢性期でも継続して通える自費リハビリだからこそ、時間をかけて丁寧に向き合うことができます。

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07
Interdisciplinary Collaboration

多職種連携と環境調整。

FMAのスコアは担当PTだけのものではありません。チーム全体で共有し、各職種の介入方針に活かすことで患者の回復を多面的に支援できます。

多職種連携の役割分担

職種 FMA評価との連携内容 共有ポイント
PT 主体的にFMA評価を実施。下肢運動・バランス・ROM・疼痛を担当。 歩行段階・立位バランスの目標をチームに伝える。
OT 上肢FMAを担当。ADL動作・手指機能への影響を把握。 移乗・入浴等のADL場面での下肢安定性を確認。
看護師 病棟での自立動作の見守りレベルをFMAスコアから判断。 夜間・休日の離床・トイレ動作の安全確保。
医師 FMAスコアをアウトカムとして転帰先・退院方針決定に活用。 薬物療法(痙縮・疼痛)の効果をFMAで追跡。
MSW FMAスコアをもとに退院後のサービス選択・施設適否を判断。 在宅復帰か施設転帰かの判断材料として共有。

カンファレンスでの伝え方

Mentor’s Voice — 先輩からの引き継ぎ

「FMAスコアをそのまま数字で伝えるだけでは看護師や医師には伝わりにくいです。”下肢運動は34点中18点で、現在は伸筋共同運動が主体。平行棒内歩行を開始した段階”というように、点数の意味を添えましょう。」

「バランス評価のG-5(片脚立ち)が1点(4〜9秒)になったタイミングを看護師に共有すると、病棟での歩行見守りレベル変更の根拠になります。」

「関節痛のスコアが下がっているのに患者さんが”痛い”と言っている場合は、中枢性感作など別の要因を疑いましょう。FMAの点数と患者の訴えには乖離が生じることがあります。」

08
Pitfalls & Clinical Judgment

Pitfallsと臨床判断のコツ。

FMA評価で新人セラピストが陥りやすい採点ミスと、それを防ぐための臨床判断のポイントをまとめました。先輩から引き継いでほしい3つの罠です。

Pitfalls — Don’t make these mistakes
新人臨床家が陥りやすい3つの罠
!
触診なしでE-Ⅲを採点する: E-Ⅲa(座位膝関節屈曲)でハムストリングスを触診せずに採点すると、骨盤の代償回転を見逃します。必ず触診して筋収縮を確認してから採点しましょう。大腿・足底が浮いたら屈筋共同運動と判断し、E-Ⅲaの採点対象外です。
!
E-Ⅴを全員に実施する: E-Ⅴ(腱反射の程度)はE-Ⅳaおよびe-Ⅳbの2項目が両方満点のときにのみ実施します。それ以外の患者には実施しても採点に含められません。評価用紙の実施条件を必ず確認してください。
!
バランス評価でのリスク管理不足: G(バランス)のパラシュート反応や片脚立ちは転倒リスクが高い評価です。評価前に①転倒リスクの確認・②環境調整・③患者への説明を必ず実施してください。非麻痺側も神経学的影響を受けることを忘れずに、両側とも全神経を集中して評価に臨みましょう。

臨床判断の分岐点

Clinical Insight

「FMAスコアが伸び悩んでいるとき、”練習量が足りない”と考える前に”採点が正確かどうか”を再確認してほしいです。採点の甘さや代償の見落としが、見かけ上の伸び悩みにつながっているケースがあります。」

「関節可動域(J)と関節痛(I)は必ずゴニオメーターで計測し、同時に評価します。目視での”だいたいこのくらい”は信頼性を下げます。初回評価の計測を後から確認できるよう記録しておきましょう。」

評価の精度が、介入の精度を決める。FMAを「こなす」のではなく「理解して使う」ことが、臨床家としての第一歩です。

09
Prognosis & Goal Setting

予後とゴール設定。

FMAスコアは回復の予後予測にも使用されています。代表的な研究とその臨床的含意を整理します。

Proportional Recovery Model — エビデンスレベル: コホート研究
「初期障害の約70%が回復する」という比例回復モデル。

Prabhakaran S et al. (2008) は「脳卒中後上肢回復と転帰:比例回復モデル」として、初期の障害に関係なく、個人が潜在的に持っているFMAスコア向上の約70%を回復することを提案しました。中等度〜重度障害患者における上肢回復の強固な予測因子として報告されています。

臨床でのゴール設定では「この患者さんの理論的な回復上限はどこか」を計算しておくと、realistic goalを設定しやすくなります。ただし比例回復モデルはあくまで「統計的傾向」であり、個々の患者で大きく異なることを忘れないでください。

EVIDENCE — Level: コホート研究
Nijland et al. (2010) — FMAスコアと機能的回復の正の相関

研究概要: Nijland RH et al. (2010) は脳卒中後の機能的転帰予測について、FMAスコアと機能的回復の関連を検討。FMAスコアは機能的回復と正の相関があることが確認された。また半側無視(体の片側への注意・意識の欠如)は機能的転帰の負の予測因子であることも報告している。

臨床への示唆: 半側無視を合併する患者では、FMAスコアが同等でも機能的転帰が悪い場合があります。認知・注意機能の評価と並行してFMAを解釈しましょう。

FMAのみで予後を語らないこと。FMAスコアは「現在地」を示すツールであり、「限界」を示すものではありません。

10
FAQ — Frequently Asked Questions

よくある質問。

Q.FMAの下肢評価は何点満点ですか?また運動機能の重症度分類基準を教えてください。
A.

FMAの下肢運動機能は34点満点です。全領域合計は226点満点となります。

Duncan PW(1994)らは運動機能100点満点において、0〜35点を「非常に重篤」、36〜55点を「重度」、56〜79点を「中等度」、79点超を「軽度」と分類しています。

Q.FMAとブルンストロームステージはどちらを臨床で使うべきですか?
A.

FMAは155項目で定量的な変化を捉えるのに優れています。ブルンストロームステージは6段階で5〜10分と短時間で実施でき、概括的な回復段階の把握に向いています。

海外ではFMAがより広く使用されており、研究やアウトカム評価にはFMAが推奨されます。臨床では目的に応じて補完的に使い分けるのが現実的です。

Q.E-Ⅲa(座位での膝関節屈曲)で代償運動を見逃さないためのポイントを教えてください。
A.

最大のポイントはハムストリングスの触診です。ハムストリングスの収縮を確認しないと、骨盤の回旋などで代償してしまうケースがあります。

大腿や足底が床から浮いてしまう場合は屈筋共同運動になっているため、採点対象外となります。評価前に触診位置を確認し、代償の有無を明確に判断しましょう。

Q.協調性(踵-膝試験)の採点で最も注意すべき点は何ですか?
A.

協調性は「所要時間」「測定障害」「振戦」の3項目をそれぞれ0〜2点で採点します。非麻痺側との比較が基本です。

所要時間は非麻痺側より6秒以上遅ければ0点、2〜5秒遅ければ1点、2秒以内の差は2点です。非麻痺側も神経学的影響を受けることがあるため、非麻痺側の評価も慎重に行いましょう。

Q.バランス評価のパラシュート反応や片脚立ちを行う際の安全管理ポイントを教えてください。
A.

パラシュート反応は転倒リスクが高い評価です。評価前に転倒リスクを十分に評価し、環境調整と評価の説明を行ってください。

片脚立ちも同様で、必ずすぐ支えられる位置で評価しましょう。非麻痺側も神経学的影響を受けることがあるため、非麻痺側片脚立ちの評価時も注意が必要です。

Q.下肢FMAスコアから予後予測はできますか?
A.

Prabhakaran et al.(2008)の比例回復モデル(PRM)によると、初期の障害レベルにかかわらず、理論的な最大回復量の約70%を達成できるとされています。

FMAスコアは機能的回復と正の相関があることがNijland et al.(2010)らにより示されています。予後予測の精度を上げるには、FMAスコアと神経生理学的測定などのバイオマーカーの組み合わせが有効です(Stinear et al., 2017)。

11
Our Program

STROKE LABのプログラム。

STROKE LABは脳卒中・脳神経疾患に特化した自費リハビリ施設です。厳しい採用基準と徹底した教育を受けたセラピストが、FMA評価結果を踏まえて個別最適化されたリハビリプログラムを提供します。「退院後に回復が頭打ちになった」「もっとよくなりたいが通える場所がない」というご家族のお悩みに、私たちは真摯に向き合います。

Our Strengths
STROKE LABの強み
— 脳神経系に特化したリハビリ
脳神経疾患専門セラピストによる完全個別対応
FMA等エビデンスに基づく定量評価と目標設定
退院後・慢性期でも継続できる自費リハビリ
ご家族へのホームエクササイズ指導も充実
What We Can Do
取り組める内容
— 脳卒中後の多様なニーズに対応
歩行・バランス訓練(FMAスコアに応じた段階的プログラム)
上肢・下肢の運動機能改善
日常生活動作(ADL)の自立支援
感覚・協調性の改善トレーニング

— STROKE LABでのリハビリテーションの実際の様子です。

Voice from Mentors

「FMAを使いはじめた頃、数字を取ることに精一杯で、患者さんの”なぜ動かないか”まで考えられていませんでした。スコアの変化を神経回復の文脈で解釈できるようになったのは、臨床2〜3年目になってからでした。まずは正確に採点することから始めてください。」— PT、臨床経験10年・神経リハビリテーション専門

「FMAのG(バランス)評価を怖がって後回しにする新人さんが多いです。でもバランス評価こそ転倒リスクを事前に把握するためのもの。環境を整えてきちんと評価してこそ、安全な訓練立案につながります。」— PT、臨床経験15年・急性期・回復期リハビリテーション専門

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Message from CEO
まだ、回復できる可能性がある。
諦めないでください。

STROKE LAB代表 金子唯史 ポートレート

FMAのスコアが低くても、それは「現在地」にすぎません。脳神経系には可塑性があり、適切な介入が継続されれば回復は続きます。退院後に「ここで終わり」と思わないでほしいのです。

STROKE LABでは、FMA評価から導き出された個別の介入計画に基づいて、ご本人の回復を全力でサポートします。

まずは無料相談で、今の状態と目標をお聞かせください。私たちと一緒に、次の一歩を踏み出しましょう。

株式会社STROKE LAB
代表取締役 金子 唯史

無料相談を予約する

References

参考文献。

01Fugl-Meyer AR, Jaasko L, Leyman I, et al. The post-stroke hemiplegic patient. 1. a method for evaluation of physical performance. Scandinavian Journal of Rehabilitation Medicine. 1975;7(1):13-31.
02Baker K, Cano SJ, Playford ED. Outcome measurement in stroke: a scale selection strategy. Stroke. 2011 Jun;42(6):1787-94.
03Duncan PW, Goldstein LB, Horner RD, Landsman PB, Samsa GP, Matchar DB. Similar motor recovery of upper and lower extremities after stroke. Stroke. 1994 Jun;25(6):1181-8.
04Nijland RH, van Wegen EE, Harmeling-van der Wel BC, Kwakkel G. Presence of Finger Extension and Shoulder Abduction within 72 Hours After Stroke Predicts Functional Recovery. Stroke. 2010;41(4):745-750.
05Stinear CM, Byblow WD, Ackerley SJ, Smith MC, Borges VM, Barber PA. Prep Aiming to Predict Motor Recovery After Stroke: The PREP2 Algorithm. Annals of Neurology. 2017;82(4):500-510.
06Prabhakaran S, Zarahn E, Riley C, et al. Inter-individual variability in the capacity for motor recovery after ischemic stroke. Neurorehabilitation and Neural Repair. 2008;22(1):64-71.
07Winters C, van Wegen EE, Daffertshofer A, Kwakkel G. Generalizability of the Proportional Recovery Model for the Upper Extremity After an Ischemic Stroke. Neurorehabilitation and Neural Repair. 2015;29(7):614-622.
08Gladstone DJ, Danells CJ, Black SE. The Fugl-Meyer Assessment of Motor Recovery after Stroke: A Critical Review of Its Measurement Properties. Neurorehabilitation and Neural Repair. 2002;16(3):232-240.
09金子唯史. 脳卒中の動作分析. 医学書院. 2018.

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