公園遊びが苦手な子|遊具・感覚・姿勢のどこでつまずくか – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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公園遊びが苦手な子|遊具・感覚・姿勢のどこでつまずくか

PLAYGROUND PARTICIPATION

「遊ばない」のではなく、どの刺激や動作で参加しにくくなるのかを分けて考えます

公園に行っても遊具へ近づかない。ブランコや滑り台を怖がる。友だちは楽しそうなのに、うちの子だけ止まってしまう。そんなとき大切なのは、「遊具が苦手かどうか」ではなく、「どの場面で止まりやすいか」を分けて見ることです。感覚だけで決めつけず、姿勢、動作の手順、見え方、環境、そして子どもの不安や成功体験まで含めて整理します。

UPDATED2026
READ約12分
FOR3〜8歳頃のお子さんの保護者・園学校関係者
BYSTROKE LAB
本記事は、医学書院『脳の機能解剖とリハビリテーション』(2024年・408頁)の著者が監修・執筆しています。STROKE LABでは、子どもの運動発達や学校生活の困りごとを、姿勢や感覚だけでなく、生活場面の参加という視点から見立てています。医療・健診・診断が先、私たちは生活機能と参加の側から併走します。急な麻痺、強い痛み、意識の変化、けがを伴う転倒増加などがある場合は、様子を見ずに医療機関へご相談ください。

公園での様子

Quick Reference
まず知っておきたい5つのポイント
01
遊具で遊ばないことだけでは、発達の問題や診断名は決められません
02
大切なのは、近づく・乗る・動く・降りる・繰り返すのどこで止まりやすいかを見ることです
03
感覚だけでなく、姿勢、動作の手順、見え方、混雑、過去の失敗経験も関係します
04
無理に慣れさせるより、子どもが始める・やめるを選べる小さな段階から始めることが安心です
05
公園だけでなく、階段、体育、休み時間、着替えなど複数場面で困るときは相談が役立ちます
01
Not A Diagnosis By Itself

公園遊びが苦手でも、すぐに診断名とは限りません

公園に行っても遊具で遊ばないと、「怖がりなのかな」「感覚が過敏なのかな」「運動が苦手なのかな」と気になります。ですが、遊具を避けるという一つの行動だけで、発達の問題や診断名を決めることはできません。

たとえば、揺れそのものが苦手な子もいれば、何をどう始めればよいか分からず止まっている子もいます。高い場所は大丈夫でも、動いている最中に体を支えることが難しい子もいます。友だちが多いと急に遊べなくなる子もいます。大切なのは、どの遊具が苦手かより、どの局面で止まるかを具体的に見ることです。

A Parent’s Voice
「遊ばない」の裏に、いくつもの理由が隠れていることがあります

同じ滑り台でも、階段は登れるのに座れない子、滑るのはできるのに着地で崩れる子、友だちが後ろに並ぶと急に固まる子がいます。困りごとを分けて見ると、支え方も変わります。

公園遊びは、感覚、姿勢、動作の組み立て、見え方、周囲の環境、そして子どもの気持ちが重なってできています。

02
STROKE LAB’s View

STROKE LABの視点|遊具別ではなく「流れ」で見る

私たちは、公園遊びを「ブランコができるか」「滑り台ができるか」という結果だけでは見ません。公園遊びには、遊具へ近づく、順番を待つ、乗る、動く、止まる、降りる、もう一度やる、友だちと続ける、という流れがあります。どこで止まりやすいかによって、必要な配慮も変わります。

STROKE LABの視点

よくある単純化は、「感覚が苦手だから」「体幹が弱いから」で止まってしまうことです。しかし実際には、同じ遊具でも、自分で始めるのはできるが、他の子のスピードに合わせると崩れる空いている公園ならできるが、園庭では止まるといった差が見られます。

つまり、公園遊びは身体機能だけでなく、課題の複雑さ、時間の余裕、周囲の人数、予測のしやすさ、成功経験によっても変わります。だからこそ、生活場面そのものに近い見立てが必要になります。

公園遊びのつまずきはどこに

03
Where The Child Gets Stuck

遊具別ではなく「どこで止まるか」を見る

場面 見たいポイント 背景として考えること
近づく・待つ 遠くから見るだけか、触れられるか、順番待ちで崩れるか 新しさ、混雑、音、人との距離、不安、見通しの持ちにくさ
乗る・登る 足をどこに置くか分かるか、両手支持が使えるか、片脚へ乗れるか 姿勢制御、手足の順序、空間の見え方、高さへの不安
動いている最中 体を起こしていられるか、視線が安定するか、自分で動きを調整できるか 揺れや速度の予測、体幹の安定、自己発生運動と他動運動の差
止まる・降りる 終わるタイミングが分かるか、着地で崩れないか、後ろ向きに降りられるか 制動、姿勢切り替え、着地予測、次の動作へのつなぎ
繰り返す・友だちと続ける 一度できても続かないか、友だちが来ると止まるか、疲れると崩れるか 持久力、注意の切り替え、社会的負荷、成功率、疲労後の変化

たとえば、ブランコを怖がる子でも、自分でゆっくり揺らすのはできるのに、大人が後ろから押すと急に固まることがあります。これは単純な「揺れが苦手」ではなく、いつ動くかを予測できるか、自分で止められる感覚があるかが関係しているかもしれません。

また、静かな公園ではできるのに、園庭や友だちの多い時間帯ではうまくいかない場合、運動の問題だけでなく、周囲の刺激量や時間的な焦りが重なっていることもあります。ここを見分けると、支援の方向が変わります。

04
What Helps At Home And School

家庭・園でできる配慮

配慮の例 ねらい
見る、触る、一段登る、短時間だけ乗るなど小さく区切る 成功しやすい工程から始める
高さ、速さ、混雑、介助量を一度に変えない 何が難しさを増やしているか見えやすくする
「次はここに手」「終わったら降りる」など短く具体的に伝える 手順を分かりやすくする
混雑しにくい時間帯や遊具を選ぶ 環境の負荷を下げる
子どもが始める・やめるを選べるようにする 安心感と自己効力感を保つ

気をつけたいのは、苦手そうだからといって「何度もやれば慣れる」と無理に繰り返さないことです。怖さが強いまま続けると、公園そのものを嫌がることもあります。保護者や先生が細かく操作しすぎるより、できる一歩を見つけて、終わり方まで含めて成功経験にするほうが、次につながりやすくなります。

公園や園庭で役立つ配慮

05
When To Seek Advice

相談したい目安

様子を見ながらよいことが多い例 相談が安心な例
特定の遊具だけ苦手だが、他の遊びには参加できる 公園以外にも、階段、着替え、食事、体育、休み時間など複数場面で困る
時間や慣れで少しずつ参加が増えている 転倒や衝突が多く、けがを繰り返す
混雑しない条件では遊べる 左右差、痛み、極端な疲れやすさがある
本人が「今日はやめる」と言えており、不安が強く残っていない 以前できていたことができなくなった、または参加が明らかに狭まっている

また、急な脱力、強い痛み、意識の変化、けいれんのような動き、いつもと違う歩き方や明らかな麻痺がある場合は、公園遊びの相談として様子を見るのではなく、医療機関への相談を優先してください。

06
Evidence Snapshot

研究でわかっていること

Evidence Box
公園遊びの支援に関係する研究の要点
1. 協調運動の困難がある子では、活動や参加を目標にした支援が重視されます
DCDに関する国際的な推奨では、本人に意味のある活動目標を設定し、実際の課題に近い練習と環境調整を組み合わせることが重要とされています。公園遊びでは、遊具の一工程を生活の目標として扱う視点が役立ちます。
2. 支援は「身体機能」だけでなく、「課題」と「環境」を含めて考える必要があります
厚労省のDCD支援資料でも、本人の動きだけでなく、道具、時間、周囲の人、場所の条件を調整することが示されています。公園では、混雑、順番待ち、遊具の高さや速さなども大きな影響を与えます。
3. 参加の改善は、できた動きを生活の中で使える形へつなぐことが重要です
施設内で一度できても、公園や園庭で自発的に使えるとは限りません。家庭や園学校で試し、再評価し、条件を調整していく流れが必要です。
限界:本テーマそのものを直接対象とした研究は多くありません。ここでの整理には、DCD支援、課題志向型介入、環境調整に関する知見を含みます。年齢、診断、重症度、介入量、生活環境によって結果は変わります。医学的診断や治療の代替ではありません。
07
Specialized Support

専門施設で、さらに期待できること

Bridge From Home To Clinic
ここまでは、家庭や園で失敗や負担を減らす工夫でした。専門施設では、困りごとの仕組みを分け、育てたい機能と生活参加の両方へ働きかけます。
医学的な診断、投薬、画像評価などの判断は主治医の領域です。私たちは、評価にもとづいて、公園や園庭で実際に使える力へつなぐ支援を行います。

専門施設の役割は、「苦手な遊具を練習する場所」だけではありません。目指すのは、子ども本人と家族が選んだ参加目標を、実際の生活の中で達成しやすくすることです。たとえば「きょうだいと滑り台を1回楽しむ」「園庭でブランコに自分で乗れる」「休み時間に立ち尽くす時間を減らす」といった目標です。

評価で見る領域 何を見るか 介入選択にどうつながるか
姿勢・運動 体幹の立ち直り、両手支持、片脚荷重、着地、制動 どの遊具のどの局面で姿勢補助や段階づけが必要かを決める
感覚・予測 揺れ、高さ、速度、自分で動かす時と他者に動かされる時の差 刺激量の調整や開始・停止の自己選択が必要かを見立てる
動作の組み立て 手足の順序、始め方、終わり方、次の工程への移行 課題を細かく分けるか、見本や目印が必要かを決める
情緒・参加 失敗経験、不安の強さ、自分から選べるか、友だちと続けられるか 成功率や自己効力感を保てる課題設定に反映する
環境・課題 時間帯、人数、遊具の高さ、園庭か公園か、先生や家族の関わり方 生活へ般化するために、どの条件を先に変えるかを決める
STROKE LAB’s Clinical Reasoning
STROKE LABの臨床推論

公園遊びの困りごとは、筋力だけの問題ではありません。回数を増やすだけでも、生活に移るとは限りません。たとえばブランコが怖い子でも、足が床についた状態なら笑顔でいられるのか、自分で揺らすのはできるのか、後ろから押されると止まるのかで、ボトルネックは変わります。

私たちは、機能解剖と動作分析から、どこで姿勢反応が追いつかないのか、どこで予測が崩れるのか、どこで動作の手順がつながらないのかを仮説化します。そのうえで、課題そのものの練習、感覚条件の調整、手順の見える化、環境設計を組み合わせます。

その場では、成功率、必要な介助量、疲労後の変化、別条件での再現性を見ます。特に、静かな場面ではできるが他児が入ると崩れるか午前はできるが疲れた午後に崩れるかは、生活への般化を考えるうえで重要な観察点です。

最後は、家庭や園庭で試せる形へ変換します。保護者や先生にお願いするのは、療法士のような訓練ではなく、短く、続けやすく、失敗を増やさない工夫です。そして一定期間後に、同じ目標場面で再評価します。

介入系統 対象となる困りごと 生活で期待する変化
目標遊具そのものの課題練習 手順が分からない、始め方や終わり方が難しい 遊具の一工程を自分で行える
感覚・姿勢条件の段階調整 揺れ、高さ、速度、足が浮く不安、姿勢保持の難しさ 自分で開始・停止を選びながら参加しやすくなる
問題解決と運動学習 毎回指示を待つ、初めての遊具で止まりやすい 子ども自身が試し方を考えられる
家庭・園学校への般化設計 施設ではできるが公園や園庭で使えない 実際の参加時間、介助量、再挑戦のしやすさが変わる

公園遊びの参加に向けた臨床推論マップ

08
Generalization

家庭・園・学校へのつなげ方

訓練室でできることと、公園や園庭で実際に使えることは同じではありません。そのため、般化の指標を最初から決めておくことが大切です。たとえば、次のような変化を見ていきます。

  • ブランコに自分から近づく回数
  • 滑り台の階段を途中までではなく最後まで登れるか
  • 遊びを途中でやめた後に、もう一度試す気持ちが残るか
  • 園庭の自由遊びで、立ち尽くす時間が減るか
  • 公園のあとに極端な疲れや癇癪が減るか

家庭では生活を守る工夫を。専門施設では、評価にもとづいて複数の方法を組み合わせ、できる力を生活で使える力へつなぎます。対立ではなく、連続した支援として考えることが大切です。

09
FAQ

よくある質問

Q. 公園に行っても遊具で遊ばないのは、発達に問題があるからですか?
遊具で遊ばないことだけで、発達の問題や診断名を決めることはできません。高さや揺れへの不安、動きの順序の分かりにくさ、混雑や音の多さ、過去の失敗経験など、複数の理由が重なることがあります。大切なのは、遊具が苦手かどうかではなく、近づく・乗る・動く・降りる・繰り返すのどの場面で止まりやすいかを具体的に見ることです。
Q. ブランコや滑り台を怖がるのは感覚の問題ですか?
感覚の影響は一つの可能性ですが、それだけではありません。ブランコでは揺れの予測、自分で止められる感覚、体幹の安定が関わります。滑り台では高さの見え方、座るタイミング、着地の予測などが関わります。感覚だけに原因を絞らず、姿勢、動作の手順、見え方、周囲の環境も合わせて見ることが大切です。
Q. 慣れるまで何度もやらせたほうがよいですか?
無理に繰り返させることはおすすめできません。怖さが強いまま繰り返すと、公園自体を避けるようになることがあります。まずは、見る、触る、一段登る、短時間だけ乗るなど、成功しやすい小さな段階から始めることが安心です。高さ、速さ、混雑、介助量を一度に変えず、一つずつ調整します。
Q. 家庭や園では、どんな配慮が役立ちますか?
子どもが自分で始める・やめるを選べること、遊具の順番を予告すること、混雑しにくい時間を選ぶこと、好きな遊びから公園遊びにつなげることが役立ちます。また、できないところだけを見るのではなく、どの工程ならできるかを見つけることが大切です。保護者や先生が細かく指示し続けるより、分かりやすい目印や短い声かけで支えるほうがうまくいくことがあります。
Q. どんなときに相談したほうがよいですか?
公園だけでなく、階段、着替え、食事、体育、休み時間など複数の場面で困りごとが続くとき、転びやすさやけがが多いとき、極端な左右差や痛みがあるとき、以前できていたことが急にできなくなったときは、相談が安心です。園や学校での参加が目立って制限されている場合も、早めの相談が役立ちます。
Q. 専門施設では、家庭と何が違う支援ができますか?
専門施設では、困りごとを姿勢、感覚、動作の組み立て、注意や不安、環境条件に分けて評価し、どの要因がどの遊具のどの場面を難しくしているかを整理します。そのうえで、目標に合わせて課題練習、難易度調整、家庭や園へのつなぎ方を設計し、実際の生活で使える形へ般化していきます。医学的な診断や治療の判断は主治医が担い、私たちは生活機能の面から併走します。
10
STROKE LAB Pediatric Rehab

STROKE LABの小児リハ

For Families
公園・園庭・学校生活まで見据えて、評価と支援をつなぎます

STROKE LABでは、子どもの動きを単に「苦手」とまとめず、何が参加を止めているのかを整理し、家庭や学校で使える形へつなげる支援を行っています。公園遊びや園生活、体育場面での困りごとが続くときはご相談ください。

代表による専門的な視点を、保護者にもわかりやすく

発達や参加の困りごとは、診断名だけでも、気持ちの問題だけでも説明しきれません。STROKE LABでは、評価にもとづいて生活へつながる支援を組み立てます。

参考書籍

医学書院『脳の機能解剖とリハビリテーション』(2024年・408頁)

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References

参考文献

  1. 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害ナビポータル. 発達性協調運動症(DCD). https://hattatsu.go.jp/supporter/healthcare_health/about-dcd/
  2. 厚生労働省. 発達性協調運動症(DCD)のあるこどもの理解と支援のために. https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001122260.pdf
  3. Blank R, et al. European Academy for Childhood Disability (EACD): recommendations on the definition, diagnosis, assessment, intervention, and psychosocial aspects of developmental coordination disorder. Eur J Paediatr Neurol. 2019.
  4. Smits-Engelsman BCM, et al. Clinical practice recommendations for developmental coordination disorder. Pediatr Phys Ther. 2025. 公開前に巻号・頁確認。
  5. Novak I, Honan I. Effectiveness of paediatric occupational therapy for children with disabilities: A systematic review. Occup Ther Int. 2019;2019:7057084.
  6. 医学書院. 脳の機能解剖とリハビリテーション. 2024.
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