手を開きにくい赤ちゃん|握りこみ・筋緊張・感覚の見方 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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手を開きにくい赤ちゃん|握りこみ・筋緊張・感覚の見方

INFANT DEVELOPMENT

指だけを広げるのではなく、肩や肘の位置、触られ方への反応まで含めて考えます

「手がいつもグーで大丈夫かな」「親指が中に入っているのが気になる」――赤ちゃんの手の握りこみは、よくある心配のひとつです。手だけを見て判断するのではなく、月齢、左右差、姿勢、覚醒状態、肩や手首との連動、手を使う広がりを一緒に見ることが大切です。この記事では、正常範囲の握りこみと、相談の目安、家庭でできる関わりを整理します。

UPDATED2026
READ約9分
FOR赤ちゃんの保護者へ
BYSTROKE LAB
本記事は、医学書院『脳の機能解剖とリハビリテーション』(2024年・408頁)の著者が監修方針を担うSTROKE LABの基準で作成しています。赤ちゃんの手の握りこみは、生後早期には珍しくない一方で、月齢や姿勢によって見方が変わります。診断や医学的判断は医療機関の役割です。顔色・呼吸・哺乳の変化、けいれんのような動き、急に手を動かさなくなったなどの変化があるときは、様子を見ずに医療機関へ相談してください。

赤ちゃん

Quick Reference
不安なときに、まず知ってほしい5つのこと。
01
新生児から生後早い時期は、手を握っている時間が長くても珍しくありません
02
手がグーかパーかだけではなく、月齢、左右差、姿勢、覚醒状態を一緒に見ます
03
仰向けでは開くのに、うつ伏せでは閉じる場合は、姿勢や支え方の影響も考えます
04
大切なのは、手を見る、口へ運ぶ、玩具に触る、握る、離すなど手の使い方の広がりです
05
3〜4か月頃以降も強い握りこみが続く、片側だけ開きにくい、ほかの発達も気になるときは相談が安心です
01
Is A Fist Always A Problem?

手がグーなのは普通?

赤ちゃんの手がいつも握られているように見えると、不安になる方は少なくありません。ですが、新生児から生後早い時期には、手を握っている時間が長くても珍しくありません。手のひらに触れたときに握る把握反射もみられます。

大切なのは、手だけで判断しないことです。月齢が進むにつれて、落ち着いた時間に少しずつ手が開く、手を見る、口へ運ぶ、玩具へ触れるといった動きが広がっていきます。反対に、強い握りこみが続く、片側だけ開きにくい、ほかの発達も気になる場合は、健診や小児科へ相談する目安になります。

Key Message
「手が開くかどうか」だけではなく、「どんな条件なら開きやすいか」を見ることが大切です。

泣いているとき、眠いとき、うつ伏せで頑張っているときは、いつもより手が握りこみやすくなることがあります。落ち着いた状態で、仰向け・横向き・うつ伏せでどう違うかも見ていきましょう。

02
When Do Hands Open?

いつ頃から開いてくる?

月齢には個人差がありますが、2〜3か月頃になると、落ち着いたときに手が少し開く場面がみられやすくなります。3〜4か月頃には、手を見る、手を口へ持っていく、玩具に触るなど、手を使う広がりが少しずつ出てきます。

月齢の目安 みられやすい手の様子 一緒に見たいこと
0〜1か月 手を握っている時間が長い 左右の動き、顔色、哺乳、全身の動き
2〜3か月 落ち着いたときに少し手が開く 両手を真ん中へ寄せる、手を見る
3〜4か月 手を口へ運ぶ、玩具に触れる 親指の位置、左右差、肩や手首の姿勢
5〜6か月以降 握るだけでなく、離す、持ち替える準備が進む うつ伏せでの支持、両手の使い分け

月齢はあくまで目安です。早産のお子さんでは修正月齢で考えます。ひとつの月齢だけで判断せず、前後の変化を見ていきましょう。

赤ちゃんの手の発達のステップ

03
STROKE LAB’s View

STROKE LABの視点|手だけでなく、体のつながりで見る

手を開きにくいとき、指だけを見ていると原因を単純化しやすくなります。STROKE LABでは、覚醒状態、体幹、肩、前腕、手首、手のひらへの感覚入力まで含めて見ます。次の5点は、家庭でも比較しやすい観察ポイントです。

POINT 1
落ち着いたときに開くか
泣いているときだけでなく、起きていて落ち着いた時間に手がどうなっているかを見ます。
POINT 2
左右差があるか
片方だけいつも強く握る、片方だけ動きが少ない場合は、より丁寧に見ます。
POINT 3
姿勢で変わるか
仰向けでは開くのに、うつ伏せで閉じるなら、指よりも支え方や肩の使い方が関係することがあります。
POINT 4
親指の位置はどうか
親指が内側に入ることはありますが、いつも強く入ったままか、左右差があるかを見ます。
POINT 5
何に使えているか
手を見る、口へ運ぶ、玩具に触る、握る、離すなど、手を使う広がりを確認します。
Clinical Observation
「うつ伏せでだけ握る」は、指の問題とは限りません。

うつ伏せでは腕で体を支える必要があります。肩がすくむ、前腕が安定しにくい、手首が曲がると、結果として指が握りこみやすくなることがあります。

このようなときは、指を無理に開くのではなく、体の支え方や姿勢を変えたときに手がどう変わるかを見ることが大切です。

手の開きは体全体のつながりで決まる

04
What Research Shows

研究でわかっていること

Evidence
早く気づき、早く適切に評価することに意味があります。
  • 乳児期の運動の違いは、できるだけ早く見つけて評価することが大切とされています。ひとつの所見だけで決めつけるのではなく、複数の観察を組み合わせてみます。
  • 高リスク乳児では、早期からの発達支援や家族へのサポートが推奨されています。手の握りこみが続く場合も、必要に応じて早めに相談する価値があります。
  • 赤ちゃんの発達は手だけでは測れません。手を見る、口へ運ぶ、触る、支えるなど、活動の広がりを一緒に見ることが重要です。

出典:Novak I, et al. JAMA Pediatr. 2017;171(9):897-907. / Morgan C, et al. JAMA Pediatr. 2021;175(8):846-858.

限界:これらの研究は、主に発達上のリスクや早期評価の重要性を示すもので、手の握りこみ単独で診断できることを意味しません。月齢、病歴、全身の動き、個人差を踏まえて判断されます。

05
What You Can Do At Home

家庭でできること

家庭での関わりは、無理に手を開かせることではありません。赤ちゃんが落ち着いた時間に、手を使いやすい環境をつくることが中心です。

おすすめの関わり
  • 起きていて落ち着いている時間に観察する
  • 仰向けや横向きで両手を顔の前に寄せやすくする
  • 軽い玩具に自然に触れられるようにする
  • 手だけでなく肩、手首、姿勢も一緒にみる
  • 両手が映る短い動画を記録しておく
避けたい関わり
  • 指や親指を強く広げる
  • 泣いているのに繰り返し続ける
  • 片方の手を押さえて無理に使わせる
  • 手のひらを何度も強く刺激する
  • 1枚の写真だけで病気かどうか判断する
場面 見たいこと
仰向け 両手が真ん中へ寄るか、少しでも開く場面があるか
横向き 手を顔の前に持ってきやすいか、手を見るか
うつ伏せ 手だけでなく、肩のすくみ、手首の曲がり、前腕で支えられるか

手がよく握られている赤ちゃんへのおうちでの関わり方

06
When To Watch And When To Ask

相談の目安と健診メモ

「少し様子を見てもよさそうか」「相談した方が安心か」を分ける目安を表にしました。ひとつ当てはまるだけで病気と決まるわけではありませんが、相談のきっかけになります。

少し様子を見やすい状態 相談したい状態
新生児〜生後早い時期で、落ち着くと少し緩む 3〜4か月頃以降も、落ち着いていても強く握ったまま
左右とも同じような握りこみで、少しずつ手を見る・触る広がりがある 片方だけいつも開きにくい、片方だけ動きが少ない
仰向けや横向きで手を真ん中へ寄せられる 手を口へ運ぶ、玩具に触るなどの広がりが少ない
全身の様子が安定している 反り返り、足のつっぱり、首すわりなどほかの発達も気になる
Consultation Memo
健診や相談で伝えたい7項目
  1. 気になり始めた月齢
  2. 両手とも同じか、片方だけか
  3. 落ち着いたときに開く場面があるか
  4. 仰向け・横向き・うつ伏せで違いがあるか
  5. 手を見る、口へ運ぶ、玩具に触る様子があるか
  6. 首すわり、寝返り、反り返りなど、ほかに気になること
  7. 両手と顔が映る短い動画を1〜2本撮っておく
07
Pediatric Rehab At STROKE LAB

STROKE LABの小児リハ|評価でわかること

STROKE LABでは、手が開くかどうかだけで判断せず、月齢、姿勢、左右差、肩や前腕、手首との連動、手の使い方の広がりをみて整理します。医療・健診が先で、私たちは生活の中で見える困りごとを観察に翻訳し、必要に応じて相談しやすくする立場で併走します。

たとえば、仰向けでは開くのにうつ伏せで閉じる場合は、指だけでなく姿勢や支え方を一緒に確認します。片方だけ開きにくい場合は、左右の使い方や姿勢の差をより丁寧にみます。家庭では生活を守る工夫を、専門家は評価を通じて「何を見ればよいか」を明確にする役割を担います。

For Parents
「これって大丈夫かな」を、観察できる形に整理したい方へ

手の握りこみだけで病名は決まりません。一方で、月齢や姿勢、左右差を整理すると、次に何を見ればよいかがはっきりします。小児リハのご相談では、ご家庭での見え方を一緒に整理し、必要な受診や観察のポイントも含めてご案内します。

08
FAQ

よくある質問

Q1. 新生児の手がグーなのは普通ですか?
新生児から生後早い時期は、手を握っている時間が長くても珍しくありません。手のひらへの刺激で握る把握反射もみられます。ただし、月齢が進んでもいつも強く握ったまま、左右差が強い、ほかの発達も気になる場合は、健診や小児科で相談すると安心です。
Q2. 赤ちゃんの手は、いつ頃から開いてきますか?
個人差はありますが、2〜3か月頃になると落ち着いたときに手が少し開く場面が増え、3〜4か月頃には手を見る、手を口へ持っていく、玩具に触れるなどの動きがみられやすくなります。月齢は目安なので、手だけでなく姿勢や左右差、手の使い方の広がりも一緒に見ます。
Q3. 親指を手のひらに入れて握るのは大丈夫ですか?
生後早い時期には親指が内側に入ることがあります。ただし、月齢が進んでもいつも親指が強く中に入ったまま、開きにくい、左右差がある、手を使う広がりが少ない場合は相談の目安になります。親指の形そのものや関節の硬さが気になるときも、自己判断せず相談してください。
Q4. うつ伏せのときだけ手を握るのはなぜですか?
うつ伏せでは腕で体を支える必要があるため、肩がすくむ、前腕が安定しにくい、手首が曲がるなどの影響で手が握りこみやすくなることがあります。仰向けでは開くのにうつ伏せで閉じる場合は、指だけではなく姿勢や支え方の影響も一緒に見ていくことが大切です。
Q5. 手を開くために、指を広げたりマッサージしたりした方がよいですか?
無理に指や親指を広げる必要はありません。まずは赤ちゃんが起きていて落ち着いている時間に、仰向けや横向きで両手を顔の前に寄せやすくしたり、軽い玩具に自然に触れられるようにしたりすることが基本です。痛がるほど広げたり、泣いているのに続けたりする関わりは避けましょう。
Q6. どのようなときに健診や小児科へ相談したらよいですか?
3〜4か月頃になっても落ち着いた状態で両手を強く握ったまま、片方だけいつも開きにくい、玩具に触れない、手を口へ持っていく動きが少ない、首すわりや寝返りなどほかの発達も気になる場合は相談の目安です。急に手を動かさなくなった、顔色や呼吸、哺乳、けいれんのような動きが気になるときは、医療機関へ早めに相談してください。
Final Message
手の握りこみは、「今どんな条件でそう見えているか」を整理することが大切です。

家庭では、落ち着いて観察できる時間をつくることを。専門家は、その見え方を月齢、姿勢、左右差、手の使い方へ分けて整理する役割を担います。気になるときは、ひとりで抱え込まず、健診や小児科、必要に応じて小児リハへ相談してください。

Representative
STROKE LAB代表・金子唯史

脳血管障害や発達支援に関わる臨床経験をもとに、子どもの動きを機能解剖と生活場面の両方から整理しています。保護者の不安を、観察できる情報へ翻訳することを大切にしています。

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Book

書籍『脳の機能解剖とリハビリテーション』

STROKE LABの臨床視点の基盤となる一冊です。体のつながりを理解しながら、生活の中で見える動きを読み解く視点を大切にしています。

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References
  1. Centers for Disease Control and Prevention. Developmental Milestones.
  2. HealthyChildren.org. Developmental Milestones and Infant Development resources.
  3. Novak I, Morgan C, Adde L, et al. Early, Accurate Diagnosis and Early Intervention in Cerebral Palsy. JAMA Pediatr. 2017;171(9):897-907.
  4. Morgan C, Fetters L, Adde L, et al. Early Intervention for Children Aged 0 to 2 Years With or at High Risk of Cerebral Palsy. JAMA Pediatr. 2021;175(8):846-858.
  5. 国立成育医療研究センター 乳幼児健診関連資料.
  6. 金子唯史. 脳の機能解剖とリハビリテーション. 医学書院, 2024.
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