急性弛緩性脊髄炎(AFM)|突然の手足の麻痺とリハビリ – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
  1. HOME
  2. ブログ
  3. 小児リハビリ
  4. 急性弛緩性脊髄炎(AFM)|突然の手足の麻痺とリハビリ
小児リハビリ

急性弛緩性脊髄炎(AFM)|突然の手足の麻痺とリハビリ

ACUTE FLACCID MYELITIS

急性弛緩性脊髄炎(AFM)|突然の手足の麻痺とリハビリ

風邪のような症状のあと、腕や脚に急に力が入らなくなる。AFMはまれですが、早い医療評価が必要な病気です。その後のリハビリでは、筋力を一括りにせず、筋ごとの回復差を生活へつなぐ視点が重要になります。

UPDATED2026
READ約8分
FORお子さんの保護者へ
BYSTROKE LAB
本記事は、医学書院『脳の機能解剖とリハビリテーション』(2024年・408頁)の著者が執筆しています。急な脱力、飲み込みにくさ、息苦しさがある場合は、リハビリ施設への相談より先に医療機関を受診してください。

上肢挙上 家族

Quick Reference
最初に知っておきたい4点
急な腕・脚の脱力は、すぐ医療機関へ
AFMはポリオと同じ病名ではありません
回復は子どもごと、筋ごとに異なります
リハビリは筋力だけでなく生活機能を追います
01
Medical First

突然の脱力は、すぐ医療機関へ。

AFMでは、腕や脚の力が数時間から数日のうちに急に低下します。力が抜けたように見え、筋肉の張りや反射も弱くなります。

特に急ぐ変化

首を支えにくい、顔やまぶたが下がる、飲み込みにくい、声が弱い、息苦しい。こうした症状は呼吸や嚥下に関わるため、様子を見ずに受診してください。

AFM以外にも、ギラン・バレー症候群、横断性脊髄炎、脊髄の圧迫、子どもの脳卒中などで似た症状が起こります。診断、薬物治療、呼吸管理は医療機関の領域です。

02
What Is AFM?

AFMは、運動の出口に近い部分を傷つける。

AFMは、脊髄の灰白質、特に筋肉へ運動指令を送る前角細胞周辺が障害される病気です。脳で考えた運動を筋肉へ届ける出口が弱くなるため、弛緩性の麻痺が現れます。

発症前に発熱や呼吸器・消化器症状がみられる例が多く、非ポリオエンテロウイルスなどとの関連が考えられています。ポリオに似た麻痺を示しますが、AFMとポリオは同じ病名ではありません。

AFMとは

03
Uneven Recovery

回復は、子どもごと、筋ごとに異なる。

同じ腕でも、指は動くのに肩が上がらない。脚でも、足首は動くのに立ち上がりで膝が支えられない。このような回復のばらつきがAFMの特徴です。

小児の報告では、上肢の遠位筋よりも、肩や上腕など近位筋の弱さが残りやすい傾向が示されています。ただし経過の幅は大きく、早い段階だけで将来を決めることはできません。

Clinical Point
「腕が動くか」ではなく、どの筋が、どの姿勢で働くかを見る。

重力に逆らうと動かなくても、横向きや腕を支えた条件では筋収縮が現れることがあります。残された運動を見つけることが、次の練習設計につながります。

04
Evidence & Daily Life

研究は回復を示す。ただし、方法の優劣はまだ決められない。

小児のリハビリ研究では、筋力や移動、セルフケアが改善した例が報告されています。一方、研究の多くは少人数の観察研究で、特定の訓練法が他より優れていると断定できる段階ではありません。

家庭では、無理に回数を増やすより、痛みや疲労を記録し、関節が硬くならない姿勢と、できる生活動作を守ることが基本です。学校では、移動距離、机の高さ、荷物、休憩、介助方法を共有します。

Evidence Note

リハビリで機能が変化する可能性はありますが、回復には個人差があります。薬物治療や手術の代わりではなく、主治医による医学的管理と並行して行います。

05
Specialized Rehabilitation

専門施設で、さらに期待できること。

家庭では生活を守る工夫を。専門施設では、筋ごとの回復を測り、負荷を選び、生活で使える形へ組み直します。
1.残っている運動を、筋別・姿勢別に地図化する

肩、肘、手首、指を一括りにせず、重力下、免荷、支持ありの条件で確認します。筋収縮、関節可動域、痛み、感覚、呼吸、疲労を重ね、動かしやすい入口を探します。

2.正確さが崩れる手前で、練習量を調整する

何回できたかだけでなく、何回目から肩をすくめる、体幹を傾ける、膝が崩れるかを見ます。休憩後の戻り方や翌日の疲労も含め、反復量と支持量を調整します。

3.回復した力を、生活で使える形へ変える

腕を支える道具、子どもの装具、車いす、机の高さ、動作手順を組み合わせます。評価の終点は筋力ではなく、食事、着替え、移乗、歩行、書字、体育で参加できるかです。

生活上の困りごと 専門的に確認すること 生活での再評価
指は動くが腕が上がらない 肩・肘の筋出力、支持条件、代償 食事、整容、本を押さえる
立てるが膝が崩れる 股・膝・足部の支持と装具条件 移乗、教室移動、段差
午後に動きが崩れる 反復後の質、呼吸、休憩後の回復 授業配置、休憩、帰宅後の疲労

AFMの生活参加に向けた臨床推論マップ

神経移行術などが検討される場合も、術前・術後の評価と訓練は専門医療機関との連携が前提です。特定の手技を万能に見せず、その子の残存機能と生活目標から方法を選びます。

For Parents
筋力の数字だけでなく、生活で何が変わったかを見ます。

医療機関での管理を大切にしながら、手足の使い方、疲労、装具、家庭・学校での動作を整理します。

小児リハビリについて見る

06
FAQ

よくある質問

急性弛緩性脊髄炎(AFM)とは何ですか?
急性弛緩性脊髄炎(AFM)は、脊髄の灰白質、特に運動に関わる領域が障害され、腕や脚の力が急に入りにくくなるまれな神経疾患です。多くは子どもにみられ、筋緊張や反射の低下を伴います。診断には神経学的診察やMRIなどが必要です。
AFMはポリオと同じ病気ですか?
同じ病気ではありません。麻痺の現れ方はポリオに似ることがありますが、AFMは非ポリオエンテロウイルスなど複数のウイルスとの関連が考えられる症候群です。病名や原因を自己判断せず、医療機関で鑑別を受けることが重要です。
どのような症状があれば、すぐ受診すべきですか?
腕や脚の急な脱力、首が支えにくい、顔やまぶたが下がる、飲み込みにくい、声が弱い、息苦しいなどの変化があれば、すぐ医療機関を受診してください。AFMは短時間で進行し、呼吸の補助が必要になる場合があります。
筋力はどのくらい回復しますか?
回復には大きな個人差があり、筋によっても異なります。手指や足先が先に動きやすくなる一方、肩や上腕など身体に近い筋の弱さが残る例も報告されています。数か月以降も機能が変化することがあるため、長期的な評価が大切です。
AFMのリハビリでは何をしますか?
関節の動きを守りながら、残っている筋収縮を姿勢や支持条件ごとに確認し、正確に行える運動と生活課題を組み合わせます。反復量は、代償や疲労が増える手前で調整し、食事、着替え、移動、学校生活で使えるかを再評価します。
筋力低下が強く残る場合、ほかの選択肢はありますか?
装具、車いす、上肢支持具などの補助機器で生活を支える方法があります。重い運動麻痺が持続する場合には、専門医療機関で神経移行術などが検討されることもあります。手術や医学的治療の適応は、主治医と専門医が判断します。
07
STROKE LAB

医療と生活の間を、動作分析でつなぐ。

STROKE LABは、脳・脊髄などの神経疾患を対象とする自費リハビリ施設です。AFMの急性期診断や薬物治療は行いません。主治医の方針を尊重し、残された運動、代償、疲労、生活環境を評価して、家庭・学校・専門家で連携できる使い方を組み立てます。

Message & Clinical Backbone
突然失われた動きを、
生活へ戻す道筋に。
STROKE LAB代表 金子唯史

AFMでは、昨日までできていた動きが突然難しくなり、ご本人とご家族に大きな不安が生まれます。

私たちは、残っている小さな運動を見つけ、生活で使える形へつなぐことを大切にしています。回復を急がせるのではなく、正確さ、疲労、環境を見ながら段階を組みます。

医療機関と連携しながら、家庭・学校で何を優先するかを一緒に整理していきます。

株式会社STROKE LAB
代表取締役 金子 唯史
書籍『脳の機能解剖とリハビリテーション』の表紙
Book
脳の機能解剖とリハビリテーション
医学書院/2024年/408頁|脳の領域別からリハビリテーション方法を提案する専門書

脳の領域別の働きから、臨床で行うリハビリテーション方法を提案する専門書です。運動麻痺を「動かない」で終わらせず、姿勢・感覚・運動の連鎖として見る視点は、お子さんの回復を支えるうえでも土台になります。

Amazonで書籍を見る

無料相談を予約する

References

本記事は公的情報と小児AFMの観察研究をもとに構成しています。診断・治療に代わるものではありません。最終確認日:2026年7月13日。

  • Centers for Disease Control and Prevention. Clinical Overview of AFM. 2024.
  • Centers for Disease Control and Prevention. Clinical Guidance for the Acute Medical Treatment of AFM. 2024.
  • Gordon-Lipkin E, et al. Comparative quantitative clinical, neuroimaging, and functional profiles in children with acute flaccid myelitis at acute and convalescent stages of disease. Dev Med Child Neurol. 2019;61(3):366-375.
  • Melicosta ME, et al. Acute flaccid myelitis: Rehabilitation challenges and outcomes in a pediatric cohort. J Pediatr Rehabil Med. 2019;12(3):245-253.
  • Marchese DL, et al. Rehabilitation Outcomes in Children With Acute Flaccid Myelitis From 2014 to 2019: A Multicenter Retrospective Review. Pediatr Neurol. 2023;147:41-47.
  • 金子唯史:脳の機能解剖とリハビリテーション.医学書院,2024,408頁。
CATEGORY

 

FOLLOW US

STROKE LABの記事は各種ソーシャルメディアでも配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしてください。

FOLLOW US

STROKE LABの記事は各種ソーシャルメディアでも配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしてください。

CATEGORY

関連記事

誠心誠意の機能向上に向けたリハビリ支援
脳卒中・パーキンソン病に特化した個別リハビリ支援。
病院で培った機能をつなぎ、可能性を広げる施設です。
〒113-0033 東京都文京区本郷2-8-1 寿山堂ビル3階・5階
03-6887-5263
〒158-0082 東京都世田谷区等々力7-2-31 The Room 等々力West 201号 2026.3 OPEN
03-6887-5263
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満6-3-16 梅田ステートビル202号
06-7220-4733
ACCESS
会社案内
事業案内
その他