Vol.512.脳卒中患者の速いスクワット動作と姿勢制御について
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カテゴリー
タイトル
●脳卒中患者の速いスクワット動作と姿勢制御について
●原著はControl of fast squatting movements after strokeこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中患者における動作の課題難易度設定を学習しようと思い論文を探した。今回速度に関する文献を見つけ学習に至る。
内 容
背景
●脳卒中後の後遺症である運動障害が速い動きの運動制御、特に姿勢と四肢の動きを組み合わせた姿勢・運動制御にどのような影響を与えるかについてはほとんど知られていない。本研究の目的は、速いスクワット動作の運動制御に対する脳卒中の影響を調べることであった。
方法
●脳卒中片麻痺患者17名と年齢を同一にした17名の健常人は、速いスクワット動作を行いました。床反力計によるデータ、膝の加速度、および大腿直筋、大腿二頭筋、前脛骨筋、ヒラメ筋からの筋電図活動を収集しました。
結果
●脳卒中患者における速度の速いスクワット動作は、速度・加速度の低下、非対称性が観察された。
●膝の動きのタイミングとCOPの移動の釣り合いを取ることが難しかった。
●障害の回復が高い患者はより対称的かつ適応的に麻痺側が活性化した。
私見・明日への臨床アイデア
●脳卒中患者では、速い動きまたは極度に遅い動きになると四肢間の協調性の低下、質量・重心コントロールが難しくなる傾向がある。また、速さ依存で痙縮の影響も受けやすい。速さの変化は一つの課題難易度設定の指標と言える。