vol.258:片麻痺患者のペダリングの効果 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
目次
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カテゴリー
神経系
タイトル
片麻痺患者のペダリングの効果
After-effects of pedaling exercise on spinal excitability and spinal reciprocal inhibition in patients with chronic stroke.?PubMed Tanuma A et al.(2017)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・職場でエルゴを用いる際の神経系への影響を学習したいと思ったため。
内 容
目的
・脳卒中後の痙縮の強い(脊髄の興奮性の高い)片麻痺患者においてペダリングの効果を評価すること。
方法
・重度の片麻痺患者を有する20人の脳卒中患者がこの研究に参加した。
・快適な速度でエルゴメータを用いて7分間のアクティブペダリングと7分間のパッシブペダリングを行うよう指示された。
・H反射および麻痺側のヒラメ筋のM波は、能動的および受動的ペダリングの前、直後、および後30分に休息時に記録された。
・Hmax / Mmax比(最大振幅比)および H recruitment curveを測定した。
・相反抑制は、ヒラメ筋のH reflex conditioning testを用いて評価した。
結果
・Hmax / Mmax比(最大振幅比)は、能動的および受動的ペダリング訓練後に有意に減少した。
・能動的ペダリング後のHmax / Mmax比の低下は、少なくとも30分間持続した。
・H recruitment curve および相反抑制は、アクティブまたはパッシブペダリング後にはあまり変化しなかった。
結論
・ペダリング運動は重度の片麻痺患者の脊髄興奮性を低下させた。ペダリングは、脳卒中後のリハビリに有効であるかもしれない。
私見・明日への臨床アイデア
・エルゴは脊髄の興奮性の正常化、異常共収縮の再学習、筋活動のタイミングの再学習など多々効果が期待される。その効果が得られたとして、歩行や各動作とエルゴは筋活動が違い、movementへ繋げるにはまた違った手続きが必要と考える。
・機器を用いる上で、機器の効果と限界を知って手段の一つとして関わっていきたい。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018)