vol.402:脳卒中者の上肢機能の早期からの予後予測の観察ポイント 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
Presence of Finger Extension and Shoulder Abduction Within 72 Hours After Stroke Predicts Functional Recovery Early Prediction of Functional Outcome After Stroke: The EPOS Cohort Study
☞リンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20167916
Pubmed.Nijland et al 2010
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・脳卒中片麻痺者の上肢機能治療に関わる事が多く、様々な観察の視点を増やしたいと思ったため。
内 容
背景・目的
・いくつかの前向きコホート研究の知見は、麻痺上肢を有する脳卒中患者の33%〜66%が脳卒中の6ヶ月後に上肢機能の回復を示さないことを示唆している。5%から20%が6ヶ月で上肢機能の完全な機能回復を達成する。
・研究目的は、脳卒中後6ヵ月後の上肢機能に関する転帰が、脳卒中後72時間以内に測定された臨床パラメータを用いて予測できるかどうかを調査すること。
方法
・評価は発症後5日目および9日目の測定によって調べた。
・脳卒中後5および9日目に、188人の脳卒中患者においてARATと指の伸展運動・肩の外転運動の観察を測定した。
結果
・5・9日目にいくらかでも自発的な指の伸展と肩の外転を示す上肢障害の患者は、6ヶ月後にある程度の器用さを取り戻すための98%の確率を持っていますが、自発的な動きを示さない患者は25%の確率となっている。
・72時間以内にある程度の指の伸展を示す患者の60%がARATに関して、6ヶ月で完全に回復した。
私見・明日への臨床アイデア
・急性期より、患者を丁寧に観察し、丁寧に予後予測をしながら介入していきたい。手指の伸展、肩の外転などは経時的に観察するポイントであることが本論文より示唆され、積極的治療・学習性の不使用を予防できるように関わっていく事が推奨されると思われる。
氏名 shuichi kakusho
職種 理学療法士
上肢のハンドリングに役立つ動画
https://youtu.be/yTBHRQYoa_I
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)