vol.341:自転車動作中の単関節筋の役割 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
ヒトの多関節下肢伸展時における単関節筋の制御
The control of mono-articular muscles in multijoint leg extensions in man.
?PubMed van Ingen Schenau GJ J Physiol. 1995 Apr 1;484 ( Pt 1):247-54.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・単関節筋、二関節筋の役割を知りたいため
内 容
背景・目的
・動物、ヒトの上下肢の研究から、二関節筋は複雑かつ課題依存的な活動を示し、単関節筋は基本的な屈伸作用を呈すると言われている。
・単関節筋の運動神経を皮膚上から刺激すると、反応は興奮と抑制のどちらかとなる。しかし、二関節筋では課題依存性があり、興奮から抑制に逆転したり、その逆を呈したりと複雑な反応を示す。
・バイオメカニクス的解析による仮説によると、二関節筋は関係する二関節の力の分配を担い、単関節筋は力を生み出す筋と言われている。
・本論文は単関節筋の活動をサイクリング動作にて研究する。
方法
・6名の健常成人
・自転車エルゴメータを使用
・大腿直筋、大殿筋、外側広筋、内側広筋、大腿二頭筋長頭、半腱様筋、腓腹筋内側頭、ヒラメ筋に筋電図の電極を貼付した。ランドマークにマーカーを付け、動画解析をした。
結果
図:エルゴメータ中の関節トルク van Ingen Schenau (1995)より引用
図:ペダルにかかる力 van Ingen Schenau (1995)より引用
図:各筋の筋電位と収縮速度 van Ingen Schenau (1995)より引用
・股関節、足関節のトルクは0°~180°まで伸展トルクがみられ、以降0付近を通った。膝関節は0°~90°まで伸展トルク、90°~180°近くまで屈曲トルクを示した。
・膝伸展トルクと膝伸筋(内側・外側広筋)の収縮速度のグラフは概ね一致しており、著者らは収縮した際にトルクが発生することから、単関節筋が力を生み出し、関節を動かすのではないかと結論づけている。
私見・明日への臨床アイデア
・内側・外側広筋の収縮速度と膝伸展トルクが一致しているとのことだったが、大腿直筋もほぼ同じグラフを呈していた。これで単関節筋が力を生むという結論に至ってよいのだろうか。もう少し調べていきたい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)