vol.238:湿度と呼吸機能の関係 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
湿度の違いによる呼吸機能の変化
Analysis of changes in pulmonary functions at rest following humidity changes?PubMed Jae Hyun Kim J Phys Ther Sci. 2015 Apr; 27(4): 1063–1065.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・湿度の違いで呼吸機能を比較しており興味深かった。これから冬になり乾燥の季節となるため、それがどう呼吸に影響するのか知りたいと思い、読もうと思った。
内 容
背景・目的
・呼吸に問題がある患者に対し、スパイロメーターなどを使用し呼吸機能の計測を行う。
・計測時には姿勢など気を付けなければならない項目がいくつかあり、湿度も計測に影響を与える因子である。
・しかし、湿度と呼吸を検討した論文はまだ十分に行われていない。そのため、本研究では上記二つの関係性を検証していく。
方法
・30名の健常成人
・努力肺活量(FVC)、1秒量(FEV1)、予備呼気量(ERV)、一回換気量(TV)にて呼吸機能のアウトカムとする。
・室温は25度、湿度は低湿度(湿度25%)、中等度湿度(湿度50%)、高湿度(湿度90%)の3条件で比較した。
結果
表:実験結果 Jae Hyun Kim (2015)より引用
・高湿度、中等度湿度はそれぞれ乾燥に比べて努力肺活量(FVC)、1秒量(FEV1)が有意に高い値を示した。
私見・明日への臨床アイデア
・乾燥により吸気量、呼気量が低下することがわかった。冬の乾燥する季節は呼吸機能の低下がみられる可能性があり、呼吸に問題がある利用者様、フレイルを呈する利用者様には注意して介入していきたい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)