vol.180:頭部前方姿勢と舌骨上下筋群の活動の関係性 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
目次
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
head forward positionと舌骨上下筋の活動の関係性Influence of Forward Head Posture on Electromyography Activity of Hyoid Muscles During Mouth Opening?science centralへ Jae-ik Song et al.(2015)
本論文を読むに至った思考・経緯
•STと議論が出来、間接的に嚥下機能に貢献したいと思ったため。
論文内容
背景
•口の閉鎖機能は、内側翼突筋、咬筋および側頭筋によって行われます。対照的に、口の開口機能は、外側翼突筋および舌骨上筋(SH)筋を介して行われます。
•SH舌骨上筋およびIH舌骨下筋は、舌骨に付着しており舌骨位置に影響を及ぼす。口を開くために、IHは舌骨を押し下げ、SH筋は外側翼突筋の下頭と結合して働く。
•顎関節障害と頭部前方位姿勢(FHP)との関係は議論の余地があるが、頭位の変化が下顎の位置および咀嚼筋の活動に影響を与えることは一般に認められている。
•最も一般的な姿勢の問題の1つである前方頭部姿勢(FHP)は、頚椎の負荷増加と頚部筋の長さおよび強度の変化と関連しています。
•FHPでは、下顎骨の静止位置は、SHおよびIHにおける受動的緊張の増加のために後方に引っ張られる。
研究目的
•研究目的は、口を開いた時の舌筋の筋活動に及ぼすFHPの影響を調べることである。
研究方法
•健常者20名(男性10名、女性10名)が本研究に参加した。
•頭部の姿勢は、頚部の計測器具を用い図のように評価した。
•それぞれの頭部姿勢を保持した状態で口を開き、両側の舌骨上筋および舌骨下筋の筋電図(EMG)活動を測定した。
研究結果
•結果は、SHおよびIH筋肉の正常化されたEMG活性が、NHP(Neutral hed position)と比較してFHPにおいて有意に低かったことを示した。
•この知見は、FHPが舌骨筋のEMG活動に影響を与えることを示しています。
私見・明日への臨床アイデア
•PTとして、姿勢の改善に努める事で、口腔・嚥下機能の改善に間接的に関われることが示唆されている。日頃、良姿勢を促通する事は多くのセラピストが行うと思うが、それが口腔・嚥下面にどう関わっているか理解しておくことで、他職種との会話が生まれると思われる。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018)