【2026年版】視床髄板内核の役割とは?-覚醒リズム、注意障害、視床性疼痛への影響を徹底解説! – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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【2026年版】視床髄板内核の役割とは?-覚醒リズム、注意障害、視床性疼痛への影響を徹底解説!

Neuroscience for Rehabilitation — Intralaminar Thalamic Nuclei

視床髄板内核の機能を、覚醒から疼痛管理まで読み解く。

「意識がぼんやりしている」「痛みの訴えが曖昧」——そんな患者を前に、どこから手をつければいいか迷ったことはありませんか。視床の深部に位置する髄板内核は、覚醒・注意・痛み統合の司令塔です。この記事では解剖から臨床介入まで、新人セラピストが現場で即使える知識を体系的に解説します。

UPDATED2025
READ約15分
FORPT / OT / ST
BYSTROKE LAB

— STROKE LAB 臨床脳科学シリーズ:視床髄板内核の解剖・機能・リハビリ応用を解説します。

Post-Stroke Pain
8%
脳卒中後に視床性疼痛を発症する患者の割合。視床病変例ではさらに高頻度
ARAS Connection
2主要核
正中中心核(CM)と束傍核(Pf)が覚醒制御の中枢。ARASの要として機能
FOG Study
75
すくみ歩行PD患者50名+健常25名のfMRI研究で髄板内核の機能的接続障害を確認

Quick Reference
忙しい臨床家のための
要点5項目。
01
髄板内核(CM・Pf)はARASの一部として覚醒・意識・注意の制御を担う。損傷で意識障害〜昏睡まで多彩な症状が出る。
02
血液供給は後交通動脈・後大脳動脈(PCA)の枝(極動脈・傍正中視床動脈・視床穿通動脈)。PCA領域梗塞との関連を押さえる。
03
視床性疼痛(TPS)は対側半身の持続性疼痛+触覚過敏・熱過敏が特徴。CRPS・末梢神経障害との鑑別が臨床で重要。
04
覚醒介入の柱は自然光・音楽刺激・社会的交流・スケジュール管理の4本立て。まず環境調整から着手する。
05
痛み評価はVAS+バイタルサイン+非言語的サインの3点セット。自己申告のみへの依存は新人最大の落とし穴。

01
Clinical Encounter

臨床現場でこう出会う。

Case Vignette
「日中ぼんやりして、右手が痛い」という訴えから始まる。

60代男性・石川さん。脳卒中後リハビリを始めたばかり。「昼間でもすごく眠くなる。ぼーっとすることが増えた。右手がじんじん痛い」と訴えます。

このとき担当セラピストが最初に考えるべきは、視床の髄板内核に何が起きているかです。覚醒・注意・痛みという一見バラバラな症状は、髄板内核の機能から一元的に説明できます。

視床は「感覚情報の中継所」と学んだ方が多いでしょう。しかし髄板内核は、その中でも特殊な役割を担っています。単なる感覚の中継ではなく、脳全体の覚醒レベルを調整し、意識を維持し、注意資源を配分する——まさに「脳のコンダクター」です。

この記事は、STROKE LAB代表・金子唯史が執筆した「脳の機能解剖とリハビリテーション」(医学書院、2024年)をベースに、臨床現場で即使える形に再構成しています。

脳の機能解剖とリハビリテーション — 金子唯史 著

— 「脳の機能解剖とリハビリテーション」(医学書院)より内容を抽出・再構成しています

02
Anatomy & Epidemiology

視床髄板内核の解剖と疫学。

髄板内核(Intralaminar Thalamic Nuclei:IL核)は、視床の深部に位置し、内側髄板(視床を内側と外側に分ける白質層)の中に分散した核群です。単一の核ではなく、複数の核が集合したグループです。

視床髄板内核の解剖学的位置 — 正中中心核(CM)と束傍核(Pf)の位置関係

— 髄板内核の解剖学的位置。視床を内側と外側に分ける内側髄板の中に分散して存在する

主な核:正中中心核(CM)と束傍核(Pf)

髄板内核の中で特に重要なのが、正中中心核(Centromedian nucleus:CM)と束傍核(Parafascicular nucleus:Pf)です。この2つをまとめて「CM-Pfコンプレックス」と呼びます。

Key Anatomy
CM-Pfコンプレックスの機能的役割

正中中心核(CM)は感覚運動情報の統合に関与し、主に基底核・大脳皮質との双方向ループを形成します。

束傍核(Pf)は痛み・注意の処理に深く関与し、前頭前野との密な連絡を通じて認知機能にも影響します。

血液供給:3本の動脈を把握する

髄板内核への血液供給は、後交通動脈および後大脳動脈(PCA:Posterior Cerebral Artery)の枝によって担われます。以下の3つの動脈を覚えておきましょう。

視床の血管供給 — 極動脈・傍正中視床動脈・視床穿通動脈

— 視床の血管供給。極動脈・傍正中視床動脈・視床穿通動脈がそれぞれ異なる領域を栄養する

Blood Supply
3本の主要動脈
— 臨床で必ず押さえるべき血管解剖
極動脈(Polar artery):後交通動脈またはPCAから分岐。視床前部・髄板内核の一部を供給
傍正中視床動脈(Paramedian thalamic artery):PCAから分岐。視床内側部・髄板内核全域を栄養
視床穿通動脈(Thalamoperforating artery):PCAから分かれ、視床前部・内側部に供給
Clinical Significance
血管解剖を知る意味
— なぜ今、脳卒中患者が意識障害を呈するのか
PCA梗塞では髄板内核が虚血に陥りやすい
傍正中視床動脈の両側閉塞で急性意識障害が生じる
画像(MRI DWI)での病変部位確認が症状理解の出発点

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— ご本人・ご家族の状況を丁寧にお伺いします

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「退院後も回復を続けたい」。
そのご家族の想いに、私たちが応えます。

STROKE LABは、脳卒中後の覚醒・注意・疼痛など複合的な問題に、脳神経科学の知見を活かした個別プログラムで対応します。まずは無料相談で状況をお聞かせください。

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03
Neural Mechanism

神経メカニズムと責任病巣。

Key Concept
「脳全体のボリュームつまみ」としての髄板内核

髄板内核を「テレビのボリュームつまみ」に例えると理解しやすいです。音声(神経活動)の内容は変えず、全体のレベル(覚醒度)を上下させます。

ここが損傷すると、ボリュームが下がり続けた状態になります。感覚情報は届いているのに、脳全体が処理できない——それが意識障害の正体です。

ARAS(上行性網様体賦活系)との連関

ARAS(Ascending Reticular Activating System:上行性網様体賦活系)は、脳幹の網様体から視床・大脳皮質へ覚醒信号を送るシステムです。髄板内核はこのARASの視床内中継点として機能します。

入力ルートは多岐にわたります。基底核・脊髄・網様体・大脳皮質・黒質から信号を受け取り、出力は前頭葉・他の皮質領域・基底核へ広がります。「広域ハブ」としての役割が理解できます。

視床髄板内核の損傷による病態像 — 意識障害と注意障害のメカニズム

— 髄板内核の損傷による病態。覚醒から認知機能まで広範に影響する

EVIDENCE
視床皮質接続性とパーキンソン病すくみ歩行(FOG)

出典:Yulan Liang et al. Frontiers in Neuroscience. 2021. (PubMed ID: 34721266)

対象:PD患者50名(FOGあり25名・なし25名)、健常対照25名。安静時fMRI解析。

主要結果:FOG群では左髄板内核(IL)と右下頭頂小葉(IPL)の間、および左内側膝状体と左中心後回の間の動的機能的接続(FC)障害が確認された。

臨床的含意:視床皮質接続性の変化がFOGの病態に関与している。覚醒系の機能を考慮したアプローチが重要。エビデンスレベル:横断的観察研究。

パーキンソン病すくみ歩行と視床髄板内核の動的機能的接続障害 — fMRI研究結果

— Liang et al. (2021) fMRI研究図。FOG群で左髄板内核と右下頭頂小葉間の動的FC障害を確認

04
Differential Diagnosis

鑑別診断と類似症候との違い。

視床性疼痛症候群(TPS:Thalamic Pain Syndrome)の確定には、類似した疼痛を呈する他疾患との鑑別が必須です。

疾患名 視床性疼痛症候群(TPS)との鑑別点 臨床で見るべきサイン
複合性局所疼痛症候群(CRPS) 局所的な交感神経症状(皮膚温・色調変化・腫脹)が特徴的。TPSは広域・対側性 患部の色調変化・皮膚温変化・腫脹を視診・触診で確認
末梢神経障害(特発性) 手袋靴下型(遠位対称性)の分布が典型。TPSは対側半身の広域分布 末梢領域の触覚低下・感覚鈍麻を確認。腱反射も評価
脊髄空洞症 脊椎レベルに沿った節状パターン。TPSは脳卒中後に発症 温冷感覚障害が節状パターンを示すか確認
ワレンベルグ症候群 嚥下困難・嗄声・めまいが主体。疼痛症状よりも神経巣症状が前景 嚥下困難・嗄声・バランス障害の有無を確認
多発性硬化症(MS) 視覚障害・筋力低下・再発寛解が特徴。脳卒中既往なしでも発症 視覚症状・運動障害エピソードの再発歴を問診
慢性疼痛症候群 12週以上の疼痛だが視床病変を前提としない。心理社会的要因の関与が大きい 長期化パターン・疼痛閾値低下・慢性的な薬剤要求を観察
視床性疼痛の確定は「脳卒中後」「対側半身」「触覚・熱覚過敏を伴う」の3条件をまず確認することから始まります。

05
Assessment & Imaging

評価と画像読解のポイント。

臨床で観察すべき4つのサイン

髄板内核の関与を疑う場合、以下の4つの領域を系統的に観察します。

01
意識レベルの変化最優先

覚醒度の低下・反応の鈍化・睡眠覚醒リズムの異常(突然の強い眠気・昼夜逆転)を観察します。JCS(Japan Coma Scale)やGCSによる定量評価と合わせて行います。

02
注意力の低下日常観察

繰り返しの質問・作業途中での目的喪失・タスクの取り違え・セラピストへの反応遅延を観察します。TMT(Trail Making Test)などで定量的に評価することも有効です。

03
痛覚の変化VAS必須

痛み刺激への反応鈍麻・触覚過敏・熱過敏・不明瞭な痛み訴えを評価します。VAS(Visual Analogue Scale:0〜10の数値で痛みを表す)に加え、バイタルサインと非言語的サイン(顔のしかめ・落ち着きのなさ)を組み合わせます。

04
運動の変化基底核関連

手足の震え・筋緊張異常・意図しない動作出現・運動制御不良を観察します。基底核との連絡が多い髄板内核の特性から、パーキンソニズム様の症状も鑑別に含めます。

MRI画像読解の3ステップ

IMAGING GUIDE
視床髄板内核をMRIで確認する手順

Step 1 — 視床位置の確認:大脳皮質と中脳の間、第3脳室に隣接する視床の位置を軸位断で確認します。

Step 2 — 内側髄板の同定:視床を内側と外側に分ける白質層(内側髄板)を探します。髄板内核はここに位置します。MRIでのランドマークとして覚えましょう。

Step 3 — 信号強度の確認:FLAIR・DWIで高信号域を探します。造影剤使用(Gd造影T1)も病変確認に有効です。コントラスト強調で核と周囲組織の差異が明確になります。

視床の位置をMRIで確認する — 第3脳室隣接部位の同定

— Step 1: 軸位断MRIで視床の位置を確認。第3脳室に隣接する点がランドマーク

内側髄板の認識 — 視床を内側と外側に分ける白質層のMRI像

— Step 2: 内側髄板(白質層)を同定。髄板内核はここに位置する

MRIコントラスト強調による髄板内核の識別

— Step 3: 特定シーケンスで核と周囲組織の信号強度差が出現。造影剤使用も有効

06
Intervention Program

介入プログラムの組み立て。

髄板内核関連の症状に対する介入は、「覚醒の安定化」「認知機能の維持・向上」「疼痛の自己管理」の3本柱で構成します。症状の重さに応じて段階的に進めます。

Ph1
日常覚醒プログラム環境調整から着手

自然光の確保(カーテン開放・起床後の光浴)・音楽刺激(好みの音楽を午前中に使用)・ビデオ通話による家族との交流。1回あたり15〜20分のセッションを1日3回が目安。電話・タブレット端末を活用しましょう。

Ph2
認知集中向上セッションスケジュール管理

「立てる→実行する→振り返る」の3ステップスケジュール練習を導入します。1日の予定を3〜5項目に絞り、実行後にチェック。簡単なパズルや計算課題を日常作業に組み込むことで注意力の維持を図ります。1回20〜30分。

Ph3
疼痛自己管理プログラム薬物療法と並行

VASを用いた痛みの定量記録(1日3回:起床・昼・就寝前)と服薬スケジュール管理を組み合わせます。深呼吸(5〜7秒吸気、7〜10秒呼気)を1回5分・1日3回実施。薬物療法はガバペンチン・プレガバリン・アミトリプチリンが一般的ですが、処方は医師と連携します。

Ph4
動き再構築エクササイズ個別化必須

個別化されたストレッチ(各部位30秒保持×3セット)・筋力強化・歩行補助具の適切な活用指導を行います。痛みを誘発しない範囲で段階的に強度を上げます。1回40〜60分・週3〜5回が目標です。

EVIDENCE
視床性疼痛の管理:最新エビデンス(2022年)

出典:Son et al. “The Management of Poststroke Thalamic Pain: Update in Clinical Practice.” 2022. (PubMed ID: 35741249)

薬物療法:抗うつ薬(アミトリプチリン)・抗けいれん薬(ガバペンチン・プレガバリン)が標準的。ラモトリギンは近年有効性が注目されている。

非薬物療法:経頭蓋磁気刺激(TMS)・経頭蓋直流電気刺激(tDCS)・硬膜外運動皮質刺激(EMCS)・脳深部刺激(DBS)のエビデンスが蓄積中。

重要ポイント:運動皮質・脳室周囲灰白質・視床/内包への刺激が視床単独刺激より効果的な場合がある。広域中枢刺激戦略の考慮が重要。エビデンスレベル:システマティックレビュー。

STROKE LAB代表 金子唯史

Message from CEO
「あなたの大切な人の回復に、
もう一歩寄り添いたい。」

脳卒中後の意識障害・注意障害・視床性疼痛は、適切なアプローチによって改善できます。STROKE LABでは脳神経科学に基づいた個別プログラムで、退院後も回復を続けられるよう伴走します。

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07
Interprofessional Collaboration

多職種連携と環境調整。

髄板内核関連の症状は多面的であり、一職種での対応には限界があります。PT・OT・ST・看護師・医師・MSWが役割を分担し、情報を共有することが回復の鍵です。

職種 主な役割 共有すべき情報
PT(理学療法士) 動き再構築・歩行補助具選定・運動耐容能の評価と向上 運動中の痛みの変化・覚醒の変動パターン
OT(作業療法士) ADL評価・スケジュール管理訓練・認知機能への作業的アプローチ 日常生活での注意力・遂行機能の実態
ST(言語聴覚士) 認知・コミュニケーション評価・嚥下障害の合併評価 意識レベルと言語表出の関係・痛みの言語化能力
看護師 24時間覚醒リズムの観察・服薬管理・夜間疼痛の把握 VASスコアの推移・夜間覚醒回数・睡眠の質
医師 画像診断・薬物療法の処方・疼痛治療方針の決定 リハビリ中の痛み変化・副作用の疑い・機能改善の程度
MSW(医療ソーシャルワーカー) 退院支援・社会資源の調整・家族支援 ADL自立度・家族のキーパーソンと支援体制
Clinical Insight

「看護師から『夜中に何度も起きている』と聞いて初めて、覚醒リズムの乱れが昼のリハビリ不振の原因だとわかりました。」

「痛みの訴え方が毎日変わる患者さんは、VASの数字だけで判断していました。表情・発汗・バイタルを合わせて見るようにしてからアセスメントの精度が上がりました。」

「医師への報告は『VAS 7→5』だけでなく、『薬を飲んだ後2時間で痛みが軽減し、その後動作練習が可能になりました』と経過で伝えるようにしました。」

08
Pitfalls & Clinical Judgment

Pitfallsと臨床判断のコツ。

髄板内核関連の症状は見えにくく、見逃しやすいものが多いです。新人が陥りやすい3つの落とし穴を確認しておきましょう。

痛みの多角的評価 — VAS・バイタルサイン・非言語的サインの組み合わせ

— 痛みの評価はVASだけに頼らない。バイタルサイン・表情・姿勢を含めた多角的アセスメントが必要

Pitfalls — Don’t make these mistakes
新人臨床家が陥りやすい3つの罠
!
痛みの評価を自己申告だけに頼る:視床性疼痛の患者は痛みを過少申告することも過大申告することもあります。VASスコアをバイタルサイン(血圧・心拍数の上昇)・表情(眉間のしわ・口を固く結ぶ)・姿勢変化(防御的な姿勢・落ち着きのなさ)と組み合わせて評価することが必須です。
!
覚醒の低下を「やる気がない」と解釈する:日中の強い眠気・ぼんやり感・反応の遅延を「モチベーションの問題」と片付けるのは危険です。ARASの機能低下による神経学的症状として捉え、まず環境調整(光・音・社会的刺激)から介入しましょう。精神科や内科への相談も視野に入れます。
!
視床性疼痛をCRPSや末梢痛と同じように扱う:触覚過敏や熱過敏を末梢神経障害と混同し、温熱療法を使って症状を悪化させる事例があります。視床性疼痛では中枢性感作が起きており、直接的な物理刺激よりも痛み管理教育・呼吸法・服薬管理を優先します。温熱・物理刺激の使用前に必ず痛みの機序を確認しましょう。

臨床判断の分岐点:今日のセッション、何から始めるか

Mentor’s Voice

「セッション開始前の1分間が大事。患者さんの目を見て『今日の覚醒レベル』を直感的に判断する習慣をつけましょう。覚醒が低い日は課題の難度を下げ、環境刺激を優先します。」

「痛みがひどい日に無理して動作練習をしても定着しません。その日のVASが7以上なら、まず呼吸法とポジショニングで痛みを落ち着かせてから始めましょう。」

覚醒レベルの確認→痛みのアセスメント→環境調整→課題導入。この4ステップの順番を崩さないことが臨床判断の基本です。

09
Prognosis & Goal Setting

予後とゴール設定。

髄板内核関連の症状の予後は、病変の大きさと位置・発症後の期間・介入の質によって大きく異なります。新人セラピストは「短期目標」と「長期目標」を分けて設定することが重要です。

Goal Setting Example
石川さんのゴール設定例

短期目標(2〜4週):日中の覚醒リズムを安定させ、会話時の反応時間を改善する。視床性疼痛による痛みをVASで表現し、服薬管理に向けた行動を取れるようにする。

長期目標(2〜3ヶ月):日常生活(食事・更衣・移動)を安全かつ自立して行える。痛みをVASで自己記録・管理できる自己マネジメント力を身につける。

EVIDENCE
視床性疼痛の特徴的症状と予後因子

出典:Dydyk AM, Munakomi S. “Thalamic Pain Syndrome.” 2023. (PubMed ID: 32119377)

主要症状:視床梗塞後に発症し、対側半身の持続性または断続性の疼痛・触覚過敏・熱過敏・異痛症(通常は痛みを感じない刺激で痛みが起こる)・痛覚過敏が特徴。

予後のポイント:完全な疼痛消失は難しいが、適切な薬物管理と自己管理スキルの獲得で日常生活の質を維持できる。多職種による継続的サポートが長期予後を左右する。エビデンスレベル:総説。

視床性疼痛は「ゼロ」にならないことが多い。だからこそ、痛みと共に生きる自己管理スキルを身につけることがゴールの核心になります。

10
Frequently Asked Questions

よくある質問。

Q.視床髄板内核とはどこにあり、何をしているのですか?
A.

視床髄板内核は視床の深部に位置し、内側髄板の中に分散した核群です。主な核として正中中心核(CM)と束傍核(Pf)があります。

上行性網様体賦活系(ARAS)の一部を形成し、覚醒・意識・注意の制御に深く関わります。基底核・脊髄・網様体・大脳皮質・黒質から入力を受け、前頭葉や基底核へ出力します。

Q.視床髄板内核が損傷するとどのような症状が出ますか?
A.

意識障害・注意障害が主症状です。軽度の認知障害から昏睡状態まで幅広く、覚醒度の低下・睡眠覚醒リズムの異常・繰り返しの質問・タスクの取り違えなどが見られます。

また視床性疼痛として対側半身の持続性または断続性の疼痛、触覚過敏・熱過敏なども起こりえます。運動面では筋緊張異常・運動制御不良も観察されます。

Q.視床性疼痛症候群(TPS)の特徴と鑑別のポイントは?
A.

TPSは視床梗塞後に発症し、対側半身の持続性または断続性の疼痛と触覚過敏・熱過敏が特徴です。冷刺激や軽い接触でも強い痛みを感じる異痛症・痛覚過敏も見られます。

CRPSは四肢の皮膚温変化・腫脹などの局所徴候、末梢神経障害は手袋靴下型の分布パターンが鑑別のポイントです。脳卒中既往・対側性・触覚過敏の3条件がTPSを疑う出発点です。

Q.髄板内核関連のリハビリ介入で最初にすべきことは何ですか?
A.

まず覚醒リズムの評価と環境調整が優先です。自然光の確保・照明調整・音楽刺激・ビデオ通話による社会的刺激を組み合わせた日常覚醒プログラムから始めます。

同時に注意力の評価(繰り返し質問の有無・タスク遂行能力)を行い、スケジュール管理練習を導入します。痛みがある場合はVASを用いた定量評価と服薬スケジュール管理を並行して進めます。

Q.MRI画像で視床髄板内核を確認する際のポイントは?
A.

まず大脳皮質と中脳の間、第3脳室に隣接する視床の位置を軸位断で確認します。次に視床を内側と外側に分ける白質層(内側髄板)を同定します。

特定のMRIシーケンス(FLAIR・DWI)では核と周囲組織の信号強度差が出るため識別が容易になります。造影剤を使用したコントラスト強調(Gd造影T1)も病変確認に有効です。

Q.パーキンソン病のすくみ歩行(FOG)と視床髄板内核はどう関係しますか?
A.

FOGを呈するPD患者では、左髄板内核(IL)と右下頭頂小葉(IPL)の間、および左内側膝状体と左中心後回の間の動的機能的接続(FC)障害が確認されています(PD患者50名・健常25名のfMRI研究)。

視床皮質接続性の変化がFOGの病態に関与している可能性があり、覚醒系の機能を考慮した歩行アプローチが重要です。

11
Our Program

STROKE LABのプログラム。

STROKE LABは脳卒中・脳神経疾患に特化した自費リハビリ施設です。視床性疼痛・意識・注意障害など複合的な問題に対し、脳神経科学の最新知見を活かした完全個別プログラムで対応します。退院後も回復を続けたいすべての患者様・ご家族をお待ちしています。

Our Strengths
STROKE LABの強み
— 他の施設と何が違うのか
脳神経科学に基づいた完全個別プログラム
脳卒中専門の経験豊富なセラピスト
徒手技術と課題指向型訓練を組み合わせた介入
家族への情報提供・自主訓練指導も充実
What We Can Do
取り組める内容
— 視床損傷関連でできること
覚醒・注意障害へのリハビリ的アプローチ
視床性疼痛の自己管理プログラム
ADL・歩行の再建と定着
認知・コミュニケーション機能への介入

— STROKE LABでのリハビリの実際の様子です。

Voice from Mentors

「視床性疼痛は見た目にわかりにくいぶん、『大げさじゃないか』と思われがちです。でも患者さんにとっては毎日の生活を変えてしまう深刻な痛みです。まずその現実をしっかり受け止めることが、治療的関係の出発点になります。」— 理学療法士・臨床歴12年・脳卒中リハビリ専門

「覚醒が低い患者さんに課題をゴリ押しするのは逆効果でした。その日の覚醒レベルに合わせてセッション内容を変える柔軟さを身につけてから、患者さんの表情が変わりました。計画通りにいかないことを恐れないでください。」— 作業療法士・臨床歴8年・認知リハビリ担当

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Message from CEO
大切な方の「ぼんやり」と「痛み」に、
諦めないでください。

STROKE LAB代表 金子唯史 ポートレート

脳卒中後の視床損傷は、意識・注意・痛みというきわめて「見えにくい」症状をもたらします。「やる気がない」「大げさ」と思われてしまうことも少なくありません。

しかし、それは神経学的な症状です。適切なアプローチによって必ず変わっていきます。退院後であっても、回復の可能性はあります。

STROKE LABでは、脳神経科学の知見に基づいた個別プログラムで、ご本人とご家族の両方に寄り添いながら回復を伴走します。まずは無料相談で、現在の状況をお聞かせください。

株式会社STROKE LAB
代表取締役 金子 唯史

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References

参考文献。

01Liang Y, et al. More Than Just Static: Dynamic Functional Connectivity Changes of the Thalamic Nuclei to Cortex in Parkinson’s Disease With Freezing of Gait. Front Neurosci. 2021. PMID: 34721266.
02Son J, et al. The Management of Poststroke Thalamic Pain: Update in Clinical Practice. Korean J Pain. 2022. PMID: 35741249.
03Dydyk AM, Munakomi S. Thalamic Pain Syndrome. StatPearls. 2023. PMID: 32119377.
04van der Werf YD, et al. The intralaminar and midline nuclei of the thalamus. Anatomical and functional evidence for participation in processes of arousal and awareness. Brain Res Rev. 2002;37(3):309-32.
05Schiff ND. Central thalamic contributions to arousal regulation and neurological disorders of consciousness. Ann N Y Acad Sci. 2008;1129:105-18.
06Dejerine J, Roussy G. Le syndrome thalamique. Rev Neurol. 1906;14:521-32.
07Boivie J. Central pain. In: McMahon S, Koltzenburg M (eds). Wall and Melzack’s Textbook of Pain. 5th ed. Edinburgh: Churchill Livingstone; 2005.
08Morecraft RJ, et al. Cytoarchitecture and cortical connections of the posterior cingulate and adjacent somatosensory fields in the rhesus monkey. J Comp Neurol. 2004;469(1):37-69.
09金子唯史. 脳卒中の動作分析. 医学書院. 2018. / 脳の機能解剖とリハビリテーション. 医学書院. 2024.

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