【2026年版】脳卒中後、利き手の障害は非利き手より少ない?上肢機能と利き手・非利き手の関係を論文解説
利き手が麻痺した脳卒中患者は、なぜ障害が軽くなるのか。
慢性期脳卒中93例のデータが示す「利き手優位性の保護効果」とは何か。筋緊張・握力・疼痛の評価結果を整理し、ADLへの影響がない理由と非利き手麻痺患者への介入戦略を先輩臨床家の視点から解説します。
要点5項目。
臨床現場でこう出会う。

65歳男性、右利き。脳梗塞発症から6か月(慢性期)。左大脳半球梗塞により右上肢に麻痺(Brunnstrom Stage III)。主訴は「字が書けない・食事が不自由」。MAS上肢スコア2、握力3kg(健側比約20%)、疼痛VAS 4/10。
初回評価所見:CAHIA(Chedoke Arm and Hand Activity Inventory)は13点/54点と低値。MAL(Motor Activity Log)使用量スコア 0.8/5。ADLはFIM運動項目56点で補助手としての右手活用も困難な状態。本論文の知見から、「利き手麻痺」であることが回復の動機づけに有利に働く可能性を踏まえ、介入計画を立てた。
毎日の臨床で、こんな疑問を持ったことはないですか。「同じ程度の脳卒中なのに、利き手が麻痺した患者さんのほうが回復が速い気がする」「非利き手が麻痺した患者さんは、なかなか麻痺手を使おうとしない」。この感覚は、実は論文データに裏付けられています。
今回は2006年にNeurorehabilitationに掲載されたChestnutらの研究を軸に、利き手・非利き手の違いが上肢機能に与える影響を整理します。新人の頃に知っておくと、初期評価と目標設定の精度が格段に上がる内容です。
定義と研究の背景。
本論文の目的は、慢性期脳卒中者の上肢障害に「利き手か非利き手か」が影響するかどうかを、障害モデル(筋緊張・握力・感覚・疼痛)と機能モデル(実生活での使用量・ADL全般)の両面から検討することでした。

対象:慢性期の地域在住脳卒中者93名。評価項目:MAS(Modified Ashworth Scale:痙縮を0〜4で評価)、ハンドヘルドダイナモメーター(握力)、モノフィラメント(感覚)、VAS(疼痛)、CAHIA(日常手活動評価)、MAL(Motor Activity Log:麻痺手使用量)、RNLI(Reintegration to Normal Living Index:社会復帰指数)。これらを用いて障害モデルと機能モデルを構築し、利き手群・非利き手群で比較した。
なぜこの研究に注目すべきか。
日常生活において、人は利き手と非利き手の使用頻度に大きな差があります。Provins(1997)は健常者の研究で、利き手をより頻繁に使う傾向があると報告しています。この「使用頻度の差」が脳卒中後にどう影響するかは、リハビリ計画を立てるうえで無視できない視点です。
健常者では利き手は非利き手より高頻度で使われ、ポインティング精度・移動速度・巧緻性が高い。この使用頻度の差が神経筋コンディショニングの差を生む。
利き手が麻痺した場合、非利き手では代替しにくいため、麻痺手を使おうとする意欲が生まれやすい。非利き手が麻痺した場合は利き手で補完でき、麻痺手を使うモチベーションが低下しやすい。
骨折後のリハビリでも同様の傾向が見られる(専門家合意)。利き手骨折では回復への動機が高く、使用量回復も早い傾向がある。脳卒中に限らない普遍的な臨床知見として活用できる。
— ご本人・ご家族の状況を丁寧にお伺いします
STROKE LABは脳卒中後の上肢機能回復に特化した自費リハビリ施設です。利き手・非利き手の状況、生活上の目標を丁寧に伺い、根拠ある個別プログラムをご提案します。まずは無料相談からどうぞ。
神経メカニズムと利き手優位性。
「なぜ利き手麻痺のほうが障害が軽いのか」という問いに対し、複数の神経科学的な説明が提案されています。

①筋の神経筋コンディショニング仮説:利き手は脳卒中前から強い筋・効率的な運動単位動員パターンが形成されており、これが損傷後の障害を軽減させる可能性がある。②運動皮質出力差仮説:Prioriら(1997)はTMSを用いて、非利き手の動きを生成するための運動閾値が利き手より高いことを示した。つまり利き手に対応する皮質はより低い閾値で効率的に出力できる。③使用意欲仮説:利き手が使えないことへの強い動機が早期から麻痺手使用を促進する。
疼痛と病変半球の関係。
本研究では、疼痛スコアは運動障害の重症度(FMAスコア)に影響を受けず、利き手の有無に影響を受けることが示されました。利き手が麻痺した群は、重症度に関わらず疼痛が少ない傾向がありました。
さらに、右半球病変者は左半球病変者より疼痛スコアが高い結果でした。右半球には感覚処理・空間認知に関わる機能が集中しており、右半球病変で生じる半側空間無視・感覚障害が疼痛体験を変化させると考えられます。
Prioriら(1997)[単独RCT相当・観察研究]:Acta Neurologica Scandinavica掲載。健常成人20名を対象にTMS(経頭蓋磁気刺激)を用い、利き手と非利き手の運動誘発電位を比較。非利き手の動きを生成するための運動閾値が利き手より有意に高いことを示した。これは利き手に対応する運動皮質がより効率的に出力できることを意味し、脳卒中後の保護効果の神経基盤として引用される。
Chestnutら(2006)[観察研究]:Neurorehabilitation 21(1):73-80。慢性期地域在住脳卒中者93名。MAS・ハンドヘルドダイナモメーター・モノフィラメント・疼痛VAS・CAHIA・MAL・RNLIを使用。利き手麻痺群はMASスコア・疼痛スコアが有意に低かった(p<0.05)。ただしADL(CAHIA・MAL・RNLI)に有意差なし。
Provins(1997)[観察研究]:Psychological Review掲載。健常成人における利き手使用頻度・精度の優位性を報告。ポインティングの精度・移動速度・精度が利き手で有意に優れていることを示し、利き手の日常的優先使用傾向の根拠として引用される。
鑑別が必要な類似症状。
上肢障害の重症度評価において、「利き手/非利き手の差」以外に影響する要因があります。臨床では以下の鑑別を念頭に置いて評価を進めましょう。
| 鑑別すべき要因 | 利き手/非利き手との共通点 | 鑑別ポイント | 参考検査・評価 |
|---|---|---|---|
| 病変側(右/左半球) | 上肢麻痺・疼痛に影響 | 右半球病変は疼痛スコアが高く、半側空間無視を合併しやすい。左半球病変は言語障害(失語症)を合併しやすい | MRI/CT・BIT(行動性無視検査)・WAB(失語症検査) |
| 運動障害の重症度 | 握力・筋緊張に影響 | 本論文では疼痛のみ重症度の影響を受けない(FMAスコアと疼痛は非相関)。筋緊張・握力は重症度の影響が強い | FMA(Fugl-Meyer Assessment)・BRS(Brunnstrom Stage) |
| 肩手症候群(CRPS I型) | 上肢疼痛・浮腫を呈する | 灼熱痛・自律神経症状(発汗・皮膚色変化・浮腫)を伴う。利き手/非利き手によらず発症。肩の可動域制限を伴うことが多い | VAS・三相骨シンチグラフィ・皮膚温測定 |
| 廃用症候群による筋力低下 | 握力・上肢機能低下 | 神経学的障害によらない非麻痺側も含めた全身筋力低下を伴う。麻痺側特有の痙縮パターンがない | MMT・ハンドヘルドダイナモメーター(両側比較) |
| 感覚障害(表在・深部) | 上肢使用量・ADL低下 | 感覚障害単独でも麻痺手の使用量を著しく低下させる。運動機能が比較的保たれていても使用しない「感覚的学習性不使用」に注意 | Semmes-Weinstein モノフィラメント・2点識別覚・位置覚検査 |
評価尺度と採点基準。
本論文で使用された評価尺度を、採点基準・カットオフ値・解釈とともに整理します。臨床で迷わないよう、一覧で確認しておきましょう。
| 評価項目 | 採点基準 | カットオフ値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MAS(Modified Ashworth Scale) | 0:筋緊張亢進なし/1:わずかな抵抗感あり/1+:1と2の中間/2:可動域の半分以上で抵抗感、ただし容易に動かせる/3:かなりの抵抗感、動かすのが困難/4:硬直状態 | MAS≥2:臨床的に有意な痙縮(介入対象の目安) | 利き手麻痺群は非利き手麻痺群よりMASスコアが有意に低値(本論文)。ICC=0.84〜0.93(観察研究) |
| MAL(Motor Activity Log) | AOU(使用量)・QOM(動作の質)各項目0〜5点。30項目の日常動作について麻痺手の使用量と質を自己報告 | AOU≥2.5:麻痺手を実生活で半分程度使用できている目安。MCID:約0.5ポイント(観察研究) | 利き手/非利き手間で有意差なし(本論文)。学習性不使用の指標として有用 |
| CAHIA(Chedoke Arm and Hand Activity Inventory) | 13項目の両手動作課題を1〜7点で採点(最大91点)。高得点ほど両手動作能力が高い | MCID:約7点(観察研究・Barreca 2005) | 利き手/非利き手間で有意差なし(本論文)。両手動作の実態把握に有用 |
| VAS(疼痛) | 0(痛みなし)〜10(想像できる最大の痛み)の数値評価 | MCID:1.0〜2.0ポイント(SR/MAレベル) | 利き手麻痺群で有意に低値。右半球病変群で高値(本論文) |
| RNLI(Reintegration to Normal Living Index) | 11項目の社会復帰指標を100点満点で評価。高得点ほど社会復帰が良好 | カットオフ値の設定は文脈依存(専門家合意) | 利き手/非利き手間で有意差なし(本論文)。参加レベルの把握に有用 |
信頼性 [観察研究]:検者間信頼性ICC=0.84〜0.93(Bohannnonら)。検者内信頼性も高く、脳卒中後痙縮評価の標準的ツールとして広く採用される。
妥当性 [観察研究]:電気生理学的痙縮指標との中等度相関(r=0.5〜0.7)。ただし痙縮の客観性という点でH反射・EMG比との乖離あり。主観的評価であることを念頭に置く。
臨床的最小変化量(MCID)[専門家合意]:スケール自体が順序尺度であるため統計的MCIDの算出は難しい。臨床上は1段階の変化が介入効果の目安とされる。定量的痙縮評価の補完としてデジタルダイナモメーターの併用を推奨。
介入のエビデンス。
利き手/非利き手の差を踏まえた上肢介入のエビデンスをまとめます。STROKE LABが実施している介入手技を中心に、各パラメータを明記します。
実際の生活場面に即した課題(コップを持つ・タオルをたたむ等)を反復練習する。パラメータ:1セッション45〜60分、週3〜5回、4〜8週間。Langhornら(SR/MA, 2009, Cochrane)で脳卒中後上肢機能改善の標準的推奨介入として位置づけられる。
非利き手麻痺では健側(利き手)で補完しやすいため、麻痺手の使用量が増えにくい。訓練場面で健側の制限(健側を背中に回す・エプロンのポケットに入れる)を設け、麻痺手の使用機会を意図的に作る。MALのAOUスコアを週次でモニタリングし、使用量の変化を可視化する。
右半球病変・非利き手麻痺患者は疼痛スコアが高い傾向。肩関節のポジショニング(外転・外旋位確保)と持続的ストレッチを1回20〜30分、1日2〜3回実施。VASで疼痛をモニタリングしながら段階的に可動域訓練へ移行する。
利き手麻痺では書字・精密作業など高精度な感覚フィードバックが求められる。モノフィラメントで感覚閾値を定期的に測定し、テクスチャー識別・温度識別・2点識別覚訓練を1セッション20〜30分で実施。目標は利き手本来の精細な感覚機能の回復。
Langhornら(2009)[SR/MA]:Cochrane Database of Systematic Reviews。脳卒中後上肢機能訓練に関するSR(32RCT, N=5012)。課題指向型訓練は上肢機能(FMA・MAL)を有意に改善。最小有効パラメータ:週3回・45分・4週間以上。
Barrecaら(2004)[観察研究]:Archives of Physical Medicine and Rehabilitation 85(8):1261-1265。CAHIA(Chedoke Arm and Hand Activity Inventory)の信頼性・妥当性を検証(N=40)。ICC=0.98(検者間)。MCID約7点。課題指向型介入の効果測定ツールとして推奨。

利き手が麻痺すると、書く・食べる・整容するといった日常のあらゆる場面が困難になります。STROKE LABでは評価データに基づいた個別プログラムで、患者さん一人ひとりの「回復したい動作」に正面から向き合います。
多職種連携と環境調整。

利き手/非利き手の情報を多職種で共有する。
「どちらの手が麻痺しているか」は、すべての職種が共有すべき基本情報です。この情報が伝わっていないと、看護師が誤った側でADL指導をしたり、STが食事動作の目標を誤設定したりするリスクがあります。
| 職種 | 主な評価項目 | 主な介入内容 | 他職種との連携ポイント |
|---|---|---|---|
| PT(理学療法士) | MAS・ROM・肩関節ポジション・疼痛VAS | 肩関節ポジショニング・ストレッチ・体幹・姿勢調整による上肢機能改善 | 疼痛スコアをOT・Nsと共有。肩関節亜脱臼の有無をOTに報告 |
| OT(作業療法士) | CAHIA・MAL・握力・感覚(モノフィラメント)・ADL全般 | 課題指向型上肢訓練・感覚再教育・補助具選定・ADL指導・利き手交換訓練(必要時) | 「利き手/非利き手」「麻痺手の使用量(MAL)」を全職種に共有。ST・Nsと食事動作の目標を調整 |
| ST(言語聴覚士) | 失語症評価(WAB)・嚥下機能・コミュニケーション手段の評価 | 代替コミュニケーション手段確保(利き手麻痺では書字困難になるため)・食事形態調整・失語症への対応 | 左半球病変(右手麻痺)では失語症合併率が高い。OT・Nsとコミュニケーション代替手段を共有 |
| 看護師(Ns) | 日常的ADL観察・麻痺手の使用状況・疼痛の訴え・ポジショニングの維持 | ベッド上ポジショニングの実施と記録・ADL場面での麻痺手の使用促進・疼痛訴えの記録と報告 | 夜間・休日の上肢ポジショニングをOTの指示書どおり維持できているか確認しPTに報告 |
| 医師 | 画像所見(病変側・範囲)・FMA・NIHSS・痙縮・疼痛の総合評価 | 痙縮・疼痛に対する薬物療法(バクロフェン・ボツリヌス療法等)の判断・リハビリ処方 | MASスコア・疼痛VASをPT/OTから受け取り、薬物介入タイミングを検討 |
| MSW(社会福祉士) | 就労・職種・生活環境(利き手麻痺の職業的影響)・RNLI | 復職支援・福祉用具申請・就労移行支援機関との調整(特に利き手麻痺で精密作業が必要な職種) | OTからの機能回復見込み情報をもとに職場環境調整・合理的配慮の交渉を進める |
「カルテの利き手情報を一番最初に見ること。それだけで今日の訓練の方向性が変わります。特に非利き手麻痺の方は、訓練室では頑張っているように見えても、病棟でも家でも麻痺手をほとんど使っていないケースが多い。MALを使って実態を確認してほしい。」
「右半球病変の患者さんで疼痛を強く訴えている場合、半側空間無視との複合かどうかを必ず確認してください。無視があると疼痛評価自体が不正確になります。BITと疼痛VASを組み合わせて評価することを勧めます。」
つまずきポイントと臨床判断のコツ。
新人のうちに必ずぶつかる「よくある失敗パターン」を整理しました。先輩として、これだけは早めに知っておいてほしい3つのポイントです。
臨床判断のコツ:利き手情報の活かし方。
初回評価の段階で以下の4点を必ず確認しましょう。①利き手はどちらか、②麻痺しているのはどちらか、③病変は右半球か左半球か、④感覚障害はあるか。この4点が揃うだけで、目標設定・介入優先順位・多職種への連携内容がほぼ決まります。
「利き手が麻痺しているからといって、患者さんの目標は必ずしも利き手機能の回復だけではないことがある。整形の骨折でも同様だが、利き手・非利き手でどんな動作が達成できると良いかを、患者さんと一緒に整理することが最初の仕事です。」

予後とゴール設定。
利き手/非利き手の違いは、上肢機能の回復見込みを考える際にも重要な文脈を提供します。本論文のデータと先行研究を踏まえ、目標設定の考え方を整理します。
【利き手麻痺の場合】書字・食事・整容など「利き手でなければ代替困難な動作」を具体的な目標に設定する。感覚機能の回復が精密動作の再獲得に直結するため、感覚評価と感覚再教育を優先する。MSWと連携し、職業的影響(特に手を使う仕事)を早期から評価する。
【非利き手麻痺の場合】両手動作(補助手としての役割)を目標の中心に置く。健側(利き手)で補完できる動作も多いが、「補助手がないことで困る場面」を患者とともに洗い出し、その場面での麻痺手使用を個別目標にする。MALのAOUスコアを定期的に記録し、生活での実使用量を増やすことをアウトカムとして設定する。
本論文は前向き研究ではなく横断的観察研究のため、予後予測の因果推論には限界があります。利き手優位性が「保護因子」となりうることは示されましたが、予後を確定的に予測するためには、FMA初期スコア・病変部位・重症度を組み合わせたより大規模な前向き研究が必要です(本論文著者らも提言)。
よくある質問。
はい、差があります。Chestnutら(2006)の研究では、利き手が麻痺した患者は非利き手が麻痺した患者に比べ、MAS(Modified Ashworth Scale)による筋緊張スコアが低く、握力低下も軽度であることが示されました。これは、利き手が脳卒中前から高頻度で使用されていたために、皮質脊髄路の効率的な神経回路が形成されており、一定の保護効果があるためと考えられています。
いいえ、ADLへの影響については利き手・非利き手間に有意差はありませんでした。CAHIA(Chedoke Arm and Hand Activity Inventory)やMAL(Motor Activity Log)、RNLIスコアを用いた評価では、麻痺手の実生活での使用量や日常生活全般のパフォーマンスに統計的有意差は認められませんでした。障害の軽さが必ずしも生活上の使用量に直結しないという点が、臨床上重要な示唆です。
本論文では意欲を直接測定していませんが、先行研究(Provins, 1997)の知見を踏まえると、非利き手が麻痺した場合は日常業務で麻痺手を使うモチベーションが低くなりやすいと考えられています。利き手が使えるため補償が容易なためです。臨床では、非利き手麻痺の患者に対して麻痺手を使う場面を意図的に設定することが重要です。
あります。Prioriら(1997)はTMS(経頭蓋磁気刺激)を用いた研究で、非利き手の動きを生成するために必要な運動閾値が利き手より高いことを示しました。これは利き手に対応する運動皮質がより効率的に出力できる状態にあることを示唆しており、脳卒中後の障害程度の差に関与していると考えられています。
はい、差があります。本研究では右半球病変を持つ患者のほうが疼痛スコアが高い結果が示されました。これは右半球病変に関連する感覚障害(半側空間無視や痛みの知覚変化など)が、疼痛体験に影響している可能性があります。評価の際には病変側も加味した疼痛アセスメントが必要です。
はい、必要です。利き手と非利き手では求められる動作の精度・頻度・社会的役割が異なります。利き手麻痺では書字・食事・整容などの巧緻動作の回復が優先されることが多く、非利き手麻痺では麻痺手を補助手として活用する両手動作訓練が中心となります。どちらが麻痺しているかを初期評価で確認し、個別目標に反映させることが臨床上重要です。
STROKE LABのプログラム。
STROKE LABは、脳卒中後の上肢機能回復に特化した自費リハビリ施設です。利き手麻痺・非利き手麻痺のどちらのケースでも、評価データに基づいた個別プログラムを提供しています。

— STROKE LABでの上肢機能回復プログラムの実際
「経験2年目のOTとして、右利きで右手麻痺(BRS III)の患者さんを担当した際、MAL初回評価でAOUが0.4と非常に低かった。① 書字・食事場面での麻痺手使用を徹底的に環境設定し、② 利き手麻痺であることの意欲を活かした課題難易度の段階付けを行い、③ 8週間後にAOUが1.8まで向上し、自力での食事が可能になった。「障害が軽い」という見た目に惑わされず、MALで実態を把握することの大切さを学んだ症例でした。」— OT・臨床経験3年目・上肢機能回復専門
「右半球病変で左手麻痺(非利き手)のケースを担当したとき、訓練室での麻痺手使用は比較的良好だったが、家族から『家ではまったく使っていない』という報告を受けた。① 病棟・自宅場面で『あえて利き手が使いにくい状況』を設定したリスト(ドアを開ける・荷物を持つ等)をご家族と一緒に作成し、② 週次でMALのAOUを記録してもらい、③ 家族報告とスコアが一致するようになるまで10週間かかった。訓練と実生活をつなぐ架け橋として家族教育が不可欠だと気づいた。」— PT・臨床経験5年目・脳卒中リハビリ専門
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諦めないでください。

利き手が麻痺するということは、人生の多くの場面に影響します。字が書けない、食事が取りにくい、仕事に戻れない。そのひとつひとつが、患者さんにとっては深刻な問題です。
私たちSTROKE LABでは、利き手か非利き手かを必ず確認し、その方の生活で「これが取り戻せたら」と感じる動作を起点にプログラムを組み立てます。評価スコアではなく、生活の質を基準にリハビリを設計することが私たちの信念です。
脳卒中後の上肢リハビリは、発症から年単位で回復が続く可能性があります。焦らず、でも諦めずに、一緒に取り組みましょう。まずは無料相談から、現状を聞かせてください。
代表取締役 金子 唯史
参考文献。

1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024) パーキンソン病の機能促進:医学書院 (2025)