我が子だけのオーダーメイド・プログラム|評価から組み立てる個別リハ
評価から、生活で使える力へ。お子さんに合わせた小児リハの作り方
同じ診断名でも、困っている動きは一人ひとり違います。姿勢、筋緊張、感覚、手の使い方、遊び方、生活環境、ご家族の希望。STROKE LABでは、それらを丁寧に評価し、その子が生活の中で使える力へつながる個別プログラムを組み立てます。

なぜ、オーダーメイドが必要なのか。
病院や療育で言われた運動を家で続けている。でも、これが今の我が子に合っているのか分からない。歩く練習をした方がよいのか、体幹を鍛えるべきなのか、手の練習を増やすべきなのか。情報が多いほど、迷いも大きくなります。
小児リハで大切なのは、「何をするか」より先に「なぜそれが必要か」を見極めることです。
たとえば、同じ「歩きにくい」という悩みでも、背景は一人ひとり違います。股関節や体幹の安定が課題の子もいれば、足部の感覚が入りにくい子、筋緊張が高く足が突っ張りやすい子、怖さから体重を乗せにくい子もいます。見た目の動作が似ていても、必要な支援は変わります。
だからこそ、STROKE LABでは最初に専門的な評価を行います。診断名や月齢だけではなく、実際の動き、姿勢、筋緊張、感覚、家庭での困りごと、ご家族の希望を整理し、そこから個別プログラムを組み立てます。
評価で見るのは、動きだけではありません。
小児リハの評価では、寝返り、座る、四つ這い、立つ、歩く、手を使うといった運動だけでなく、その動きがどのように生まれているかを見ます。姿勢を保つためにどこへ力が入りすぎているのか、どこが使いにくいのか、感覚をどう受け取っているのか、遊びの中でどのように探索しているのかを丁寧に観察します。
| 評価する視点 | 見る内容 | プログラムへの反映 |
|---|---|---|
| 姿勢・体幹 | 座位、立位、寝返り、四つ這いで体を支えられるか | 体幹・骨盤・肩甲帯の安定を促す課題へ |
| 筋緊張 | 突っ張り、反り返り、低緊張、力の入りすぎ・抜けすぎ | 力を抜く・入れるタイミングを調整する介入へ |
| 感覚 | 足裏、手のひら、バランス、触覚、過敏さ・鈍さ | 安心して探索できる遊び・荷重経験へ |
| 生活場面 | 抱っこ、食事、着替え、移動、遊び、園・学校での困りごと | 家庭で使える具体的な練習へ |
苦手な動作を見つけるだけでは、リハビリは進みません。どの条件なら動きやすいのか、どんな遊びなら体が自然に使えるのか、どこを支えると成功しやすいのか。評価は、その子の可能性を見つける時間です。
STROKE LABの視点:練習メニューではなく、成功する条件を見る。
個別リハで最初に考えるべきことは、「この運動を何回やるか」ではありません。まず見るべきなのは、お子さんがどの条件なら成功しやすいかです。座れないように見えても、足台の高さを変えると座りやすくなることがあります。手が使いにくいように見えても、体幹や肩の支えが整うと手が前に出やすくなることがあります。
STROKE LABでは、動作を一つの筋力だけで説明せず、頭・目線・肩甲帯・体幹・骨盤・足部・感覚・環境の連鎖として評価します。どこを支えると動きが変わるのか、どの遊びなら自分から体を使えるのか、家庭ではどの場面に取り入れられるのか。この「成功する条件」を見つけることが、オーダーメイド・プログラムの出発点です。

生活場面から、目標を決めます。
小児リハの目標は、「筋力をつける」「体幹を鍛える」だけでは不十分です。もちろん身体機能は大切ですが、その先にあるのは、遊びや生活に参加できることです。たとえば「座れるようになる」は、「食事で座っていられる」「両手で玩具を触れる」「保育園で活動に参加できる」につながってはじめて意味を持ちます。
そのため、STROKE LABでは保護者の方に日常の困りごとを伺います。抱っこが大変なのか、床遊びが苦手なのか、歩くとすぐ疲れるのか、階段や外遊びが難しいのか、手先の課題で困っているのか。生活の言葉で目標を整理することで、リハビリの方向性が明確になります。
| 目標の立て方 | 抽象的な目標 | 生活につながる目標 |
|---|---|---|
| 座位 | 体幹を強くする | 食事中に5分座って両手を使う |
| 歩行 | 歩けるようにする | 園庭で転ばず10分遊ぶ |
| 上肢・手 | 手を使えるようにする | 着替えで袖に手を通す動作を手伝える |
| 家庭練習 | 毎日トレーニングする | お風呂前の3分で足裏荷重遊びを行う |
研究でわかっていること。
目標指向型トレーニングでは、子どもと家族にとって意味のある目標を決め、動作を分解し、実際の生活に近い練習を行い、変化を再評価することが重要とされています。つまり、オーダーメイドとは、診断名でメニューを決めることではなく、生活目標から逆算して練習を組み立てることです。
WHOのICFは、身体機能だけでなく、活動、参加、環境因子を含めて健康や障害を捉える枠組みです。小児リハでも、関節や筋力だけでなく、遊び、家庭、園や学校、家族の関わりまで含めて考えることが大切です。
個別プログラムは、組み合わせで作ります。
オーダーメイドのプログラムは、一つの運動を決めて終わりではありません。お子さんの状態に合わせて、姿勢づくり、感覚入力、関節の動き、体幹・肩甲帯・骨盤の安定、手足の操作、遊び、生活動作を組み合わせます。
実際の動作、遊び、姿勢、表情、怖さ、疲れ方、左右差を見ます。できない瞬間だけでなく、できる条件も探します。
筋緊張、感覚、姿勢制御、関節可動性、視覚、注意、環境のどこが動作に影響しているかを仮説立てします。
徒手的な誘導、姿勢づくり、遊び、課題練習、道具や環境調整を組み合わせ、その子に合うプログラムを作ります。
その場で動きが変わったか、家庭で続けられたか、生活場面で楽になったかを確認し、プログラムを更新します。
STROKE LABでは、評価から目標設定、家庭プログラムまでを一貫して組み立てます。今のお子さんに必要な支援を、専門職と一緒に整理できます。
健診・相談で伝えやすくなるメモ。
専門職に相談するときは、「何ができないか」だけでなく、「どの場面で困るか」「どんな条件なら少しできるか」を伝えると、評価が具体的になります。下のメモは、初回相談や再評価の前に整理しておくと役立ちます。
年齢・発達段階別に、見るポイントを変えます。
小児リハでは、年齢や発達段階によって、評価するポイントも関わり方も変わります。0歳では抱っこや床遊び、幼児期では姿勢と移動、小学生では学校生活や手先の課題など、生活場面の意味づけが変わるためです。早産のお子さんでは修正月齢で見た方がよい場合もあります。

| 年齢・状態 | 評価で見ること | プログラム例 |
|---|---|---|
| 0歳・発達が気になる | 反り返り、左右差、追視、手足の動き、抱っこでの姿勢 | 抱っこ、腹ばい遊び、手を前に出す経験、感覚入力 |
| 1〜3歳・転びやすい | 体幹、足部、バランス、視線、遊びの中での姿勢反応 | 段差遊び、重心移動、足裏感覚、方向転換、外遊び課題 |
| 4〜6歳・姿勢が崩れる | 座位姿勢、肩甲帯、体幹、両手活動、注意の続き方 | 食事や机上活動につながる姿勢調整、足台や環境調整 |
| 小学生・手先が不器用 | 座位姿勢、肩・手首、筆圧、両手協調、目と手の協調 | 書字・はさみ課題、手指遊び、机・椅子調整 |
※年齢や月齢は目安です。早産の場合は修正月齢で見ることがあります。達成時期には幅があるため、気になる場合は乳幼児健診や専門職へ相談してください。
避けたい関わり。
オーダーメイドの反対は、「全員に同じメニューを当てはめること」です。苦手な動作だけを長く反復したり、家族が続けられない量の練習を渡したりすると、子どもも家族も疲れてしまいます。大切なのは、評価から目的を絞り、生活に入れやすい形へ調整することです。

| 避けたいこと | 理由 | 代わりにできること |
|---|---|---|
| 診断名だけでメニューを決める | 同じ診断名でも姿勢・感覚・生活環境が異なるため | 実際の動きと生活場面から課題を分ける |
| 苦手動作だけを反復する | 怖さや失敗経験が増え、動きが固くなることがある | 成功しやすい条件を作ってから練習する |
| 家庭で続かない量を渡す | 保護者の負担が増え、継続しにくい | 1日数分でも狙いが明確な内容にする |
| 評価せずに同じ内容を続ける | 成長や生活の変化に合わなくなる | 再評価を行い、プログラムを更新する |
よくある質問。
診断名や年齢だけで内容を決めるのではなく、姿勢、筋緊張、感覚、運動発達、手の使い方、生活場面、ご家族の希望を評価し、その子に必要な目標と練習内容を組み立てる個別リハビリです。
寝返り、座位、四つ這い、立位、歩行、手の使い方、遊び方、感覚への反応、姿勢の安定性、左右差、筋緊張、生活で困っている場面などを総合的に見ます。必要に応じて、日常の動画や保護者からの情報も参考にします。
同じ診断名でも、困っている動作、筋緊張、感覚、姿勢、生活環境、ご家族の目標は一人ひとり異なります。そのため、診断名だけでなく、実際の動きと生活場面を評価して、その子に合わせたプログラムを組み立てます。
はい。施設でのリハビリだけでなく、抱っこ、座り方、遊び、歩く練習、手の使い方など、家庭で無理なく取り入れやすい形に落とし込みます。短時間でも継続しやすく、保護者が関わりやすい内容を一緒に整理します。
お子さんの状態、目標、通院負担、家庭での実践状況によって異なります。初回評価で現在の課題と優先順位を整理し、小児リハビリの頻度・期間も含めて、短期集中がよいのか、月1回の確認がよいのか、家庭プログラム中心がよいのかを相談しながら決めます。
変わります。子どもは日々成長し、できることも困る場面も変化します。STROKE LABでは、初回に決めた内容を固定するのではなく、再評価を行いながら、生活で使える力につながるように目標とプログラムを更新します。
STROKE LABでは、評価から生活へつなげます。
STROKE LABは、脳卒中をはじめとする神経リハビリを専門としてきた自費リハビリ施設です。小児のリハビリでも、運動と脳のしくみをもとに、姿勢、筋緊張、感覚、生活動作を丁寧に評価し、お子さんに合わせた個別プログラムを組み立てます。
保護者の方を「見学者」ではなく、プログラムを一緒に作るパートナーとして考えます。家庭で困っている場面を共有していただき、専門職が評価し、実践しやすい形に変換する。その循環が、子どもの成長を支えます。
評価から一緒に見つけていきます。

小児リハで大切なのは、診断名だけでお子さんを見ることではありません。今、どのように動き、どこで困り、どんな環境で生活しているのか。その一つひとつを丁寧に評価することで、必要な支援は見えてきます。
STROKE LABでは、神経リハビリの専門性を活かし、お子さんとご家族に合わせた個別プログラムを一緒に組み立てていきます。
「今の練習でよいのか分からない」「家庭で何をすればよいか知りたい」そんなときは、一度ご相談ください。
代表取締役 金子 唯史

脳の領域別の働きから、臨床で行うリハビリテーション方法を提案する専門書です。小児の動きを診断名だけで判断せず、姿勢・感覚・運動・生活参加の連鎖として捉える視点は、個別プログラムを組み立てるうえでも重要です。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療に代わるものではありません。お子さんの状態についての判断は、かかりつけの小児科医や専門職にご相談ください(最終確認日:2026年7月4日)。
- World Health Organization: International Classification of Functioning, Disability and Health (ICF)
- NICE Guideline NG62: Cerebral palsy in under 25s: assessment and management
- AACPDM Care Pathway: Early Detection of Cerebral Palsy
- CanChild: Family-Centred Service
- CanChild: F-words for Child Development
- こども家庭庁:令和6年度障害福祉サービス等報酬改定/児童発達支援ガイドライン等
- Ogilvie L, Garbellini S, Sakzewski L, Davidson S-A, Elliott C. Key elements of Goal-Directed Training for children with cerebral palsy: A qualitative content analysis. British Journal of Occupational Therapy. 2025;88(1):17-24.
- Novak I, Morgan C, Fahey M, et al. State of the Evidence Traffic Lights 2019: Systematic Review of Interventions for Preventing and Treating Children with Cerebral Palsy. Current Neurology and Neuroscience Reports. 2020;20:3.
- Rosenbaum P, Gorter JW. The ‘F-words’ in childhood disability: I swear this is how we should think! Child: Care, Health and Development. 2012;38(4):457-463.
- 金子唯史:脳の機能解剖とリハビリテーション.医学書院,2024,408頁。

1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024) パーキンソン病の機能促進:医学書院 (2025)