トップへ戻る

TOP > 療法士専門系 > vol.37:非麻痺側の運動制御の特徴を左右半球別に調査 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

vol.37:非麻痺側の運動制御の特徴を左右半球別に調査 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

脳神経系論文に関する臨床アイデアを定期的に配信中。 Facebookで更新のメールご希望の方はこちらのオフィシャルページに「いいね!」を押してください。」 臨床に即した実技動画も配信中!こちらをClick!!(YouTube)

見出し画像

 

見出し画像2

              STROKE LABでは療法士向けの脳科学講座/ハンドリングセミナーを行っています!上記写真をClick!!           PDFでもご覧になれます。→PDF      

カテゴリー

脳卒中、非麻痺側、筋出力低下  

 

タイトル

脳卒中後における同側性の運動機能の低下 Ipsilesional motor deficits following stroke reflect hemispheric specializations for movement control?PubMedへ Schaefer SY et al:Brain. 2007 Aug;130(Pt 8):2146-58  

 

内 容

 

目 的

●本研究目的は,左右半球で異なる運動制御の特徴を脳卒中後の病巣と同側(非麻痺側)の運動の低下から特徴化できるかどうか調査する事である。      

 

方 法

脳卒中後の非麻痺側の機能低下の研究方法の図

Fig.1:実験方法と課題内容(本論文より参照)

●対象者:正常人16名,片麻痺患者(右麻痺5名・左麻痺5名)  

●健常者と左右どちらかの脳卒中患者において非麻痺側の肘の単関節運動をターゲットにして分析した。

●左半球損傷では初期軌跡の特徴が欠如し、右半球損傷は最終位置の精密さが欠如してしまうと予測した。      

 

結 果

 

研究結果の図研究結果の図(2)

Fig.2:課題遂行時に加速・減速時間の比較 上図;右半球損傷患者の非麻痺側の課題では,加速の持続時間が短く,左半球損傷患者の非麻痺側は加速の持続時間が長いことがわかる 下図;減速時間は左右の半球損傷患者は両者共に健常人よりも,長いことがわかる(本論文より図参照)

  ●予測通り、左半球損傷と右半球損傷で異なるところは加速度調節の減少が示された。

  ●しかし、右半球損傷患者で左半球損傷と異なるところは最終ポジションで非常に大きなエラーが認められたことである。   研究結果の図(3)

Fig.3:最終位置でのポジションエラー比較 最終位置でのポジションエラーは,右半球損傷患者のエラーが大きいことがわかる(図:本論文より参照)

  ●正常グループと患者において運動スピードは異ならなかった。

  ●代わりにそれぞれのスピードが詳細化され、加速度調整と加速持続時間の調整などが右と左半球損傷によって異なる影響を受けていたことが明らかであった。

  ●これらの見解からそれぞれの半球が初期軌跡と最終位置で異なって貢献しているということがわかった。 %e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%97%e3%83%81%e3%83%a35

Fig.4:左右半球損傷別にみる運動コントロールのミスマッチ 右半球損傷による左麻痺のコントロールはミスマッチが目立ち、左半球損傷による右麻痺はむしろ正確なコントロールを要しているのがわかる。(図:本論文より参照)

 

考 察

●最近の先行研究にてわかったことは、優位半球側に制御される上肢はダイナミックな課題や四肢の予測的な形状づけに役立ち,劣位半球は定常状態の位置を達成するのに役立つ  

 

●結果からわかることは、

① 右半球損傷患者の最終位置でのエラーと加速度時間の調節の減少

  ●右半球損傷患者が最終位置でエラーすることは、知覚の欠如により運動のターゲットが不確かになることからの結果であると思われる。 

  ●加速度時間の減少は、ターゲットの位置を見抜くことの欠如が原因というよりも、開始時のトルクの中でのバリエーションを代償するための筋活動のタイミング調整の欠如からの結果であると思われる。    

② 左半球損傷患者のピーク時の加速度調節の減少

●加速度調節の減少を示す左半球損傷患者は、損傷に伴う運動プランニングの欠如が関連していることがわかった.つまり失行の要素が関連している 。  

●重症の片麻痺患者になると非麻痺側は大抵,瓶の蓋をあけたり,ボタンを閉めたり,食べ物をスライスしたり,口にコーヒーカップを持っていく際に主要な役割となる。

●慢性期の脳卒中患者は,麻痺側の3~6倍,非麻痺側を使用するとの報告もあることから,片麻痺患者の機能的回復は非麻痺側の回復に依存しているため,より非麻痺側の調査を今後も進めていく必要がある。      

 

 

明日への臨床アイデア

●近年,同側(非麻痺側)の運動パターンに着目した治療は多く見受けられるようになってきている。

●今回の研究から同側に問題があることは明らかになったので,どのようなパターンを同側の四肢は行い,どの場面で失敗するのかをしっかり評価する必要がある。      

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

            脳卒中の動作分析 一覧はこちら   論文サマリー 一覧はこちら   脳卒中自主トレ100本以上 一覧はこちら        

塾講師陣が個別に合わせたリハビリでサポートします

         


無料相談
カウンセリング
こちら

お申込み・資料請求・ご相談など 各種お問い合わせ

無料相談/資料請求の
お申込み