gastro(腓腹筋)とsoleus(ヒラメ筋)の役割の違い
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gastro腓腹筋とsoleusヒラメ筋の役割の違い
7年ほど前に消したブログ「闘うtherapy」の記事をまた少しずつ掲載していきます。
今日は腓腹筋とヒラメ筋の違いですね。臨床でも両者をどのように組み合わせていくか、いつも考えさせられます。
ヒラメ筋の方が深部筋なので筋紡錘が豊富ですし、筋が硬くなりやすいのも事実です。
患者さんによりますが、最初は腓腹筋の起始や内側と外側の分離を促しつつ、重力活動の中でヒラメ筋の求心性、遠心性コントロールを促すことが多いかもしれません。
加えてググってみたのですが、膝関節屈曲位ではヒラメ筋が足関節底屈に大きく作用するのに対して、膝伸展位では腓腹筋が大きく底屈に作用するようです。
これは治療姿位で考慮すべきポイントの1つになるかもしれませんね。→こちらより Gastrocnemius vs. soleus strain: how to differentiate and deal with calf muscle injuries 2009
このセラピーはYoutubeでも掲載しているので参考にしてみてください。
今日の実技 歩行時におけるheel contact~toe offまでの促通 バックステップ姿位から
まずは麻痺側下肢を後方ステップポジションへ。(youtube動画の立位姿勢治療も参照)
足尖と下腿三頭筋にkey pointを置き、足関節背屈、膝の屈曲→伸展、股関節伸展を組み合わせheel downさせる。このときQuadがonになるよう下腿三頭筋のkey poinをheelに持ち替え、足尖のkeypointをQuadへ。back kneeにならないように!!
Quadがonの状況でのheel downはsoleusの活動(おそらく遠心性の)を強調していました。
これによりstep positionになる。腓腹筋とヒラメ筋の両者が伸張されているかが重要と思われます。
*腓腹筋のみの伸張によるバックステップの場合、一見アキレス腱が伸びていますが、膝蓋骨が前下方に落ちて距腿関節の過剰背屈が強調された姿位になっている可能性があるので注意が必要です。踵骨がより引き出されるヒラメ筋の伸張が重要です。
次にheel offへ
ここでgastroを収縮を強調。足関節の底屈、gastroが起始部に求心性に働きながら膝の屈曲が生じるよう促し、骨盤は中間位のまま膝関節ができるだけ水平位を保ち、heel down ,quad on、toe 遠心的にゆるみながら降りる。
大まかに言うと上記のような感じでした( ´∀`)つ
気になったことはheel down(踵を床面へ)でsoleusを。heel up(踵を床から離す)でgastroを。
という風に分けていたところです。
どちらも足関節の底屈に作用します。
二関節筋なのかどうか
gastroは起始部(特に内側)がlow toneでon(収縮位)にならない片麻痺患者さんが多く、二関節筋としての起始と停止のコンパートメントの役割が不十分な場合、hip strategyをとりやすい傾向があります。
一方soleusはshortnessになり、ちゃんとした底屈と使っているというよりは、膝の屈曲や股関節の屈曲で代償している患者さんが多いように思えます。
heel downはgastroの遠心性収縮も促せそうに思えますが、より踵の知覚を促すにはやはりsoleusなのでしょうか?
clinical massageでみると、soleusの方が踵骨に近い部分で赤筋線維が多いように見え、筋紡錘が豊富であると考えられます。今回追記→腓 腹 筋 は TypeⅠ線維と TypeⅡ 線 維の含有比率はほぼ 50%:50%であり、SOL で は TypeⅠ線維が 90%と 圧 倒的に多いと報告されている
つまり姿勢筋に重要であり踵の知覚では重要な筋になりますね。
soleusの伸張→背側脊髄小脳路→前庭核→下行性前庭脊髄路→下肢の伸展→安定した支持性が大切です。
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018)