脳卒中(脳梗塞・脳出血)片麻痺のリハビリ:ハンドリングの極意 その④-1 意図の前にただひたすら感覚に集中する~経験の浅いセラピストの場合~
週1回、今年医学書院より発売予定「正常動作分析と脳卒中への臨床応用」の内容の一部を配信しています。
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皆さんこんにちは.
週1ペースで更新していく書籍アップデートコーナー.
本日はハンドリングの極意その④-1
意図の前にただひたすら感覚に集中する~経験の浅いセラピストの場合~
です!!
ハンドリングの際に,治療の目標をイメージするかと思いますが,治療では「今」の患者の状態を感じ取ることに集中しなければなりません.
例えば,体幹を抗重力方向に伸展させたいとイメージする場合,相手の反応・感覚を無視して体幹伸展を誘導すると治療が失敗することが多いです.
このようなケースは,経験年数の浅い若手セラピストに多いような印象を受けます.
反応のいいキーポイント,またはどこからのHands onを比較的受け入れてくれるのか?
BOSやCOPとの関係を上手く抗重力方向へと利用できているのか??
一度の誘導で反応できるのか,反復する中で徐々にでてくるのか???
講習会ではこう習った!ある患者ではこれで上手くいった!!
などの自己の経験や成功体験を目の前にいる患者に無理に当てはめていては,そのヒト特有のパターンを汲み取ることなどできません.
患者の特徴を把握しない状態でのバイオメカニクス上のセオリーなハンドリングは,むしろ不安定性を強めているだけかもしれません.
既存の知識だけでなく,相手がどう動こうとしているのかに耳を(感覚を?)傾けてみることも大切です.