Vol.492.ゴールは歩行?脳卒中後の走行の獲得のためのトレーニング:症例検討 – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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Vol.492.ゴールは歩行?脳卒中後の走行の獲得のためのトレーニング:症例検討

 

 

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カテゴリー

 

神経系

 

タイトル

●ゴールは歩行?脳卒中後の走行の獲得のためのトレーニング:症例検討

 

●原著はRunning Training After Stroke: A Single-Subject Reportこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●若い脳卒中患者の方でも、歩行がゴールになっているケースを見かける。患者により、求められる能力は異なると思い、脳卒中患者が走りを獲得するためのトレーニングの報告を見かけたため本論文に至った。

 

内 容

 

背景

 

●脳卒中発症後に多くの人は主に歩く練習をするがスポーツ活動に戻ることができる人もいる。

 

●今回は、5年前に脳卒中を患った38歳の脳卒中患者のシングルケースの報告です。ランニングを改善するための体重免荷装置付トレッドミルでの集中的な課題指向練習の可能性と有効性を調査した。

 

●患者は妻と2人の娘と暮らし、ハードウェア会社のマーケティングマネージャーとして働いていた。研究の2年半前、患者は自動車事故に巻き込まれ、左大腿骨の骨折を治療するための手術を必要とした。手術の翌日、患者は右脳梗塞を起こし、左片麻痺の障害をおった。

 

●患者は仕事に復帰し、運転、子育てにおいて積極的な役割を果たすことができた。しかし、動きが発症前より遅すぎ能率が低下していたようであった。走行では非対称のランニングパターン、立脚中の左麻痺側の伸展の減少、および両脚遊脚期の時間の短縮を示した。

 

 

方法

 

●この研究では、LiteGait BWSシステムとTrimUp 3350トレッドミルを使用しました。

 

●介入セッションには3回のランニングが含まれ、最大10分間続きました。自己選択の可能な限り速い歩行速度での1.5分のウォームアップ、7.5分のランニング、および1分のクールダウンで構成されていた。各介入セッション中、セラピストのフィードバックは、最適な対称性と位置合わせを容易にするための視覚的および言語による手掛かりで構成されていた。その手掛かりは左ステップの長さを増やし、HCで最初で右足関節を制御し、腕の振りを均等にするようにとの指示でした。介入フェーズの開始時に、参加者はトレッドミルで20%、10%、および0%のBWSで快適な自己選択速度で走っているのが観察されました。 20%のBWSが、最も良好な姿勢と判断され体重の20%を免荷サポートすることで練習しました。

 

●ベースライン、介入、介入直後、介入後6か月のフェーズを含む単一被験者の評価が行われました。25mのスプリント時間(走行時間)、片足バランス、ランニングステップ幅、ランニングステップ長比、Stroke Impact Scale (SIS)、6分の歩行テスト、および下肢筋力が含まれていました。

 

 

結果

 

●6か月の介入後にスプリント速度、左片脚バランスおよびステップ幅がベースラインより大幅に変化した。歩幅の比は対称性の低さはあるが、一貫性が高まる傾向にあり、筋力は走行に関連する下肢の8つの筋肉のうち6つと、関与しない下肢の8つの筋肉のうち4つで20%以上改善した。

 

●集中的な課題指向練習は、研究対象の走行能力を再トレーニングするために実行可能で効果的でした。患者はレクリエーションランニングに戻りました。これにより、見通しが大幅に改善され、生活の質が向上しました。

 

 

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●個人によるが脳卒中患者で職場復帰を目指すような方は、歩行レベルの獲得では、実際仕事場でその動きづらさから大変さを感じると思われる。走行が可能な筋力・バランス等まで目指して訓練することが望ましいと考える。各々の生活背景、重症度なども考慮してゴールを決定していく必要がある。

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

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