vol.383: Kinect ゲームを使用した慢性期脳卒中者リハビリ 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
Kinect gameを使用した慢性期脳卒中者リハビリ
Effects of Virtual Reality Training using Xbox Kinect on Motor Function in Stroke Survivors: A Preliminary Study PubMed Park DS et al.J Stroke Cerebrovasc Dis. 2017 Oct;26(10):2313-2319. doi: 10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2017.05.019. Epub 2017 Jun 9.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・motion captureやVR等のリハビリ応用の可能性や限界を知りたいと思ったため
内 容
背景・目的
・『Kinectゲームシステム』はリハビリテーションにおいて治療上有益であることが示されていますが、脳卒中後の運動機能を改善するためのKinectベースのバーチャルリアリティ(VR)トレーニング適用の可能性は調査されていません。
・本研究は、XboxのKinectゲームシステムを使用し、慢性期の片麻痺患者の運動回復に対するVRトレーニングの効果を調査することを目的としました。
方法
・これはランダム化比較試験(RCT)でした。片麻痺患者20名を無作為に介入群または対照群のいずれかに割り当てました。
・介入群(n = 10)の参加者は、Xbox Kinectベースのゲームを用いたVRトレーニングを30分と従来の理学療法を30分実施し、対照群(n = 10)の参加者は、30分の従来の理学療法のみを受けました。
・介入は6週間毎日のセッションで構成されていました。
・Fugl-Meyer評価(FMA-LE)、Berg Balance Scale(BBS)、Timed Up and Goテスト(TUG)、および10mWTをoutcome mesureとし、ベースライン時と終了時に実行されました。
結果
・FMA-LE、BBS、TUG、および10mWTのスコアは、トレーニング後の介入群と対照群の両方において、ベースラインから介入後に有意に改善しました。
・介入群のBBS、TUG、および10mWTの前後差スコアは、対照群のそれらより有意に改善されました。
・本論文は脳卒中リハビリテーション中の運動機能を改善するための効果的な治療アプローチとしてのXbox Kinectゲームシステムによる追加のVRトレーニングの使用を支持しています。
私見
・kinectは2017年に生産終了しているが、2019年2月24日に「Azure Kinect」というもので形を変えて新たに発表された。
・100万画素の深度センサーと複数のマイク群、1,200万画素のカメラを組み合わせ、MicrosoftのクラウドサービスAzure上のAIサービスと連動させられるデベロッパー向けデバイスとのことです。
・複数台でパノラマ的に撮影することも可能である。様々な用途で用いられてくると思われ、動向に注目したい。
氏名 shuichi kakusho
職種 理学療法士
病院内 スタッフ育成サポート
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)