vol.171:VRと二重課題トレッドミルトレーニング 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
目次
脳神経系論文に関する臨床アイデアを定期的に配信中。 Facebookで更新のメールご希望の方はこちらのオフィシャルページに「いいね!」を押してください。」 臨床に即した実技動画も配信中!こちらをClick!!(YouTube)
STROKE LABでは療法士向けの脳科学講座/ハンドリングセミナーを行っています!?上記写真をClick!!?
カテゴリー
歩行
タイトル
脳卒中者の歩行に対するVRを使った二重課題トレッドミルトレーニングの効果:無作為化比較試験
Virtual dual-task treadmill training using video recording for gait of chronic stroke survivors: a randomized controlled trial.
?pubmed Kim H J Phys Ther Sci. 2015 Dec;27(12):3693-7. doi: 10.1589/jpts.27.3693.
本論文を読むに至った思考・経緯
・昨今のテクノロジーの進歩はすさまじく、リハビリ業界にも様々な形で介入してくること予想される。VRもそのひとつであり、今回VRを使用した二重課題トレーニングの論文をみつけ、読んでみたいと思った。
論文内容
論文背景・目的
・脳卒中者の退院を考える際、歩行能力の向上だけで実生活が送れるとは限らない。歩きながら認知的な課題をどう処理できるかが実用性の高い、生活するうえで必要な歩行スキルとなる。
・VR(virtual reality)を使用した歩行練習は近年研究テーマとなっており、本研究もVRを使用した二重課題トレッドミルトレーニングの効果を検証する。
研究方法
・40人の10m歩行が可能な脳卒中者
・対照群は一般的な理学療法を1日1時間、週に5回、4週間行った。
・VR群は上記理学療法に加え、VRの二重課題トレーニングを1日30分間、週3回、4週間行った。
・見る動画はスーパーマーケットでカートを押すといったもので、事前に記憶した5つの物品を動画のなかから探すといった課題を行った
研究結果
表:実験結果
Kim H (2015)より引用
・両群ともに介入前後の歩行速度、ケーデンス、麻痺側の歩幅と重複歩の時間・長さともに有意な改善がみられた。また、群間の有意差もVR群に見られた。
私見・明日への臨床アイデア
・VRでの二重課題トレッドミル歩行によって歩行パラメータに有意な改善、群間の差がみられた。今後VRを使ったリハビリテーションが増えてくることは明白であり、対応できる順応性が求められる。
・実生活を意識した介入だが、アウトカムが歩行に絞られていた。IADLなどに効果がなかったか次の研究に期待したい。
職種 理学療法士
脳卒中自主トレ100本以上 一覧はこちら
病院内 スタッフ育成サポート
スタッフ教育を効率的に進めてみませんか?
ハンドリングや中枢神経系への教育は、STROKE LABへご相談ください。

1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018)