vol.395:左利き患者の失行について               脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
  1. HOME
  2. ブログ
  3. 脳科学系
  4. vol.395:左利き患者の失行について               脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
脳科学系

vol.395:左利き患者の失行について               脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

脳神経系論文に関する臨床アイデアを定期的に配信中。 Facebookで更新のメールご希望の方はこちらのオフィシャルページに「いいね!」を押してください。」 臨床に即した実技動画も配信中!こちらをClick!!(YouTube)

 

 

 

 


 

STROKE LABでは療法士向けの脳科学講座/ハンドリングセミナーを行っています!上記写真をClick!!
 
 
 
 
PDFでもご覧になれます。→PDF
 
 
 
 

カテゴリー

脳卒中
 
 
 

タイトル

左利き患者の失行について

Apraxia in left-handers.PubMed Goldenberg G,Brain. 2013 Aug;136(Pt 8):2592-601

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

・左利きの患者を担当することがあり、左利き患者における高次脳機能はどのようなものがあるのか興味を持った。
 
 
 

内 容

方法

・左利きの脳損傷患者50名(左半球損傷28名、右半球損傷22名)
 
・検査は麻痺がある場合は麻痺のない方の手で、麻痺がない場合は患者自身がどちらの手を使うか決めた。
 
・検査は以下の3つを行った。
①意味のないジェスチャーの模倣(手の位置と指の形の模倣をそれぞれ別に行う)
②道具を使用するパントマイム
③実際の道具の使用。
 
 
 

結果

・相当数の左半球の損傷患者で失行が認められた。左より右半球の損傷で有意に多く見られる障害は手の位置の模倣のみであった(Table 2)。

 

・パントマイムと道具の使用の障害は失語患者で有意に多かった。左半球の損傷で失行がある患者は全て失語を持っていた。また失行があって失語がない患者は全て右半球の損傷であった(Table 3)。

 

・手の位置と指の形の模倣の障害は半側無視がある患者でより多く見られた(Table 4)

 

・先行研究のテータも元に解析を行った結果、右利きで右半球損傷の患者は左利きで右半球損傷の患者より半側無視の割合が多かった。左利きで右半球損傷の患者で半側無視がある患者が最も模倣の点が低かった(Table 5)。


 
 
 

考察

・先行研究から左利きでは右利きより両側の大脳半球の損傷で失行が認められることが多い。左利きの患者の失行は右利き患者の失行より軽い。また左利き患者の方が早く回復する。
 
・手の位置の模倣では右半球の損傷でより頻繁に見られ、そのような患者の多くに半側無視が見られた。これらのことから手の模倣の障害は右半球が利き手(左手)を支配していることよりも空間に関与していることによるかもしれない。
 
パントマイムや道具の使用と失語との関連について考えうる説明として言語と道具の使用はいずれも意味記憶にアクセスすることが挙げられる。
 
 
 
 

私見・明日への臨床アイデア

・高次脳機能と利き手が関連している可能性があることが分かった。今後、臨床で左利きの患者の場合はこのことを考慮しつつ高次脳機能の評価と解釈を行いたい。
 
 
 
 

職種 理学療法士

 

 

 

脳卒中の動作分析 一覧はこちら

 

論文サマリー 一覧はこちら

 

脳卒中自主トレ100本以上 一覧はこちら

 

 

 

 

塾講師陣が個別に合わせたリハビリでサポートします


 
 
 
 
 
 

 

CATEGORY

 

FOLLOW US

STROKE LABの記事は各種ソーシャルメディアでも配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしてください。

FOLLOW US

STROKE LABの記事は各種ソーシャルメディアでも配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしてください。

CATEGORY

関連記事

Social Media フォロー↓↓↓
誠心誠意の機能回復サポート
脳卒中・パーキンソン病専門の個別リハビリ施設
病院リハ継続・更なる機能回復を目指します。
〒113-0033 東京都文京区本郷2-8-1 寿山堂ビル3階
株式会社STROKE LAB
03-6887-5263
ACCESS