vol.241:股関節と骨盤の動きとインピンジメント 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
股関節と骨盤の動きとインピンジメント
Hip kinematics and kinetics in persons with and without cam femoroacetabular impingement during a deep squat task?PubMed JJ Bagwell et al.(2016)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・人はそれぞれの可動域制限やマッスルインバランス、インピンジメントなどに影響を受け、動作を変えると思われる。何故そのように動くのかということに興味があり、効率的に動くための評価・治療の考察の一助になればと本論文に至る。
内 容
背景
・先行研究では、大腿寛骨臼のインピンジメントのある人は機能的タスク中に、健常者と比較し股関節および骨盤の運動が変化する可能性があることが示されている。
目的
・研究目的は、大腿寛骨臼インピンジメントを有する人と痛みのないコントロール群との間の股関節と骨盤の運動学と動力学を深いスクワット課題中に比較することであった。
方法
・カム型の大腿寛骨臼インピンジメントのある人15人と、インピンジメントのない15人が、深いスクワット課題を行った。
・ピークの股関節屈曲•外転•内旋および平均股関節伸筋、内転筋および外旋筋モーメントを定量化した。
結果
・大腿寛骨臼インピンジメントのある人は、股関節内旋の減少を示した。(15.2°(SD 9.5°)対9.4°(SD 7.8°))
・大腿寛骨臼インピンジメントのある人はより大きい骨盤の前傾を股関節屈曲時に示した。(12.5°(SD 17.1°)対23.0°(SD 12.4°))
・大腿寛骨臼インピンジメントのある人は、股関節の伸展モーメントの減少を示した。(0.56 Nm / kg対0.45 Nm / kg)
・スクワット課題中のカム程度およびピーク股関節内旋の度合いは、逆相関していた。
私見・明日への臨床アイデア
・股関節のインピンジメントは立ち上がり動作など股関節屈曲を必要とする動作に関わると思われる。インピンジメントを起こさないように、代償動作が見られることが推察される。インピンジメントを起こしている患者を評価する際に、股関節の内旋の可動域や大腿寛骨リズムも見ていく必要性を感じた。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)