vol.219:舌置きバイオフィードバックと足関節の位置覚 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
舌置きバイオフィードバックと足関節の位置覚
Tongue-placed tactile biofeedback suppresses the deleterious effects of muscle fatigue on joint position sense at the ankle.?PubMed Vuillerme N et al.(2007)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・舌と動作の関わりについて興味があり、本論文に至る。
内 容
背景
・足関節の位置感覚は筋疲労によって妨げられるが、舌置き触覚バイオフィードバックを用いる事で、正常な神経-筋状態へ改善されることが示されている。
・舌の電気触覚刺激によるフィードバックが足の位置に関する補足情報を提供し、マッチングしやすくなることが考えられる。
目的
・研究目的は、舌への電気触覚刺激によるフィードバックが、足関節の関節位置覚においての筋疲労の有害な影響を軽減することができるかどうかを調査することであった。
方法
・16名の大学生が参加した。
・能動的な足関節の位置覚のマッチングタスクを筋肉あり/なしの2つの状態で、バイオフィードバックあり/なしで調査を行った。
結果
・No biofeedbackではエラーは筋疲労あり>筋疲労なしであった。これは筋疲労により固有受容感覚がネガティブな方向へ影響を受ける既存の文献と一致する。
・biofeedbackを使用することで筋疲労・筋疲労なしの群共にエラーが著明に減少した。
・biofeedback内ではわずかにエラーは筋疲労あり>筋疲労なしであった。
・biofeed backの利用により、被験者は、足関節の関節位置覚における筋疲労の有害な影響を抑制することができた。
私見・明日への臨床アイデア
・舌は位置情報に関する補足的情報を提供し得る。
・舌に限らず、下肢の体性感覚情報は他からの補足的情報で是正し得る事が推察される。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)