vol.175:乗馬トレーニングと脳卒中者の身体心理機能 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
脳卒中者の身体機能と心理的問題に対する乗馬トレーニングの影響
The influence of horseback riding training on the physical function and psychological problems of stroke patients
?PubMed Dong-Kyu Lee J Phys Ther Sci. 2015 Sep; 27(9): 2739–2741.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・ホースセラピーの記事をネットで見つけ、脳卒中者に対して行われた論文もあるだろうと思い検索した。機器の研究ではあるが、実際の馬との比較もかねて本論文を読むことにした。
内 容
背景・目的
・身体障害のある方に対して乗馬練習が有効だと近年注目され始めている。
・歩行時の骨盤運動と乗馬時のそれが似ていると述べられており、また心理面への効果も報告されている。
・本論文では乗馬が身体心理面にどのような影響をもたらすか検討する。
方法
・30人の脳卒中者を実験群と対照群に分けた。
・両群ともに神経発達的トレーニングを30分間、週5回、6週間行った。
・JOBA (EU7800, Panasonic Inc., Japan)を使用した。
・アウトカムはBerg Balance Scale (BBS) 、the Timed Up and Go Test (TUGT)、Beck
Depression Inventory (BDI 心理面の評価)。
結果
表:実験結果
Dong-Kyu Lee (2015)より引用
・介入群のBBS、TUGT、BDIは対照群に比して有意な改善がみられた。。
私見・明日への臨床アイデア
・機器による乗馬練習は脳卒中者のバランスや歩行、心理面に改善をもたらすことが示唆された。機器の値段はわからないが、デイサービスなどに導入できれば利用者様も楽しく身体機能が向上できるかもしれな。
・機器に乗っている際の骨盤運動が歩行と似ているという報告もあるとのことで、興味深いため別論文を探してみたいと思う。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)