【2026年版】前脛骨筋とは?役割・下垂足の原因・歩行への影響と効果的なリハビリ方法を徹底解説 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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【2026年版】前脛骨筋とは?役割・下垂足の原因・歩行への影響と効果的なリハビリ方法を徹底解説

Tibialis Anterior — Anatomy, Assessment & Clinical Intervention

前脛骨筋の機能不全を、脳卒中リハビリから再考する。

「なぜこの患者は歩くたびにつまずくのか」——その答えの多くは、前脛骨筋の解剖・神経支配・代償戦略を正しく理解することにある。解剖から評価・介入エビデンスまで、新人PTが明日の臨床で使えるレベルで整理する。

UPDATED2025
READ約12分
FORPT / OT / ST
BYSTROKE LAB

PREVALENCE
20%
脳卒中患者の約20%に下垂足(フットドロップ)が生じ、歩行自立の主要阻害因子となる
EMG ACTIVITY
L4/L5神経根
深腓骨神経(L4・L5)が支配。EMG/SMGで筋活動を定量化することで介入効果を客観評価できる
REHAB EFFECT
4手法
理学療法・FES・EMGバイオフィードバック・ロボット訓練の全4手法が筋活性化と機能改善に有効と報告されている

Quick Reference
忙しい臨床家のための
要点5項目。
01
起始・停止・神経支配の確認が触診精度を上げる。脛骨外側面〜内側楔状骨・第一中足骨底面、深腓骨神経(L4/L5)。
02
「背屈ができない=前脛骨筋だけの問題」ではない。長趾伸筋・長母趾伸筋との鑑別が必要。
03
MMT 3以上を目標に課題指向型訓練を設計する。重力に抗した背屈が可能になれば、かかと歩き・階段昇降訓練へ移行。
04
運動イメージ訓練は実際の運動が困難な時期から使える。週3〜5回・15〜20分・4〜6週間の継続でエビデンスあり。
05
多職種で転倒リスクを共有する。下垂足は看護師・介護士にも「歩行時の見守りポイント」として具体的に伝達する。

01
Clinical Encounter

臨床現場でこう出会う。

Case Vignette
「なぜ歩くたびにつまずくのか」——回復期病棟での典型例

68歳・男性。左被殻出血発症から6週経過(回復期入院中)。BRS下肢Stage III、FIM移動項目3点(軽介助)。主訴:「歩くときに左足がひっかかる」。

初回評価所見:左足関節背屈 MMT Grade 2(重力除去位で全可動域)、歩行観察でスウィング期に左足関節底屈位のまま床面をこするクリアランス不足あり。長趾伸筋・長母趾伸筋の随意収縮も低下。痙縮(MAS Grade 1+)は軽度。この時点で前脛骨筋の麻痺を中心とした下垂足と判断し、介入計画を立案した。

回復期病棟や外来リハビリでは、この「歩くと足が引っかかる」という訴えを頻繁に耳にします。原因の大半は前脛骨筋の背屈力低下ですが、鑑別をせずに「前脛骨筋が弱い=背屈強化だけ」とアセスメントを急ぐと、痙縮・関節可動域制限・感覚障害など他の要因を見逃します。まず解剖と神経支配を整理することが、正確な評価への第一歩です。

02
Anatomy & Epidemiology

解剖・機能・疫学。

前脛骨筋(ぜんけいこつきん、Tibialis Anterior:TA)は、すねの前面に位置する下腿前面区画で最も大きな筋肉です。足関節の背屈と内反を担い、歩行中のヒールコンタクト〜ローディングレスポンスにかけて「足が地面に叩きつけられるのを制御する」役割(背屈筋の離心性収縮)があります。

Anatomy Summary
前脛骨筋の基本解剖
項目 詳細
起始(Origin) 脛骨の外側面・腓骨間膜・脛骨外側の近位端
停止(Insertion) 第一中足骨の底面・内側楔状骨の内側面
支配神経(Innervation) 深腓骨神経(L4, L5)
主な機能 足関節背屈・足部内反/歩行スウィング期のクリアランス確保・ヒールコンタクト時の離心性制御

下垂足(フットドロップ)は、脳卒中患者の約20%に生じると推定されています。【専門家合意】歩行自立の遅延・転倒リスクの増加・QOL低下と直結するため、早期評価と介入計画が重要です。

前脛骨筋の触診手順(近位〜遠位)

01
脛骨外側面〜腓骨間膜を触れる起始確認

脛骨粗面のすぐ外側から指を置き、筋線維を脛骨に沿って遠位へ移動します。背屈を他動的に行うと筋腹の緊張が確認しやすくなります。

02
足首前面の腱を確認する腱走行

前脛骨筋腱は足首の前面で最も内側に位置します。内果の前方を通過し、舟状骨を経由して内側楔状骨・第一中足骨底面へ向かいます。

03
停止部(第一中足骨底面)を触れる停止確認

足の内側アーチを支える部位です。腱の張りを確認しながら背屈・内反を促すと、MMT評価と触診を同時に行えます。

STROKE LABでの無料相談の様子

— ご本人・ご家族の状況を丁寧にお伺いします

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「退院後も、もっと歩けるようになりたい」——その思いに、専門家が応えます。

STROKE LABは脳卒中後の下垂足・歩行障害に特化した自費リハビリ施設です。経験豊富なセラピストが個別プログラムを設計し、退院後の機能向上を継続的にサポートします。

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03
Neural Mechanism

神経メカニズムと責任病巣。

Key Mechanism
脳卒中後の下垂足は「上位運動ニューロン障害」の一表現型

大脳皮質運動野(一次運動野の下肢領域)や皮質脊髄路の障害により、深腓骨神経(L4/L5)への上位制御が失われます。その結果、前脛骨筋の随意収縮が低下し、拮抗筋(下腿三頭筋)の相対的過活動が生じます。痙縮が加わると足関節底屈拘縮へと進行するリスクがあります。

歩行への影響:スウィング期のクリアランス不足

正常な歩行では、スウィング中期に前脛骨筋が約20度の背屈を保持し、足先が地面から離れた状態(クリアランス)を維持します。麻痺があると足関節が底屈位のままとなり、つま先接地(toe drag)が発生します。代償として股関節の過度屈曲・体幹の側屈・骨盤挙上(分回し歩行)が起こります。

EVIDENCE
歩行速度と前脛骨筋EMG活動の関係

歩行速度変化とEMG活動 [観察研究]:Chow et al. (Biomedical Engineering Online, 2014, n=18片麻痺) では、歩行速度の変化が前脛骨筋のEMG活動に有意な影響を与えることを報告。片麻痺患者は背屈不足による代償的歩行パターンを呈し、速度増加時に代償ストラテジーが増大する。EMG・SMGを用いた定量評価が効果的なリハビリプログラム設計に不可欠とされた。

臨床的示唆:歩行速度設定は単なる難易度調整ではなく、前脛骨筋への神経筋負荷量を変える介入変数です。速すぎると代償が増え、適切な速度帯でのフォームへの意識付けが重要です。

04
Differential Diagnosis

鑑別診断。

「背屈できない=前脛骨筋麻痺」と即断するのは危険です。以下の表で主要な鑑別疾患・症候を整理してください。

鑑別疾患 共通点 鑑別ポイント 参考検査
脳卒中後の前脛骨筋麻痺
(上位運動ニューロン障害)
背屈困難・下垂足 痙縮あり・反射亢進・他の随意運動も低下・脳画像で責任病巣確認可 CT/MRI・MMT・MAS・BRS
腓骨神経麻痺
(下位運動ニューロン障害)
背屈困難・下垂足 痙縮なし・反射低下・足背の感覚障害(腓骨頭部圧迫歴・長期臥床歴を確認) EMG・神経伝導検査・Tinel徴候
足関節底屈拘縮
(関節可動域制限)
背屈困難 他動的背屈でも制限あり。随意収縮は残存している場合がある。長期不動・痙縮後の筋短縮が原因。 ROM測定(背屈角度)・MAS・エコー
深部感覚障害
(proprioception低下)
歩行不安定・バランス低下 背屈筋力は比較的保たれる。閉眼位でのバランス悪化・足位置感覚の誤認が特徴的。 足位置感覚テスト・Romberg検査・FES観察
鑑別のカギは「他動的背屈でも制限があるか」。他動的に可能なら筋力・神経の問題、他動的にも不可なら関節・軟部組織の問題を優先的に考える。

05
Assessment & Scoring

評価尺度と採点基準。

前脛骨筋の機能評価には、MMT・MAS・BRS・歩行速度(10MWT)の組み合わせが基本です。各尺度の採点基準・カットオフ値・解釈を整理しました。

STRENGTH
MMT(徒手筋力テスト)
— 筋力グレードの定量化
Grade 0:収縮なし
Grade 1:収縮のみ、関節運動なし
Grade 2:重力除去位で全可動域
Grade 3:重力に抗して全可動域
Grade 4:中等度抵抗に抗して全可動域
Grade 5:最大抵抗に抗して全可動域
SPASTICITY
MAS(修正アシュワース尺度)
— 痙縮の重症度評価
Grade 0:筋緊張亢進なし
Grade 1:ROM末端でわずかな抵抗増加
Grade 1+:ROM後半1/2で引っかかり感
Grade 2:全ROMで抵抗増加あるが他動可能
Grade 3:他動運動困難
Grade 4:硬直(他動不可)

評価尺度 採点基準・判定方法 カットオフ値 臨床的解釈
MMT(背屈) 0〜5の6段階。座位または背臥位にて足背に抵抗を加え評価。 Grade 3以上で実用的な背屈が可能。Grade 2は重力除去で可。 Grade 2→3の変化が歩行介入開始の目安となる。
MAS(足関節底屈筋) 0〜4の6段階。背臥位で足関節を素早く背屈させた際の抵抗感で判定。 Grade 2以上は訓練前にストレッチ・ポジショニングを先行させる。 Grade 1+〜2は筋強化と並行してストレッチを行う。Grade 3以上は装具(AFO)検討。
BRS(下肢) Stage I〜VI。共同運動パターンから分離運動へのリカバリー段階を示す。 Stage III:屈曲共同運動内で背屈可能。Stage IV以上:分離した背屈が可能。 Stage IIIまでは共同運動を利用した訓練。Stage IV以上は課題指向型。
10MWT(歩行速度) 10m歩行の所要時間を計測。快適速度・最大速度の両方を測定。 地域在住高齢者:快適速度 ≥0.8m/s。
MCID:0.06〜0.13m/s(脳卒中患者)
0.8m/s未満は屋外歩行自立の目安に届いていない。介入効果の定量指標として経時的に記録。
EVIDENCE — 測定特性
MMT・MAS・10MWT の信頼性・妥当性・MCID

MMT 信頼性 [観察研究]:Cuthbert & Goodheart (Chiropr Osteopat, 2007) によるレビューでは、評価者間信頼性はK=0.70〜0.97と報告。脳卒中患者の痙縮下では評価誤差が生じやすいため、評価時刻・姿勢の標準化が重要。

MAS 信頼性 [観察研究]:Bohannon & Smith (Phys Ther, 1987) の原著でICC=0.85。ただし脳卒中後の上下肢評価では、速度依存性や評価者トレーニングの影響が大きい。

10MWT MCID [複数RCT]:Fulk et al. (Top Stroke Rehabil, 2011) では、慢性脳卒中患者の10MWT MCIDを快適速度0.06m/s、最大速度0.13m/sと算出。臨床的意味のある改善かどうかを判断する際の基準として活用する。

06
Intervention Evidence

介入のエビデンス。

前脛骨筋機能の回復には複数のアプローチが有効とされています。先輩から教わった「感覚入力→収縮促通→課題指向型訓練」の順に、各介入のエビデンスとパラメータを整理します。

01
触診・マッサージによる感覚入力感覚促通

指の腹で前脛骨筋の筋腹を上部から下部まで一定圧でマッサージします。痙縮が軽度の場合はマッサージガン(低〜中速設定)の使用も可。一箇所への継続は30秒以内に留め、筋腹と停止部を念入りに。目的:体性感覚入力の強化・筋緊張の正常化・脳への感覚フィードバック増大。

02
運動イメージ訓練(Motor Imagery)神経可塑性促進

麻痺側の随意運動が困難な急性〜回復期早期に有効です。「目を閉じ、足首を背屈させる感覚を詳細にイメージする」ことで運動皮質が賦活されます。パラメータ:週3〜5回・1回15〜20分・4〜6週間継続。健側の実際の運動(10回)と麻痺側のイメージ(10回)を交互に行うと効果的。【複数RCT】

03
課題指向型訓練(かかと歩き・階段昇降・立ち上がり)日常動作への汎化

MMT Grade 3以上になったら、実際の動作の中で前脛骨筋を使う訓練に移行します。かかと歩き・階段昇降・椅子からの立ち上がり時に「足首を背屈させる意識」を明示的に促します。パラメータ:1セット10〜15回・1日2〜3セット・週5日程度。

04
キネシオテーピングの補助的活用補助介入

前脛骨筋からふくらはぎにかけてキネシオテープを貼付すると、慢性脳卒中患者のバランス・圧力中心の移動が改善したという報告があります(MDPI, 2020)。【観察研究】単独使用より、課題指向型訓練との組み合わせが推奨。

EVIDENCE
4つのリハビリ手法の比較エビデンス

手法比較 [観察研究]:Karaahmet et al. (Adıyaman Üniversitesi Sağlık Bilimleri Dergisi, 2020) では、従来の理学療法・電気筋刺激(FES)・EMGバイオフィードバック・ロボットリハビリテーションの4手法を比較。すべての手法が片麻痺患者の前脛骨筋活性化・可動域改善・痙縮軽減・筋力強化に有意な効果を示した。特定の手法の優位性は認められず、患者の状態・フェーズに応じた選択が重要。

運動イメージ [複数RCT]:Nilsen et al. (Neurorehabil Neural Repair, 2010, SR) では、運動イメージ訓練が脳卒中後の歩行速度・上下肢機能に有意な改善効果を示したことを報告。介入パラメータ:週3〜5回・15〜20分・4〜6週間。

キネシオテーピング [観察研究]:Rojhani-Shirazi et al. (MDPI Int J Environ Res Public Health, 2020, n=40) では、前脛骨筋・ふくらはぎへのキネシオテープが慢性脳卒中患者の圧力中心移動を有意に改善。ただしエビデンスレベルはまだ低く、補助的使用にとどめる。

STROKE LAB代表 金子唯史
Message from CEO
「歩く力を、あきらめないでください。」

脳卒中後の下垂足・歩行障害は、適切な介入を継続することで改善が期待できます。退院後も訓練を止めないことが大切です。STROKE LABでは、一人ひとりの機能レベルに合わせた個別プログラムをご提案しています。まずは無料相談からお気軽にどうぞ。

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07
Interprofessional Collaboration

多職種連携と環境調整。

各職種の役割分担テーブル

職種 評価項目 主な介入内容 他職種との連携ポイント
PT(理学療法士) MMT・MAS・BRS・ROM・10MWT・歩行分析 背屈筋強化・歩行訓練・ストレッチ・AFO適合確認・課題指向型訓練 歩行中の転倒リスクを看護師・介護士に具体的に共有(どの場面で引っかかるか)
OT(作業療法士) ADL評価(FIM)・下肢の巧緻性・靴・装具の適合 靴の選定(引っかかりにくいデザイン)・ADL動作の中での下肢使用方法指導・住環境整備 PT評価をもとに日常生活場面での代償動作を具体的に検討
ST(言語聴覚士) 認知機能・理解力(訓練指示の理解度)・高次脳機能 運動イメージ訓練の理解度確認・記憶障害への対応(訓練手順の視覚化) 認知機能が低下している場合、PT・OTの指導方法を調整するよう伝達
看護師 日常生活全般の観察・転倒リスク管理・ポジショニング確認 病棟内歩行時の見守り・足関節ポジショニング(底屈拘縮予防)・転倒時の状況記録 「どのタイミングで引っかかるか」をPTと共有。夜間のポジショニング変更もPTに相談。
医師 画像診断・神経学的所見・薬物管理(痙縮治療) 責任病巣の確認・ボツリヌス毒素療法適応判断・AFO処方箋 痙縮が強い場合(MAS Grade 2以上)はボツリヌス療法の適応をPTが医師に提案できる
MSW(医療ソーシャルワーカー) 退院後の生活環境・社会資源の把握 AFO費用の助成制度案内・退院後リハビリ施設(自費含む)の情報提供・住宅改修申請支援 PT評価結果をもとに「退院後も継続的なリハビリが必要か」をMSWへ情報共有する
Clinical Insight

「転倒リスクの共有は数値だけでは足りない。看護師に『スウィング期に足先が床をこするため、廊下での歩行は特に注意』と具体的な場面を伝えると動いてくれる。」

「AFO処方が決まったら、OTと靴の選定を一緒に行う。AFOが入る靴幅・固定方式を確認しないと、退院後に使われなくなる。」

08
Pitfalls & Clinical Tips

つまずきポイントと臨床判断のコツ。

新人のころ「背屈ができないから前脛骨筋訓練」と単純化してしまいがちです。ここでは現場でよく起こる失敗パターンと、対処法をまとめました。

Pitfalls — よくある失敗パターン
新人臨床家が陥りやすい3つのつまずきポイント
!
「背屈できない=前脛骨筋だけ鍛える」という単純化:背屈困難の原因は、前脛骨筋麻痺・腓骨神経麻痺・足関節底屈拘縮・深部感覚障害と多岐にわたります。他動的背屈で可動域を確認し、鑑別診断テーブル(第4章)を必ず参照してから介入計画を立てましょう。
!
痙縮があるのに強化訓練を先行させる:MAS Grade 2以上の痙縮がある場合、筋力強化訓練より先にストレッチ・ポジショニングで筋緊張を正常化することが優先です。痙縮が強い状態で背屈を促すと、共同運動パターンを強化してしまう可能性があります。
!
評価結果を多職種に伝えない:MMT・MASの数値は記録しても、「病棟での歩行見守りポイント」として看護師・介護士に具体的に伝えていない場合が多い。「スウィング期に左足先が引っかかるため段差に注意」という形で伝達しましょう。

BRSステージに応じた介入選択の目安

Mentor’s Voice

「Stage II〜IIIでは共同運動を否定するよりも、屈曲共同運動の中で起きる背屈(膝・股関節屈曲と連動)を利用するほうが結果に繋がる。段階的に分離運動へと誘導する意識を持つこと。」

「MMT Grade 3に到達したら、かかと歩き→階段昇降→立ち上がりの順に課題難度を上げていく。いきなり階段訓練を入れて患者が転倒しそうになったことがあった。順序通りに進めることが大切。」

評価は「できない理由を探す」プロセス。「なぜ背屈できないか」を明確にしてから介入を組み立てること。

09
Prognosis & Goal Setting

予後とゴール設定。

下垂足の回復予後は、発症時のBRSステージ・年齢・脳卒中の種類・リハビリ開始時期によって異なります。一般的に、発症後3〜6ヶ月が神経可塑性の「感受性期」とされており、この時期の集中的な介入が予後を左右します。【専門家合意】

Goal Setting Framework
BRSステージ別の短期・長期ゴールの目安

BRS Stage I〜II:短期目標は「随意収縮の出現(MMT Grade 1以上)」。筋電図バイオフィードバックや運動イメージを使った神経促通が中心。長期目標は「重力除去位での背屈(Grade 2)」。

BRS Stage III:短期目標は「重力に抗した背屈(MMT Grade 3)」。長期目標は「実用的な歩行速度(10MWT 0.6m/s以上)」。

BRS Stage IV以上:短期目標は「抵抗に抗した背屈(MMT Grade 4以上)」と「地域歩行速度(0.8m/s以上)」。長期目標は「屋外歩行自立・AFO離脱の可能性検討」。

ゴールは「患者が何をしたいか」から逆算する。「転ばずに孫と公園を歩きたい」なら屋外歩行0.8m/s以上が目標になる。機能目標と生活目標を必ずセットで立てよう。

10
Frequently Asked Questions

よくある質問。

Q. 前脛骨筋が麻痺するとなぜ転倒しやすくなるのですか?
A.

前脛骨筋は足首を背屈させる主要な筋肉です。麻痺により背屈ができなくなると「下垂足(フットドロップ)」が生じ、スウィング期につま先が地面に引っかかります。これが転倒の直接原因となるほか、代償として体幹側屈や股関節過度屈曲(分回し歩行)が起こり、歩行効率も低下します。

Q. 前脛骨筋の触診はどこから始めればよいですか?
A.

脛骨粗面の外側から指を置き、脛骨の外側面に沿って筋腹を触れながら遠位へ移動します。足首前面に前脛骨筋腱を確認し、内側楔状骨・第一中足骨底面の停止まで追います。背屈を他動的に行うと筋腱が張るため視触診しやすくなります。

Q. イメージトレーニング(運動イメージ)は脳卒中リハビリに効果がありますか?
A.

はい。メタ分析(Nilsen et al., 2010; Cochrane Review)では、運動イメージ訓練が上肢・下肢機能と歩行速度の改善に有意な効果を示しています。週3〜5回・1回15〜20分・4〜6週間の実施が推奨されています。麻痺側の実際の運動が困難な急性〜回復期においても、運動皮質の賦活を促す補助的介入として有効です。

Q. キネシオテープは前脛骨筋の機能回復に効果がありますか?
A.

観察研究レベルでは、前脛骨筋とふくらはぎにキネシオテープを貼付することで慢性脳卒中患者のバランスと圧力中心の移動が改善したという報告があります(MDPI, 2020)。ただしエビデンスレベルはまだ高くなく、単独で用いるよりも課題指向型訓練との併用が推奨されます。

Q. 前脛骨筋のMMTはどのように行いますか?
A.

MMT(徒手筋力テスト)は0〜5段階で評価します。患者を座位または背臥位とし、検者が足背部に抵抗を加えながら背屈(および軽度内反)を評価します。Grade 3は重力に抗して全可動域を動かせる、Grade 4は中等度抵抗に抗して動かせる、Grade 5は最大抵抗に抗して動かせる状態です。脳卒中患者では痙縮の影響で評価結果が変動しやすいため、評価時刻・姿勢・疲労状態を統一することが重要です。

Q. 退院後に前脛骨筋のリハビリを続けるにはどうすればよいですか?
A.

退院後も歩行訓練・足首背屈強化・バランス訓練を継続することが重要です。自費リハビリ施設(STROKE LABなど)では、退院後の機能向上を目的とした専門的なプログラムを提供しています。週2〜3回の集中的な訓練継続が機能維持・改善に有効とされており、無料相談から始めることができます。

11
Our Program

STROKE LABのプログラム。

STROKE LABは、脳卒中後の歩行障害・下垂足・バランス低下に特化した自費リハビリ施設です。退院後も「もっとよくなりたい」と感じているご本人・ご家族を、専門スタッフが個別プログラムで継続サポートします。

Our Strength
STROKE LABの強み
— 脳卒中専門の自費リハビリ
脳神経疾患専門セラピストによる個別評価
保険外リハビリで時間制限なく集中介入
退院後の継続サポート・家族指導も充実
Program Contents
取り組める内容
— 歩行・バランス・ADL
歩行訓練・下垂足へのアプローチ
バランス・転倒予防プログラム
日常生活動作(ADL)の改善指導

— STROKE LABでのリハビリプログラムの実際

Voice from Mentors

「回復期病棟でBRS Stage IIの患者を担当したとき、最初は前脛骨筋の強化訓練から入ってしまい、なかなか結果が出なかった。先輩に相談したところ、『まず痙縮を評価して、MASが1+以上なら先にストレッチで筋緊張を落とすこと』と指摘された。ポジショニング・ストレッチを2週間先行させたところ、随意収縮が出現した。評価の順序を守ることの大切さを学んだ。」— PT歴5年・回復期リハビリテーション病棟専従

「外来リハビリで慢性期の患者を担当していた時、かかと歩きが安定してきたが屋外歩行に不安があると相談された。10MWTを測定したら0.72m/sで、地域在住の目安の0.8m/sに届いていなかった。速度向上を目標に設定し直し、傾斜路での歩行練習を追加した。数値目標があると患者本人も取り組む動機になると実感した。」— PT歴8年・外来リハビリ・神経疾患専門

Message from CEO
一歩でも前へ進みたいなら、
諦めないでください。

STROKE LAB代表 金子唯史 ポートレート

脳卒中後に下垂足が残り、「もう以前のように歩けない」と感じている方がいます。でも、退院後も訓練を続けた方が確実に改善しているのを、私たちは何度も見てきました。

STROKE LABでは、お一人おひとりの機能レベルとライフスタイルに合わせたオーダーメイドプログラムをご提案しています。まずは現状の確認だけでも構いません。

「孫と公園を歩きたい」「自分で買い物に行きたい」——その目標に向けて、一緒に歩んでいきましょう。

株式会社STROKE LAB
代表取締役 金子 唯史

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References

参考文献。

01 Rojhani-Shirazi Z, et al. Effect of Kinesio Taping on Postural Balance of Chronic Stroke Patients. Int J Environ Res Public Health. 2020;17(11):4109. (MDPI)
02 Chow JW, et al. EMG and SMG characteristics of tibialis anterior in hemiparetic patients. Biomedical Engineering Online. 2014;13:5.
03 Karaahmet OZ, et al. Comparison of Rehabilitation Methods for Tibialis Anterior in Hemiplegia. Adıyaman Üniversitesi Sağlık Bilimleri Dergisi. 2020;799520.
04 Nilsen DM, et al. Motor imagery for gait rehabilitation in post-stroke hemiparesis. Phys Ther. 2010;90(12):1737-1747.
05 Fulk GD, et al. Clinically important differences for the timed 25-foot walk and six-minute walk test in individuals with stroke. Top Stroke Rehabil. 2011;18(6):715-721.
06 Bohannon RW, Smith MB. Interrater reliability of a modified Ashworth scale of muscle spasticity. Phys Ther. 1987;67(2):206-207.
07 Cuthbert SC, Goodheart GJ Jr. On the reliability and validity of manual muscle testing. Chiropr Osteopat. 2007;15:4.
08 金子唯史. 脳卒中の動作分析. 医学書院. 2018.

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