【2026年版】脳卒中の評価法SIASとは?評価項目・評価表・カットオフ・使い方を徹底解説
SIAS22項目の採点で、迷わないための完全ガイド。
脳卒中患者の運動・感覚・体幹・言語・非麻痺側機能を76点満点で定量化するSIAS。22項目の採点基準から責任病巣、介入戦略まで、新人PT/OT/STが臨床で迷わないための実践ガイドです。
— SIAS(脳卒中機能評価法)の実施方法を動画で確認できます。
要点5項目。
臨床現場でこう出会う。
石川さん・56歳・男性。右内包後脚脳梗塞、発症後6ヶ月(生活期)。左片麻痺(右利き)で自宅退院後にSTROKE LABを受診。主訴は「左手がまだ動かない」「夜間暗い場所でよくふらつく」「会話の言葉がたまに出にくい」の3点でした。
初回SIAS評価は合計57/76点。歩行は自立していたため一見軽症に見えましたが、内訳を見ると上肢遠位(手指)が1A、下肢位置覚が2点と低下しており、「歩けている」という表面的な情報だけでは見抜けない課題が隠れていました。
新人のうちは、Brunnstromステージや徒手筋力テストだけで機能を判断しがちです。しかし脳卒中後の障害は運動機能だけにとどまらず、感覚・体幹・視空間認知・言語・非麻痺側機能まで多岐にわたります。石川さんのケースのように「歩けているのに夜間だけふらつく」原因は、運動機能の評価だけでは見つかりません。
こうした見落としを防ぐために生まれたのが、9領域・22項目・76点満点で機能障害を包括的に定量化するSIAS(脳卒中機能評価法)です。本記事では、開発背景から全22項目の採点基準、責任病巣、介入戦略、多職種連携、つまずきポイントまで、先輩から後輩への引き継ぎのつもりで解説します。
SIASとは何か ― 定義と開発背景。
SIAS(Stroke Impairment Assessment Set:脳卒中機能評価法)は、千野直一・出江紳一ら慶應義塾大学リハビリテーション科グループが1993年に開発した、脳卒中後の機能障害を9領域・22項目・76点満点で定量評価する包括的評価ツールです(Chino N, et al. Am J Phys Med Rehabil. 1994;千野直一ら. 日本リハビリテーション医学会誌. 1994)。運動機能だけでなく感覚・体幹・視空間認知・言語・非麻痺側機能を約10分で一度に評価でき、急性期ベッドサイドから生活期まで一貫した機能モニタリングが可能です。
1990年代以前の脳卒中評価は「FIMなどのADL評価」と「Brunnstromステージのような運動機能単独評価」に二極化しており、どの機能障害がADL制限の主因かを一つのツールで特定することが困難でした。開発者らは「脳卒中は運動機能だけが障害されるわけではない」という臨床事実に立脚し、身体機能障害の全領域を一度に・定量的に・短時間で評価することを目的にSIASを設計しました。
SIASの3つの特徴
運動・筋緊張・腱反射・感覚・関節可動域・疼痛・体幹・高次脳機能・非麻痺側機能を1つのツールで評価できます。
専門器具を要さず約10分で完了するため、急性期ベッドサイドでも実施しやすい設計になっています。
サブカテゴリーにより、同一Brunnstromステージ内の患者を3〜4レベルに細分化でき、微細な回復を検出できます。
— ご本人・ご家族の状況を丁寧にお伺いします
STROKE LABでは脳神経科学に基づく評価と、SIASのような包括的評価から見えてくる残存課題への個別アプローチを行っています。まずは無料相談で今の状態をお聞かせください。
なぜこの評価が必要か ― 神経学的背景。
運動機能項目(1〜5)は主に皮質脊髄路(錐体路)の機能を反映し、特に手指の個別伸展(項目2)は直接路の機能を最もよく表します。感覚項目(10〜13)は後索路(薄束・楔状束)を、体幹の垂直性テスト(項目17)は前庭・視覚・体性感覚の統合機能を反映します。視空間認知(項目19)は主に非優位半球(多くは右)頭頂葉の機能低下を、言語(項目20)は優位半球の前頭葉・側頭葉言語野の障害を反映します。
Brunnstromステージでは見えない回復を捉える
Brunnstromステージは同一ステージ内に留まる患者の回復を捉えにくいという限界があります。SIASは1A・1B・1Cのサブカテゴリーにより、同一BRSステージの患者を3〜4つの異なるレベルに細分化できることが示されており(Chino et al., 1994)、回復の微細な変化検出に優れています。
Chino et al.(1994)[観察研究]:Am J Phys Med Rehabil誌に発表された原著において、SIAS運動機能項目の評価者間信頼性はKappa統計量0.83〜0.95・Spearman相関係数0.84〜0.93という高い値が報告されました。同時に運動サブスコアはBrunnstromステージ・Motricity Indexと高い相関(Spearman r=0.76〜0.95)を示し、同時妥当性が確認されています。
類似所見との鑑別ポイント。
SIASは診断ツールではありませんが、各項目で低スコアが出た際に「何が起きているのか」を鑑別できないと、介入方針を誤ります。臨床で混同しやすい4つのパターンを整理します。
| 鑑別疾患 | 共通点 | 鑑別ポイント | 参考検査 |
|---|---|---|---|
| Pusher症候群 | 半側空間無視と併存しやすく座位姿勢が崩れる | 垂直性テスト(項目17)で「指示にても修正されない」1点かどうかで重症度を鑑別 | SCP(Scale for Contraversive Pushing) |
| 視床痛(中枢性疼痛) | 肩手症候群と同様に麻痺側の疼痛を訴える | 「何もしていないのに熱い・しびれる」という自発痛が特徴。通常の鎮痛薬が効きにくい | 疼痛項目(16)+問診・画像所見 |
| 弛緩性麻痺(1B) | 末梢神経障害・脊髄ショックと同様に筋緊張低下を示す | 中枢性は急性期に多く経時的に痙縮(1A)へ移行する傾向。末梢性は移行しにくい | 腱反射項目(8・9)の経時変化 |
| 構音障害 | 失語症と同様に会話がスムーズでなくなる | 言語内容の理解・表出が保たれているかで鑑別。SIAS項目20は失語症のみが対象で構音障害は含めない | ST(言語聴覚士)による詳細評価(SLTA・WAB) |
22項目の採点基準とカットオフ値。
各項目は高得点=軽度または正常、0点=全く機能しない・評価不能で採点します。運動機能5項目(1〜5)は0〜5点の6段階、残り17項目は0〜3点の4段階です。1A・1Bなどのサブカテゴリーはスコア計算上すべて1点ですが、障害パターンの記録として重要です。
領域①〜⑨・22項目 完全網羅
| 項目 | 採点基準 | カットオフ値/配点 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| 1. 上肢近位(knee-mouth) | 5:健側同様 4:軽度ぎこちなさ 3:中等度〜著明だが可能 2:共同運動あるが口に届かず 1:肩わずかな動きのみ 0:動かず | 0〜5点 | 肩肘協調運動。3〜5点基準は運動項目1〜5共通 |
| 2. 上肢遠位(手指)※1A/1B/1C | 5〜3点は同基準。1A:集団屈曲のみ 1B:集団伸展可 1C:分離運動一部可 0:動かず | 0〜5点 | 皮質脊髄路(直接路)機能の指標 |
| 3. 下肢近位・股(hip-flexion) | 2点=足部が床から離れるが不十分/1点=大腿にわずかな動きのみ | 0〜5点 | 腸腰筋随意収縮。歩行開始判断に重要 |
| 4. 下肢近位・膝(knee-extension) | 2点=伸展運動あるが足部離床不十分/1点=下腿にわずかな動きのみ | 0〜5点 | 大腿四頭筋随意収縮。膝折れ予防に直結 |
| 5. 下肢遠位(foot-pat) | 2点=背屈運動あるが離床不十分/1点=わずかな背屈のみ | 0〜5点 | 足関節反復運動。AFO適応判断に活用 |
| 6. 上肢筋緊張 ※1A/1B | 3:正常 2:軽度亢進 1A:中等度亢進/1B:低下(弛緩) 0:著明亢進(強直) | 0〜3点 | 痙縮か弛緩かでアプローチが真逆になる |
| 7. 下肢筋緊張 ※1A/1B | 上肢と同基準(膝関節で評価) | 0〜3点 | 下腿三頭筋痙縮は尖足歩行の直接原因 |
| 8. 上肢腱反射 ※1A/1B | 3:正常 2:軽度亢進 1A:中等度亢進/1B:消失 0:著明亢進・clonus | 0〜3点 | 急性期は消失側、回復期は亢進側に多い |
| 9. 下肢腱反射 ※1A/1B | 上肢と同基準。1Aはunsustained clonusを含む | 0〜3点 | 足クローヌス(0点)は痙縮治療適応サイン |
| 10. 上肢触覚(手掌) | 3:正常 2:軽度/主観的低下 1:中等度〜重度低下 0:強刺激も不明 | 0〜3点 | 手指巧緻動作回復の制限因子 |
| 11. 下肢触覚(足底) | 上肢触覚と同基準 | 0〜3点 | 接地感覚・不整地歩行安定性に関与 |
| 12. 上肢位置覚(母指/示指) | 3:ROM1割未満で分かる 2:1割以上 1:全可動域 0:分からず | ROM1割基準 | リーチング動作回復の最大制限因子 |
| 13. 下肢位置覚(母趾) | 3:ROM5割未満で分かる 2:5割以上 1:全可動域 0:分からず | ROM5割基準(上肢と異なる) | 暗所・不整地歩行のふらつきに直結 |
| 14. 上肢ROM(肩外転) | 3:150°以上 2:90〜150° 1:60〜90° 0:60°未満 | 角度基準 | 肩手症候群早期サイン。痙縮vs拘縮を鑑別 |
| 15. 下肢ROM(足背屈) | 3:10°以上 2:0〜10° 1:−10〜0° 0:−10°未満 | 角度基準 | 尖足歩行・つまずき転倒の直接原因 |
| 16. 疼痛 | 3:問題なし 2:治療不要な軽度 1:中等度 0:睡眠を妨げる著しい疼痛 | 0〜3点 | 脳卒中由来のみ対象。整形外科的疼痛は除外 |
| 17. 垂直性テスト | 3:正常保持 2:15°以上傾斜だが指示で修正可 1:修正されず介助要 0:座位不能 | 15°傾斜が分岐点 | Pusher症候群の中核指標 |
| 18. 腹筋テスト | 3:強い抵抗に抗し可 2:軽度抵抗に抗し可 1:抵抗なしで可 0:起き上がれず | MMT準拠 | 座位バランス・移乗・立脚期骨盤制御に直結 |
| 19. 視空間認知(線分二等分) | 3:ずれ3cm未満 2:3〜5cm未満 1:5〜15cm未満 0:15cm以上 | 50cmテープ使用 | 健側方向ずれ大=重度半側空間無視 |
| 20. 言語機能 ※1A/1B | 3:失語なし 2:軽度失語 1A:重度感覚性/1B:重度運動性 0:全失語 | 0〜3点 | 構音障害は含めない。ST紹介判断に活用 |
| 21. 健側握力 | 3:25kg以上 2:10〜25kg未満 1:0〜10kg以下 0:0kg | kg基準(性別区分なし) | 全身性廃用・サルコペニア進行のサイン |
| 22. 健側四頭筋力 | 3:正常 2:わずか低下 1:中等度低下 0:重力に抗せず | MMT準拠 | 立ち上がり・歩行の主動力。転倒リスクと関連 |
信頼性[観察研究]:Chino N, et al.(Am J Phys Med Rehabil. 1994;73(6):383-392)にて評価者間Kappa係数0.83〜0.95、評価者間Spearman相関0.84〜0.93が報告されています。
妥当性[観察研究]:SIAS総スコアとFIM総スコアの相関はr=0.72〜0.85(複数研究の範囲)。運動サブスコアとBRS・Motricity Indexとの相関はr=0.76〜0.95です。
MCID(臨床的最小変化量)[専門家合意]:SIAS全体・各サブスコアについて確立されたMCID値は現時点で広く合意された報告がありません。単一の絶対値ではなく経時的なスコア変化を個々の患者の文脈で解釈することが推奨されます。
重症度の目安(カットオフ値)
この重症度分類はあくまで臨床的な目安です。SIASの単一の公式カットオフ値は定められておらず、病型・年齢・発症前機能・合併症・評価時期によって大きく異なります。最も重要なのは経時的なスコア変化の追跡です。
スコアに基づく介入戦略とエビデンス。
SIASの9領域はそのまま介入戦略の切り口になります。ここでは臨床頻度の高い4領域について、パラメータ(時間・回数・頻度・強度)を明示して整理します。
課題指向型トレーニング・神経筋電気刺激(NMES)・鏡療法が有効です。上肢機能に対するCI療法は、1日6時間・週5日・2週間の麻痺側集中使用を組み合わせたプロトコルで機能改善が報告されています(Wolf SL, et al. JAMA. 2006;296(17):2095-2104/EXCITE trial)。手指1A(集団屈曲のみ)は1B→1Cへの段階的移行を目標に設定します。

痙縮(1A・2点)にはポジショニング・持続ストレッチ(1回20〜30分・1日複数回)・ボツリヌス毒素注射の医師連携を検討します。弛緩性麻痺(1B)にはNMES・感覚入力促通を優先します。同じ1点でもアプローチが真逆になるため、サブカテゴリーの記録が介入選択に直結します。
感覚再教育・閉眼下での関節位置再現訓練・体性感覚フィードバック訓練が有効です。触覚(10・11)と位置覚(12・13)でアプローチが異なるため、どちらのスコアが低いかを必ず確認します。1回15〜20分・週3〜5回の頻度が目安として報告されています。

段階的座位バランス訓練・コアスタビライゼーションを1回20分・週3〜5回で実施します。Pusher症候群(垂直性1点)には視覚フィードバック(鏡・カメラモニター)を用いた正中線定位の再教育を優先し、「麻痺側へ体重をかけさせる」通常のアプローチでは効果が限られる点に注意してください。

健側機能低下(項目21〜22)[専門家合意]:早期離床・漸進的筋力トレーニング(週2〜3回・8〜12回×2〜3セット)・栄養管理を組み合わせます。握力0〜1点は重篤な廃用・低栄養のサインとして栄養サポートチーム(NST)と連携してください(サルコペニア診断基準:Cruz-Jentoft AJ, et al. Age Ageing. 2019;48(1):16-31)。
視空間認知・言語障害(項目19〜20)[専門家合意]:視空間認知には環境調整(ベッドの向き変更・家族への指導)と視覚走査訓練を、失語症にはST(言語聴覚士)による集中的言語訓練・AAC導入・家族への心理教育を実施します。1Aの重度感覚性失語と1Bの重度運動性失語ではアプローチが異なるため、サブカテゴリーをSTへ共有してください。

SIASのようなツールでどこに課題があるかを特定した後、実際にどう変えるかがリハビリの本質です。STROKE LABでは評価から介入までを一貫して設計しています。まずは無料相談でお話をお聞かせください。
多職種連携と環境調整。
SIASスコアはチームの共通言語になる
SIASは1つのツールで9領域を評価するからこそ、PT・OT・ST・看護師・医師・MSWが同じ数字を見ながら議論できます。特に1A/1B/1Cのサブカテゴリーは、他職種への申し送りで「何が起きているか」を短く正確に伝える共通言語として機能します。
「手指テストが1Aなんです」だけでは伝わりません。「集団屈曲のみで分離運動は出ていません」まで言い換えて申し送ると、他職種は次に何をすべきか判断できます。
垂直性テストが1点の患者は、看護師のポジショニングやOTの座位保持練習の方針にも直結します。SIASのサブスコアはカルテの数字ではなく、チームへのメッセージです。
| 職種 | 評価項目 | 主な介入内容 | 連携ポイント |
|---|---|---|---|
| PT | 下肢運動・筋緊張・ROM・体幹・非麻痺側 | 歩行練習・立位バランス・体幹トレーニング | 位置覚低下をOT・看護師へ共有し転倒予防に反映 |
| OT | 上肢運動・感覚・視空間認知 | 手指分離運動訓練・ADL訓練・半側空間無視への環境調整 | サブカテゴリー1A→1Cの推移をPTと共有し訓練難度を調整 |
| ST | 言語機能(項目20) | 失語症の詳細評価(SLTA・WAB)・言語訓練・AAC導入 | 1A/1Bのサブカテゴリーを受けて評価優先度を決定 |
| 看護師 | 疼痛・垂直性・全身状態 | ポジショニング・生活場面での見守り・疼痛管理 | Pusher所見をリハビリ職と共有し生活場面での対応を統一 |
| 医師 | 疼痛・筋緊張・全体像 | ボツリヌス毒素注射・鎮痛薬調整・全身管理 | 筋緊張1A(亢進)のスコアを根拠に治療適応を相談 |
| MSW | 総合スコア・重症度分類 | 退院先の調整・介護保険サービスの提案 | 重症度分類(軽度〜重度)を退院先検討の材料として共有 |
新人が陥りやすいつまずきポイント。
SIASは配点の方向性さえ理解すれば難しくありません。ただし新人のうちは以下の3点でつまずきやすいので、先に知っておいてください。
失語症患者への対応で立ち止まらないために
「言語指示が伝わらない患者では、ジェスチャーや実演で動作を視覚的に示し、身体的ガイダンスで軽く誘導してあげてください。」
「どうしても実施できない項目は無理に0点を付けず、評価困難と記録すること。0点は『動きなし・感覚消失・全失語症』を意味するので、実施できなかったことと本当に0点であることは区別してください。」
予後予測とゴール設定への活用。
発症初期(2〜4週)のSIAS総スコア・サブスコアは、退院時FIMスコア・歩行自立・転帰先(自宅か施設か)を予測する材料として複数の研究で報告されています[観察研究]。特に「下肢近位(股)テスト≧3点かつ体幹(垂直性または腹筋)≧2点」の組み合わせは歩行自立の有力な予測パターンとして知られています。
「総合点を上げる」ではなく「手指テストを1Aから1Cへ」「下肢位置覚を1点から2点へ」のようにサブスコア単位で具体的なゴールを設定すると、患者にも進捗が伝わりやすくなります。転帰予測にはSIAS単独よりFIM・年齢・発症前ADLと組み合わせた多変量的な判断が精度を高めます。
よくある質問。
SIASは9領域を約10分で包括的に評価し、体幹・感覚・言語・非麻痺側機能まで含めた総合的な機能把握とチーム共有に向いています。FMAは上下肢の運動機能・感覚を226点満点で精密に評価し、微細な変化を最も鋭敏に捉えられます。日常臨床の包括的モニタリングにはSIAS、上肢機能特化の精密評価にはFMAを組み合わせることが理想的です。
すべてスコア計算上は1点として扱います。サブカテゴリーは1点の中でどのような状態かを臨床的に詳細記録するためのもので、Brunnstromステージでは捉えられない回復経過の追跡に有用です。
急性期ベッドサイドでの実施を想定して設計されており、専門器具も不要なため発症直後から開始できます。意識障害が重度・バイタルサイン不安定・指示理解が全くない場合は実施可能な項目のみ評価し、評価困難と記録して後日再評価してください。
どちらも正常が3点(最高点)で、亢進も低下・消失も3点未満です。0点は極端な亢進のみで、消失・低下は1Bに分類されます。「1A=亢進系、1B=低下・消失系」と対で覚えると混乱しにくくなります。
SIASの言語テストは失語症のみを対象とし、構音障害は含めません。構音障害のみで失語症を合併していなければ言語スコアは3点です。失語症を合併している場合はその重症度で判断し、構音障害自体はSTへ詳細評価を依頼してください。
急性期は1〜2週ごと、回復期は2〜4週ごとが目安です。状態が急速に変化する時期は毎週評価する価値があり、退院前後のフォローアップにも活用できます。評価者間誤差を減らすため同一患者は同一評価者が担当することが推奨されます。
STROKE LABのプログラム。
STROKE LABでは、SIASを単なる点数の記録ツールではなく「どの機能回復に集中すべきかを特定する地図」として活用しています。9領域のサブスコアを可視化し、最も回復可能性が高くADL自立に直結する領域を優先介入ターゲットとして特定。1A/1Bサブカテゴリーも含めた精密なプロファイリングで、脳神経科学に基づくオーダーメイドプログラムを設計します。
リハビリを担当したセラピストの声
「発症9ヶ月の60代男性で、手指テストが1A(集団屈曲のみ)でした。①感覚(上肢触覚)も同時に低下していたため運動単独訓練では伸び悩むと判断し、②感覚再教育と課題指向型の手指訓練を組み合わせて週複数回実施しました。③3ヶ月後には集団伸展(1B相当)まで改善し、食事場面で左手を補助的に使えるようになりました。」— 作業療法士・臨床経験8年・脳卒中リハビリ専門
「70代女性、発症6ヶ月で『歩けているから大丈夫』と言われていた方でした。①SIASを実施したところ下肢位置覚が2点(ROM5割以上でようやく分かる水準)と低下していることが判明。②歩行評価だけでは見えない夜間のふらつきの原因と特定し、閉眼下での母趾位置覚訓練を追加しました。③数週間で夜間歩行時の不安感が軽減し、生活範囲が広がりました。」— 理学療法士・臨床経験12年・バランス評価専門
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諦めないでください。

「歩けているから」「会話ができているから」という表面的な情報だけで、リハビリの可能性を狭めてしまってはいないでしょうか。脳卒中による機能障害は、運動・感覚・体幹・高次脳機能と多岐にわたり、どれか一つでも見落とすと本当の課題にたどり着けません。
私たちSTROKE LABは、SIASのような包括的評価から見えてくる残された可能性に着目し、脳神経科学に基づいたオーダーメイドのリハビリを提供しています。
「これ以上は変わらない」と決めつける前に、一度、私たちにお話を聞かせてください。あなたの、あるいはご家族の可能性を一緒に探します。
代表取締役 金子 唯史
参考文献。

1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024) パーキンソン病の機能促進:医学書院 (2025)