【2025年版】運動イメージ(Motor Imagery)を活用したリハビリの効果とメカニズム!ハンドリング技術向上の応用まで解説
論文を読む前に
1. 運動イメージの基礎知識
田中先生(リハビリテーション医): 「石川さん、今日は運動イメージ(Motor Imagery, MI)について話します。リハビリテーションにおいて、運動イメージは非常に有効な手段です。運動イメージとは、実際に身体を動かさずに、脳内でその動作をイメージすることを指します。これが神経回路にどのように影響し、機能回復に役立つかを理解することが大切です。」
石川さん(療法士): 「なるほど。運動イメージだけでリハビリが効果的になるというのは興味深いです。」
2. 運動イメージの種類
田中先生: 「運動イメージには大きく分けて運動的イメージ(MI)と視覚的イメージ(Visual Imagery, VI)があります。」
1. 運動的イメージ(Motor Imagery, MI)
- 内容: 自分の体内から動作を感じるようにイメージする方法です。たとえば、腕を持ち上げる際の筋肉や関節の動きを頭の中で詳細に再現します。
- 脳科学的メカニズム: MIを行うと、一次運動野(M1)や補足運動野(SMA)などが活性化します。これらの領域は実際の運動でも活性化されるため、神経回路を繰り返し刺激することができ、神経可塑性を促進します。
- 効果: 動作の感覚と協調性が改善され、運動機能の回復が促進されます。
2. 視覚的イメージ(Visual Imagery, VI)
- 内容: 自分の動作を外部から観察するようにイメージします。例えば、鏡で自分の動きを見ているかのように、腕を動かす自分の姿を想像します。
- 脳科学的メカニズム: VIは、頭頂葉や後頭葉が関与する回路を活性化させます。これにより、動作の空間認識やタイミングを改善することができます。
- 効果: 動作の正確性や空間認識を高め、特に運動のタイミングや動作の一貫性を改善します。
石川さん: 「MIとVI、それぞれの効果が異なるんですね。どのように使い分けるのがいいんですか?」
3. 神経回路的メカニズムと運動イメージの効果
運動イメージと一次運動野(M1)の関係
田中先生: 「運動的イメージでは、一次運動野(M1)が直接関与します。実際の運動と同様に、この領域が活性化されるため、神経可塑性を促進し、損傷した脳領域の代償的な回路再編成を支援します。」
- 脳卒中後: M1の損傷がある場合、隣接する運動野が代償的に機能し、運動イメージを繰り返すことで、これらの回路が強化されます。
視覚的イメージとミラーニューロン系
田中先生: 「視覚的イメージでは、ミラーニューロン系が関与します。これは、他者の動作を観察するだけで、自分の脳内でも同様の動作回路が活性化される仕組みです。運動学習や動作の正確性向上に重要な役割を果たします。」
石川さん: 「ミラーニューロン系が関与することで、患者自身が動かなくても神経回路が強化されるんですね。」
4. 運動イメージの具体的なリハビリ手順
1. リラクゼーションと集中
田中先生: 「運動イメージを行う際は、まず患者をリラックスさせ、集中力を高めることが重要です。深呼吸をさせて緊張を和らげることで、脳がイメージに集中しやすくなります。」
2. 運動的イメージの実施
田中先生: 「次に、患者に運動的イメージを行わせます。具体的には、手や足を動かす感覚を頭の中で詳細にイメージさせます。患者には、たとえば腕を持ち上げる際の筋肉の伸縮や関節の動きなどをリアルに感じてもらうように指導します。」
3. 視覚的イメージの実施
田中先生: 「次に、視覚的イメージを使います。患者には、自分の動きを外から観察するようにイメージさせます。例えば、腕を上げる自分を外部から見ているような感覚です。これにより、動作の正確性が向上します。」
4. 実際の動作と組み合わせる
田中先生: 「最後に、運動イメージの後に実際の動作を行わせます。イメージによって活性化された神経回路が、実際の運動でさらに強化されるため、リハビリの効果が高まります。」
5. 論文からのエビデンス
田中先生: 「運動イメージの効果に関しては、多くの研究が行われています。例えば、メタ分析によると、運動イメージは脳卒中患者の上肢機能を改善する効果があり、特に運動イメージと実際の運動を組み合わせることで、その効果がより高まることが示されています。」
まとめ: 運動イメージを活用したリハビリの未来
田中先生: 「運動イメージは、リハビリの現場で非常に有効な手段です。脳卒中患者に対して、適切に運動イメージを導入することで、神経回路の再編成を促進し、運動機能の回復を支援できます。これからのリハビリにおいて、運動イメージの活用はますます重要になってくるでしょう。」
石川さん: 「運動イメージが神経回路に働きかけ、実際の動作にも効果があることがよく分かりました。ありがとうございます、田中先生。」
田中先生: 「引き続き、リハビリの現場で積極的に活用していきましょう。」
論文内容
タイトル
歩行に対する運動イメージの効果とは?
Motor imagery for gait rehabilitation in post-stroke hemiparesis.Dickstein R et al.(2004)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・「運動をイメージする」ということに興味があり、臨床ではどのような手段でどのような効果を得ているのか学びたく、その一助として本論文に至る。
内 容
背景・目的
・先行研究では、脳卒中後の片麻痺患者の上肢機能改善のためのMotor Imagery practice(MI)の貢献を記述している。
・本症例報告の目的は、片麻痺患者の歩行を改善するためのMIの使用を記述することである。
方法
・左片麻痺を有する69歳の男性は、MI歩行練習を6週間受けた。
・介入は、課題指向の歩行および麻痺側下肢の障害に焦点を当てた介入であった。
・膝関節の時間間隔ストライドのパラメータおよび矢状面上の運動学の介入前・中期・介入後およびフォローアップ測定を行った。
スケジュール:
検査(1)MI実施の2週間前(2)最初の練習セッションの1日前 (3)MI実施開始後3週間(中間評価) (4)6週間後(介入後評価)(5)練習終了後6週間(フォローアップ評価)からなる。
・通常の歩行靴でAFOなしで、杖を使用しない歩行でテストが行われました。
結果
・介入後6週間で、患者の歩行速度は23%増加し、double-support timeは13%減少した。
・膝の動きの範囲の増加も観察された。麻痺膝および非麻痺膝の動きの範囲が正味に増加し、フォローアップ時に部分的に維持された。 それにもかかわらず、麻痺側の動きの範囲は、影響を受けていない側と比較して実質的に制限されていた。
・歩行の対称性の変化は認められなかった。
・結果は、MIが脳卒中後の患者の歩行能力の向上に有用であり得ることを示唆している。
・メトロノームを同様に使用することで、ケイデンスを制御したり強化したりすることが容易になりました。このような使用は、将来の研究に推奨されます。
・主な改善点は歩行の時間(速度)、歩幅などの歩行変数および膝の動きであったため、MIは、麻痺側下肢の動作に影響を及ぼすため、歩行中の特定の障害に焦点を合わせるべきであろうと考えられる。
明日への臨床アイデア
運動イメージ(Motor Imagery, MI)は、脳卒中患者のリハビリテーションにおいて効果的な手法の一つです。運動イメージには複数の種類があり、それぞれが異なる神経回路を活性化し、リハビリの目的に応じて異なるアプローチを取ることができます。以下では、運動イメージの種類ごとに具体的なリハビリ手順とそのメカニズムについて説明します。
1. 運動的イメージ(Kinesthetic Motor Imagery, KMI)
定義:
運動を「内部から感じる」ようにイメージすることです。関節や筋肉の動き、力の感覚、そして動作中の身体のフィードバックを頭の中で再現します。
リハビリ手順:
- リラクゼーション: 患者に深呼吸を促し、リラックスした状態でイメージを開始できるように準備します。
- 動作イメージ: 例えば、麻痺した上肢を持ち上げる感覚を詳細にイメージします。筋肉が収縮し、肩関節や肘が動く感覚を想像させます。
- 時間的同調: 実際にその動作を行うのと同じ時間感覚でイメージを行わせます。脳の動作計画領域(補足運動野、SMA)が活性化され、動作準備に必要な神経ネットワークが強化されます。
神経回路的視点:
- 一次運動野(M1): 実際の運動と同様に一次運動野が活性化されるため、神経可塑性が促進されます。
- 補足運動野(SMA): 動作の準備や計画に関わる領域であり、運動の連続性やリズム感を向上させます。
2. 視覚的イメージ(Visual Motor Imagery, VMI)
定義:
自分の動作を外部から観察するようにイメージすることです。自分が動いている姿を、第三者の視点で眺めるように想像します。
リハビリ手順:
- 外部からの観察: 患者に自分が鏡に映っていると想像させ、自分の身体がどのように動いているかを「見る」ように促します。例えば、腕を伸ばしたり、曲げたりする姿を外から眺めるイメージを持たせます。
- 空間認識の強化: 動作の正確性を高めるために、動作の角度や空間的な位置関係を明確にイメージさせます。これにより、空間認識や運動の精度が向上します。
- 複雑な動作の視覚化: 歩行動作などの複雑な動作を、段階的に視覚的に分割しながら練習します。
神経回路的視点:
- 後頭葉: 視覚情報を処理する領域で、動作の視覚的フィードバックが強化されます。
- 頭頂葉: 空間認識を司る領域で、動作の位置関係や空間的な精度が向上します。
3. シンボリックイメージ(Symbolic Motor Imagery)
定義:
運動を具体的なイメージではなく、抽象的なシンボルや概念として頭の中で表現することです。
リハビリ手順:
- シンボルの使用: 患者に特定の動作をシンボルとして表現させます。例えば、腕を伸ばすことを「線」としてイメージし、曲げることを「円」として頭の中で描かせます。
- 抽象的な動作イメージ: 動作を抽象的にイメージさせることで、運動中のフィードバックに頼らずに脳の運動計画ができるようにします。
- イメージの精度向上: 抽象的なイメージを何度も繰り返すことで、運動計画の正確性を高め、実際の動作に移行します。
神経回路的視点:
- 前頭前野(PFC): 抽象的な思考や計画を司る領域で、複雑な運動計画やシンボリックな表現が強化されます。
- 補足運動野(SMA): 動作の計画やタイミングの調整に寄与します。
4. 運動シミュレーションイメージ(Simulated Motor Imagery)
定義:
運動を行う前に、その動作をシミュレーションするようにイメージします。これは、実際に運動を行う前に脳内で動作の試行錯誤を行う方法です。
リハビリ手順:
- 動作のシミュレーション: 例えば、手を伸ばして物を掴む前に、頭の中でその動作を何度か繰り返しシミュレーションさせます。
- 試行錯誤のイメージ: 患者に、動作の途中で失敗した場合のフィードバックを受け取るように促し、シミュレーション内で修正を行わせます。
- 実際の動作へのフィードバック: シミュレーション後、実際の動作を行い、シミュレーションで得たフィードバックを活用します。
神経回路的視点:
- ミラーニューロン系: 動作の観察やシミュレーションに関連し、運動学習に重要な役割を果たします。これにより、実際の動作が行われなくても、神経回路が活性化されます。
- 基底核: 運動の試行錯誤やタイミングの調整を行い、動作のスムーズさを向上させます。
まとめ
運動イメージは、脳卒中後のリハビリにおいて神経可塑性を促進し、損傷した神経回路を再構築するための重要なアプローチです。各種の運動イメージ(運動的イメージ、視覚的イメージ、シンボリックイメージ、運動シミュレーションイメージ)を適切に組み合わせることで、より効果的なリハビリテーションが可能となります。また、各種のイメージが異なる脳領域や神経回路を活性化させ、特定の動作や機能回復を支援します。
療法士が運動イメージを用いて技術を高める方法
運動イメージを利用して、セラピストの技術能力、特にハンドリングスキルを向上させるための訓練方法を、以下に具体的に説明します。ハンドリングは、患者の体を操作し、適切な動作をサポートするためのセラピストの物理的なスキルですが、これを向上させるためには実践とともに、運動イメージの活用が有効です。
1. ミラーニューロン系を活用した視覚学習
目的: 観察を通じて動作の効率的な学習を促進
- 方法: セラピストは他の熟練したセラピストのハンドリング技術を観察し、その動作を詳細に視覚的にイメージします。このプロセスは、脳のミラーニューロン系を活性化し、動作の学習を促進します。
- 実施手順:
- ビデオまたはリアルタイムで、熟練セラピストが行うハンドリングの動作を観察します。関節の動き、力の加え方、動作のタイミングなどに注意を払いながら見ることが重要です。
- 観察後、自分がその動作を行う場面を詳細にイメージします。手の位置や患者の身体に対する接触感など、細部に焦点を当てます。
神経回路的視点:
- ミラーニューロン系: 他者の動作を観察するだけで、自分がその動作を行った時と同様に脳の運動領域が活性化し、動作の学習と再現に貢献します。
2. キネステティック・モーター・イメージ(KMI)を用いた手の感覚訓練
目的: 自分の手の感覚を高め、患者の体への微細なフィードバックを正確に感じ取る
- 方法: セラピストは、患者に接触する際の手の感覚や、どの筋肉がどのように動いているかを内部的にイメージしながら、実際にハンドリングを行う練習をします。
- 実施手順:
- 患者の関節や筋肉を持ち上げたり操作する場面を頭の中でイメージしながら、その時にどの筋肉がどのように働いているかを感じ取るようにします。
- 実際に患者に接触し、イメージで得た情報と実際の感覚を比較して精度を高めていきます。
- 繰り返し練習することで、接触感覚と視覚的フィードバックの連携を強化します。
神経回路的視点:
- 体性感覚野: 接触感覚を強化することで、体性感覚野の神経回路が強化され、患者の微細な反応をより敏感に感じ取れるようになります。
3. フィードバック付きの自己反映訓練
目的: セラピストの動作を客観的に分析し、フィードバックを通じて動作精度を向上
- 方法: 自身の動作をビデオに撮影し、自己分析を行ったり、他のセラピストからフィードバックを受けながら、動作を微調整します。
- 実施手順:
- ハンドリング中の動作をビデオに記録します。
- 後でビデオを見直し、動作のタイミング、手の位置、患者に対する力のかけ方を確認します。
- 他のセラピストや指導者からフィードバックを受け、修正点を繰り返しイメージトレーニングしながら再練習します。
神経回路的視点:
- 運動前野と補足運動野: 動作計画と実行に関わる領域がフィードバックによって活性化され、正確で効果的なハンドリング動作が可能になります。
4. シミュレーションイメージ訓練
目的: 実際に行う前に複雑な動作を脳内でシミュレーションし、失敗を事前に修正
- 方法: 実際のハンドリングを行う前に、セラピストがその動作をシミュレーションし、どのような課題が発生するかを事前に予測して解決します。
- 実施手順:
- 患者の動作や反応を予測しながら、どのようにアプローチするかを頭の中でシミュレーションします。
- 動作中に生じる可能性のある抵抗や反応を事前に予測し、それに対する対応策をイメージします。
- 実際の場面でシミュレーション結果を基に修正を加えつつ実行します。
神経回路的視点:
- 基底核: シミュレーションによる運動の計画と調整を行うことで、運動の効率性とタイミングの正確性が向上します。
5. 力加減訓練
目的: 患者の身体に適切な力をかけるスキルを向上
- 方法: セラピストが患者の関節や筋肉にかける力を、適切に調整するための訓練を行います。力を少しずつ変化させることで、力加減の感覚を磨きます。
- 実施手順:
- 例えば、上肢の関節を持ち上げる際に、軽く、次に少し強くなど、力の加え方を段階的に変化させます。
- 患者の反応を観察しながら、最も快適で適切な力加減を探ります。
神経回路的視点:
- 一次運動野(M1)と体性感覚野: 力の加減を正確にコントロールするためには、運動制御の精度が必要であり、反復練習によりこれらの領域の神経回路が強化されます。
6. リズムとタイミングの強化訓練
目的: 動作のリズムとタイミングを正確に調整し、患者の動きに合わせる能力を向上
- 方法: 一定のリズムで動作を行うことで、動作の安定性とタイミングを改善します。メトロノームなどを使うのも有効です。
- 実施手順:
- 動作を一定のリズムで行う練習をします。例えば、持ち上げる、下ろすといった動作をテンポよく繰り返す。
- メトロノームなどを使ってタイミングを意識しながら行うことで、動作の精度を高めます。
神経回路的視点:
- 小脳: リズムやタイミングの調整を行う脳領域であり、正確な動作制御に重要な役割を果たします。
このように、運動イメージを取り入れた技術訓練は、セラピストのハンドリング能力を向上させ、患者の反応に適応するスキルを強化します。運動イメージは、実際の動作と同様に脳内で神経回路を活性化させるため、反復することで精度と効果が高まります。
運動イメージを用いてアプローチする際のポイント
運動イメージを用いて片麻痺患者に対するリハビリテーションを行う際の専門的なポイントを以下に示します。これらのポイントは、脳科学的な視点を基に、神経回路への影響を考慮した上で、効果的にリハビリを進めるためのものです。
1. 動作の具体性と鮮明さを意識させる
運動イメージの効果を最大化するためには、患者に具体的で詳細な動作イメージを持たせることが重要です。動作の開始から終了までの各ステップを細かく描写し、それを頭の中でリアルに再現するよう指導します。脳の運動野を活性化させるため、鮮明なイメージが神経可塑性を促進します。
2. 両側性運動イメージの利用
片麻痺患者では、健側(麻痺していない側)の動作イメージを利用することが効果的です。健側の運動イメージは、脳内のミラーニューロン系や運動前野を活性化し、麻痺側の機能回復に役立つ可能性があります。また、バイラテラルトレーニング(両手を使った運動)の準備段階としても利用できます。
3. 感覚フィードバックを活用した運動イメージ
感覚フィードバックと運動イメージを組み合わせることで、患者は動作のリアルな感覚を取り戻すことができます。例えば、麻痺側の手や足を持ち上げる際に、どのような感覚が伴うかをイメージし、その感覚を詳細に報告してもらうことで、脳の体性感覚野の活性化を狙います。
4. リハビリ環境のイメージ
運動イメージは現実的な環境で行われることが重要です。患者にリハビリで実施する特定のタスクやエクササイズを実際の環境でイメージさせ、その場の状況をできるだけリアルに再現させることで、脳の視覚野と運動野の協調を高めます。
5. 動作前後の脳活動に焦点を当てる
運動イメージでは、動作そのものだけでなく、動作の準備段階や終了後の感覚も重要です。例えば、手を伸ばす前の準備(例えば腕の筋肉の緊張感)や、伸ばした後のリラックス感なども含めて詳細にイメージさせることで、運動前野や補足運動野の活動を高めます。
6. 反復と継続性の確保
運動イメージは一度だけでなく、定期的かつ繰り返し行うことで、脳の神経回路を強化します。特に片麻痺患者の場合、短期間で効果を感じられないことが多いので、日常的に運動イメージを続けることで、長期的な神経可塑性を促進します。
7. 視覚的イメージと運動イメージの組み合わせ
患者が行う動作を頭の中で視覚的に再現し、その後、体感的な運動イメージを行うことで、脳の視覚野と運動野の相互作用を高めます。研究では、視覚的イメージ(第三者視点)と運動イメージ(第一者視点)を組み合わせることが、より効果的なリハビリにつながるとされています。
8. 適切な難易度設定
運動イメージを用いたリハビリは、患者の現在の能力に合わせて段階的に行います。最初は簡単な動作イメージから始め、徐々に複雑な動作へ移行します。これにより、脳の基底核や小脳の運動制御に関連する回路を段階的に活性化し、適応させます。
9. 呼吸との連動
運動イメージを行う際に、呼吸と動作を連動させることで、よりリラックスした状態で効果的なイメージが行えます。例えば、息を吸うタイミングで腕を持ち上げ、息を吐くタイミングで腕を下ろすことをイメージさせることで、リラックスした状態で運動イメージを行うことが可能です。
10. 多感覚イメージの活用
運動イメージには、視覚だけでなく、聴覚、触覚、平衡感覚など多感覚を統合させることが効果的です。患者に動作に伴う音(例えば足音や手の接触音)をイメージさせたり、動作の際の触覚(例えば物体に触れた感覚)を意識させることで、脳全体の活動が強化されます。
これらのポイントを考慮しながら、運動イメージを活用することで、片麻痺患者の運動機能回復を効率的にサポートできます。また、神経回路の可塑性を促進するためには、これらの方法を適切に組み合わせ、繰り返し実施することが重要です。
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大阪店の概要
STROKE LABはこれまで、東京を拠点に全国からの患者様・利用者様をお迎えしてきました。しかし、「遠方で通いづらい」「関西にも拠点が欲しい」というお声をたくさんいただいたことから、満を持して大阪店を新たにオープンしました。
住所 | 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満6丁目3−16 梅田ステートビル 2階 |
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オープン日 | 2025年4月オープン |
最寄り駅 | 地下鉄谷町線「南森町駅」より徒歩8分(1番出口) ※JR天満宮駅よりエレベーター地上 JR東西線・学研都市線「大阪天満宮駅」より徒歩11分(7・8・9番出口 エレベーターあり) 地下鉄谷町線「東梅田駅」より徒歩10分(7番出口) |
営業時間 | 9:00~17:30(最終電話受付17:00) |
定休日 | 月曜・木曜(祝祭日は営業) |
・南森町駅構内図:https://subway.osakametro.co.jp/station_guide/T/t20/
・東梅田駅構内図:https://subway.osakametro.co.jp/station_guide/T/t20/
梅田周辺(大阪駅含め)からのアクセスに優れた立地なので、通院や通勤途中などにもご利用いただきやすい環境を整えています。
アクセスマップ
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満6丁目3−16 梅田ステートビル 2階 STROKE LAB
リハビリ料金(自費/税込)
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延長30分 | +9,900円 |
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)