脳卒中(脳梗塞・脳出血)片麻痺のリハビリ:ハンドリングの極意 その⑤-2 接触ポイントを全身から感じ取れるか?~下肢治療の場合~
週1回、今年医学書院より発売予定「正常動作分析と脳卒中への臨床応用」の内容の一部を配信しています。
Facebookで更新のメールご希望の方は→こちらのオフィシャルページに「いいね!」を押してください。」
皆さんこんにちは.
週1ペースで更新していく書籍アップデートコーナー.
本日はハンドリングの極意その⑤-2
接触ポイントから全身を感じ取れるか?~下肢治療の場合~
です!!
前回もお話しましたが・・・
患者にHnads onしているとき,熟練者は患者のあらゆる状態を感じ取っています.
姿勢・運動制御を誘導した際に,「どういった戦略でそれが行われているか?」という情報も得ています.そして,そういった情報から日常生活動作における動作戦略なども想像し,治療へ活かすことを常に考えています.
立位での下肢治療で一例を上げると,熟練セラピストは足部の治療をしながらも,重心の位置・肩甲胸郭関節の滑りなどを読み取っていきます.
Hands onしている足部への荷重を誘導した際,身体重心(COG)を下げずににWeight shiftできるのか?COGが下がってしまう場合,身体のどこがどのような代償戦略をとるのか?(過剰なSwayや固定など)
抗重力的な活動を高められずCOGが下がってしまう場合,足部からの感覚・COPを体幹・上体のどのセグメントとの繋がりを強めればCOGを高めることができるのか??
体幹・上体とのLink,COGを保持しながら反対側の足部へWeight shiftし,one-leg-stand→step→歩行,という動作・活動までの移行が可能か???
・・・などなど
立位は,抗重力的な身体活動を高まる上では効果的ですが,その反面過剰・雑なハンドリングでは不安定性を強めてしまう治療場面でもあります.
セラピスト自身が安定していなければ,その不安定性は患者様自身にも伝わり,COGを下げてSwayや固定を誘発し,身体のLinkを高めるチャンスを失います.
COGが下がっていても動くことは可能ですが,COPを利用せず抗重力的な身体活動を伴わない動作の長期化が強固な痙性や短縮などの二次的な障害を強めてしまいます.
「治療ポイントとする身体箇所と全身の繋がりをHands onしている箇所から感じる」
とても感覚的なことかもしれません・・・
しかし,臨床で出くわす様々な患者様の多様性に対応するには,この「感覚的」な部分がとても重要になってきます!
「書籍アップデート:ハンドリング10原則」の更新はここまでとさせて頂きます.
続きは出版される書籍にて一読して頂ければと思います!
次回からは違うコンテンツからの書籍アップデートを引き続き更新していきます!
乞うご期待!!
下肢のハンドリングに役立つ動画
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)