Vol.474.作ってみよう!!半側空間無視のリハビリテーションにおけるアイパッチ効果
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カテゴリー
タイトル
●作ってみよう!!半側空間無視のリハビリテーションにおけるアイパッチ効果
●原著はEffect of eye patching in rehabilitation of hemispatial neglectこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●振動刺激に続き、半側空間無視に対するアプローチの引き出しを増やすための学習の一助として本論文に至る。
内 容
背景
●アイパッチ(EP:単眼または右半視野)は、半側空間無視患者の無視された視野に対する視空間注意を改善するために提案されています。
●脳卒中後の半側空間無視におけるアイパッチの効果のレビューです。本レビューの目的はエビデンスに基づく推奨事項を脳卒中リハビリテーションの臨床医に伝えることです。
結果
●Medline、EMBASE、Scopus、Cochrane Library、CINAHL、PsychINFO、EBRSR、Health Starデータベースから13の介入研究が選択されました。全体として、7つの研究では単眼アイパッチを使用、5つの研究では右半視野アイパッチを使用し、1つの研究では右単眼と右半視野アイパッチを比較しています。
●単眼アイパッチに関しては、4つの研究が好ましい効果を報告しました。 ある研究では、右単眼パッチの影響は見られませんでした。ある研究では、左単眼パッチによる半側空間無視の改善が示されました。
●2つの研究は、右対左単眼パッチの優位性を見出しませんでした。
● 3つの研究では、別のリハビリテーション手法と組み合わせた右半視野アイパッチが、単独の治療よりも効果的であることがわかりました。ある研究では、別の治療と組み合わせた右半視野アイパッチとその治療のみ間に違いは見られませんでした。
●右半視野のアイパッチの有用性を世界的に支持している傾向が見られた。別の治療との組み合わせで、より効果的と報告されている。
私見・明日への臨床アイデア
●図のような物は100均や目関係の雑誌の付録他、安価な眼鏡・サングラスを工作して作成可能である。試用してみて、良さそうであればアイパッチなど検討してみても良いと思われる。また、空間認知が改善してくれば、外していけば良い。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
脳卒中の動作分析 一覧はこちら
塾講師陣が個別に合わせたリハビリでサポートします
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)