【2024年最新版】スマホ使用が姿勢とバランスに及ぼす影響とは?リハビリや姿勢改善の効果的アプローチを徹底解説!
論文を読む前に
金子先生(リハビリテーション医): 丸山さん、今日は「スマホ使用が姿勢やバランスにどのように影響するか」についてお話ししましょう。最近の研究では、スマホの過剰使用が体にどんな影響を与えるか、特に姿勢や歩行における問題がよく報告されています。スマホはもはや日常生活の一部であり、患者さんのリハビリにも影響する要素になっています。
スマホ使用が姿勢に与える影響
金子先生: スマホを使うとき、多くの人が自然と前かがみの姿勢を取ってしまいます。この「テキストネック」と呼ばれる状態は、首や肩、そして上部の背中に大きな負担をかけます。多くの研究が、このような姿勢が筋肉の緊張を引き起こし、慢性的な痛みや不調の原因になることを示しています。
丸山さん(新人療法士):たしかに、スマホを見るときの姿勢はかなり前かがみになりますね。その結果、首や肩の筋肉に過度な負荷がかかってしまいますか?
金子先生:その通りです。具体的な数値では、頭が15度前傾すると首にかかる負荷は約12kg、30度前傾すると約18kgまで増加します。このような姿勢が長時間続くと、首や肩の筋肉が過緊張し、姿勢が悪化する一因になります。また、胸椎の前弯が強調され、腰椎の自然なカーブが乱れることで、腰痛なども引き起こす可能性があります。
スマホ使用がバランスに与える影響
金子先生:次に、バランスへの影響について話しましょう。多くの研究によると、スマホを使用する際には前庭系へのフィードバックが阻害される可能性があります。これは、頭部が前傾することで、視覚や前庭感覚からの情報処理が乱れるためです。特に、高齢者や脳卒中患者にとっては、バランス能力に直接影響を与え、転倒リスクが増加します。
丸山さん: スマホを見ていると、視覚に集中しすぎて周りの状況に気づかなくなるということですね。バランスを保つために重要な感覚が無視されてしまうのでしょうか?
金子先生:その通りです。スマホを見るとき、視覚情報が優先され、体幹や下肢のバランス維持に必要な情報が疎かになります。その結果、バランス制御が不十分になり、特に動作中の不安定さが増します。また、スマホ使用によって筋肉の反応が遅くなることも報告されています。
スマホを使用しながらの歩行のリスク
金子先生:スマホを使いながら歩く、いわゆる「スマホ歩き」はさらに危険です。複数の研究によると、スマホを見ながら歩くことで、歩行速度が低下し、歩幅が狭くなり、歩行のリズムが乱れます。また、頭を前に傾けるため、視覚情報が制限され、障害物や段差に気づきにくくなります。
丸山さん: スマホを見ながら歩くとき、歩行動作自体に集中できなくなり、転倒のリスクが増えるというわけですね。
金子先生:そうです。特に、脳卒中患者や高齢者の場合、もともとバランスや歩行能力に制限があるため、スマホ使用がそのリスクをさらに増大させます。例えば、前庭系からの情報処理が低下すると、障害物や急な方向転換に対応する能力が著しく低下し、転倒事故が増加します。
論文に基づく考察
金子先生:いくつかの研究から、スマホ歩きがバランスや歩行に及ぼす影響が報告されています。たとえば、スマホ使用中の歩行では、歩幅が通常よりも狭く、歩行周期の変動が増えることが分かっています。また、障害物への対応能力も低下し、瞬時の判断が必要な場面では対応が遅れることが明らかです。これは、歩行時に行われる複数の感覚統合プロセスがスマホにより妨げられるためです。
丸山さん: 特に脳卒中患者やバランスが悪い患者さんにとっては、スマホ使用がさらなる障害になる可能性がありますね。スマホを持ちながらリハビリをする際に注意が必要ですか?
金子先生:その通りです。リハビリ中にスマホを使用する場合、特に注意が必要です。歩行訓練やバランス訓練中にスマホを使用することは、患者の集中力を妨げ、感覚統合に悪影響を与えかねません。リハビリ中は、視覚、前庭、触覚などの感覚統合を最大限に活用できる環境を整えることが重要です。
リハビリテーションへの臨床応用
金子先生:リハビリテーションでの臨床応用として、スマホ使用中の姿勢やバランスの改善に取り組むことも重要です。たとえば、スマホ使用時の姿勢指導や、スマホを使った状況での歩行バランス訓練を組み合わせるアプローチが考えられます。また、バランス訓練中にスマホを用いて視覚的なフィードバックを提供し、患者が自身の姿勢を認識する手助けをすることも有効です。
丸山さん: スマホを使用すること自体がリハビリの一部になることもあるんですね。
金子先生:はい、日常生活の中でスマホを使う機会が多いため、現実的なリハビリテーションプログラムに取り入れることが有効です。しかし、適切な使用方法や制限を設けないと、かえってリスクが増える可能性があるため、慎重な計画が必要です。
このように、スマホ使用は脳卒中患者や高齢者のリハビリにおいて、姿勢やバランスに影響を及ぼすため、そのリスクと効果をしっかり理解した上でアプローチすることが重要です。
論文内容
タイトル
スマートフォンを用いた動的バランス二重課題の効果
The effects on dynamic balance of dual-tasking using smartphone functions?PubMed
In Hyouk Hyong J Phys Ther Sci. 2015 Feb; 27(2): 527–529.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・二重課題によって歩行への注意が減少し、転倒につながることも多い。スマートフォンの使用がどれだけ動的バランスに影響するのか興味があり、読むことにした。
内 容
背景・目的
・同時に二つの課題を行うことを二重課題と言い、認知機能の障害がある場合顕著にもう一方の課題のパフォーマンスが落ちる。
・本研究はスマートフォンを使用している際の動的バランスの変化を健常成人にて検証する。
方法
・36名の健常成人
・star excursion balance test (SEBT)を実施している際に、スマートフォンを使って①音楽を聴く、②メッセージを送る、③ゲームをする、④ネットサーフィンをする、の四つの課題を行い、スマートフォンを使っていない状態と比較した。
結果
表:実験結果 In Hyouk Hyong (2015) より引用
・動的バランスはスマートフォンの利用(①~④全て)によって有意に減少が見られた。
スマホを使用したリハビリテーションのアイデア
スマホを利用したバランス・歩行のリハビリテーションに関する専門的なアイデアをいくつか紹介します。これらのアイデアは、現代のリハビリテーションにおけるテクノロジーの活用を通じて、患者のモチベーションや治療効果を向上させることを目的としています。特に脳卒中やバランス障害を持つ患者に対するアプローチに役立つでしょう。
1. バランス訓練におけるスマホの姿勢フィードバック機能
- 概要: スマホの加速度センサーやジャイロスコープを活用して、患者の重心移動や姿勢をリアルタイムで計測・フィードバックします。専用のアプリケーションを使用すれば、姿勢や重心の偏りを可視化し、リアルタイムで調整を促すことが可能です。
- 臨床応用:
- 患者がスマホを体幹に装着し、静的および動的バランス訓練を行う。
- バランスの崩れをセンサーが検知し、音声や視覚フィードバックを通じて即座に姿勢修正を行う。
- 姿勢維持時間や重心移動の範囲をアプリで記録し、進捗を評価。
- メリット:
- 患者自身がリアルタイムで姿勢や重心を確認でき、自己認識能力が高まる。
- データの蓄積により、患者のバランス能力の変化を定量的に把握できる。
- デメリット:
- スマホの装着位置やセンサーの精度に依存するため、正確な測定が難しいことがある。
2. デュアルタスクトレーニングとしてのスマホ使用
- 概要: スマホを使用しながらのデュアルタスク歩行訓練は、認知機能とバランスの同時強化に役立ちます。デュアルタスクは、認知機能と運動機能を同時に要求するため、歩行やバランスの向上に重要な役割を果たします。
- 臨床応用:
- 患者に簡単なパズルや計算ゲームなどのスマホアプリを使用させながら、歩行やバランス訓練を行う。
- 適切なペースで歩行しながら、認知課題に取り組むことで、デュアルタスクを意識したリハビリテーションを行う。
- メリット:
- 認知機能と運動機能を同時に向上させる。
- 日常生活における多重タスクの準備として有効。
- デメリット:
- 認知課題に集中するあまり、運動面でのパフォーマンスが低下する可能性がある。
- 進行度に合わせた難易度設定が必要。
3. 視覚フィードバックを活用した仮想現実トレーニング
- 概要: スマホをVRゴーグルに装着し、仮想現実環境を用いたバランス訓練を行います。患者がバーチャルな環境でバランスを保ちながら特定の動作や歩行を行うことで、バランス能力や運動機能を高めます。
- 臨床応用:
- 仮想の空間で障害物を避けたり、段差を超えるといった課題に取り組む。視覚情報を頼りにバランスを取るため、前庭系や体性感覚の統合を促進できる。
- 患者の進行状況をアプリで記録し、トレーニングの効果を評価する。
- メリット:
- 安全な環境で、実際の場面に近いシミュレーションを行える。
- 視覚フィードバックを用いることで、前庭系や体性感覚の統合を強化できる。
- デメリット:
- VRゴーグルの装着が苦手な患者や視覚・平衡感覚に影響が出やすい患者には不適切な場合がある。
- コストがかかる可能性がある。
4. 歩行リズムの強化にスマホのメトロノームアプリを使用
- 概要: 歩行訓練において、スマホのメトロノームアプリを使用して一定のリズムを維持することで、歩行の安定性とリズム感を強化します。特にパーキンソン病患者など、リズムが乱れやすい患者に有効です。
- 臨床応用:
- メトロノームアプリのテンポに合わせて、歩行速度や歩幅を調整しながら歩行訓練を行う。
- テンポを徐々に速くすることで、患者の歩行能力を段階的に向上させる。
- メリット:
- 音のフィードバックにより、患者がリズムを意識して歩行できる。
- 脳のリズム回路を活性化させ、歩行パフォーマンスを向上。
- デメリット:
- メトロノームに意識が集中しすぎると、自然な歩行リズムを乱す可能性がある。
5. 固有感覚向上のためのスマホを用いたバイブレーションフィードバック
- 概要: スマホのバイブレーション機能を利用し、一定のタイミングで触覚的なフィードバックを提供することで、固有受容感覚を強化します。特に、関節覚や運動覚が低下している患者に対して有効です。
- 臨床応用:
- スマホを装着した部位に対して、バイブレーションで触覚刺激を与え、筋肉の収縮タイミングや動作開始を促す。
- 固有受容感覚が弱い患者に、タイミングよく刺激を与え、関節の位置覚を補助する。
- メリット:
- バイブレーションによる即時の触覚フィードバックで、動作認知の向上が期待できる。
- 筋肉の収縮タイミングを補助し、動作パフォーマンスを向上。
- デメリット:
- バイブレーションによる刺激が強すぎると、過剰な興奮を引き起こす可能性がある。
- フィードバックがタイミングによっては誤った運動パターンを強化するリスクがある。
これらのスマホを活用したリハビリテーションのアイデアは、患者のモチベーションを高め、リアルタイムでフィードバックを提供することで、治療効果を最大化するためのツールとして非常に有効です。スマホのセンサーやアプリを適切に活用することで、バランスや歩行の改善に向けた包括的なアプローチが可能になります。
スマホ姿勢の改善の臨床アイデア
スマホを頻繁に使用することで生じる姿勢の崩れは、頭頸部、肩甲帯、体幹に特に影響を与えます。これを改善するためのリハビリテーションアプローチは、患者が日常的にスマホを使用する中で自然に姿勢を整え、負担を減らすことを目的としています。以下に、各部位に焦点を当てた具体的な臨床アイデアを紹介します。
1. 頭頸部の姿勢改善: 頭部前方突出を防ぐトレーニング
スマホ使用時、頭が前に突き出しやすく、これが首や肩の筋緊張や痛みの原因となります。この姿勢を改善するためには、頭頸部の筋力強化と姿勢意識の向上が重要です。
- エクササイズ:
- あご引き運動(Chin Tuck): 患者は座位または立位で、背筋を伸ばし、軽く顎を引きます。このとき、頭が前方に突き出るのを防ぎ、耳が肩の真上に来るように意識します。背骨に沿った後頸部の筋肉を強化し、正しい頭頸部のアライメントを再訓練します。
- 前頸部筋のストレッチ: 胸を張り、顎を引いて、首前面の筋肉をストレッチします。デスクワークやスマホ使用後に取り入れ、姿勢改善を促します。
- 臨床応用:
- 頭部の姿勢フィードバックとしてスマホのカメラを利用し、自身の頭部の位置をリアルタイムで確認します。悪い姿勢に気づいた際には、あご引き運動を行い修正。
- 目的: 頭部前方突出を抑制し、首の負担を軽減。正しい頭頸部の姿勢を維持することで、筋肉の緊張を和らげます。
2. 肩甲帯の安定化とリトラクションエクササイズ
スマホを持つ姿勢では肩甲骨が外転しやすく、肩の前方突出や猫背の原因となります。これを防ぐためには、肩甲帯の安定性と肩甲骨周辺の筋群を強化するエクササイズが必要です。
- エクササイズ:
- 肩甲骨のリトラクション(Scapular Retraction): 患者にまっすぐ座ってもらい、両肩を後ろに引き、肩甲骨を寄せるように意識します。この運動は、僧帽筋中部や菱形筋を活性化し、肩甲帯の正しいアライメントを促進します。
- 肩甲骨の可動性向上エクササイズ: 患者が壁に背をつけ、腕を横から上げ、壁に沿わせるように動かす(壁天使運動)。肩甲骨を正しい位置に誘導し、肩甲帯の可動性を改善します。
- 臨床応用:
- スマホ使用時に定期的に肩甲骨リトラクションを意識し、数秒間保持します。これを頻繁に行うことで、長時間の前かがみ姿勢を防ぎ、肩甲骨周囲の筋肉を活性化します。
- 目的: 肩甲帯の安定性を強化し、肩甲骨が外転しないようにサポート。肩こりや背中の痛みを軽減し、猫背を防止します。
3. 体幹の安定化とアライメント改善エクササイズ
スマホ使用中の猫背姿勢は、体幹の支持筋力の低下を招きます。特に腰椎前弯の減少や体幹の屈曲姿勢が問題となるため、体幹の安定性を保ちながらスマホ使用を行う意識付けが重要です。
- エクササイズ:
- ドローインエクササイズ(Abdominal Draw-In): 患者に背筋を伸ばし、座った状態でお腹を引き込み、腹横筋を意識的に活性化します。これにより、体幹の安定性が向上し、姿勢を維持しやすくなります。
- 体幹のローテーションと側屈ストレッチ: 患者が座った状態で体幹を左右に回旋し、側屈ストレッチを行います。これにより、背中や腹部の柔軟性が向上し、体幹の可動域を広げます。
- 臨床応用:
- スマホを使用する際、座位姿勢でドローインを意識的に行い、背骨をニュートラルポジションに保つ。長時間の使用後に側屈ストレッチを取り入れ、硬くなった体幹筋をほぐします。
- 目的: 体幹の安定性を強化し、腰椎のアライメントを整えることで、スマホ使用時の猫背姿勢を防ぐ。これにより、腰痛や体幹の疲労感を軽減します。
4. 肩甲骨と体幹の協調動作訓練
スマホ使用時は肩甲骨と体幹の連動が乏しくなることが多いです。肩甲骨と体幹を一体化させて動かすことで、全身の姿勢を整え、肩や背中にかかる負担を軽減します。
- エクササイズ:
- バードドッグ(Bird Dog): 患者は四つん這い姿勢で、片腕と対側の脚を伸ばし、肩甲骨と体幹の連動を意識させます。この動作は、体幹と肩甲骨周りの安定性を高め、全身の協調動作を強化します。
- プランクポジションでの肩甲骨リトラクション: プランクポジションを保持しながら、肩甲骨を引き寄せる運動を繰り返し行います。肩甲骨と体幹の連携を強化することで、姿勢保持に必要な筋力を向上させます。
- 臨床応用:
- スマホ使用時に肩甲骨を意識し、体幹を安定させる動作を訓練することで、全身の協調動作を改善し、姿勢を保つ能力を高めます。
- 目的: 肩甲骨と体幹の連携を促進し、スマホ使用中の姿勢維持に必要な筋群を強化。姿勢の崩れを防ぎ、肩甲帯や体幹にかかる負担を軽減します。
5. モビリティと安定性を兼ね備えたダイナミックストレッチ
スマホ使用時には、静的な姿勢が長時間続き、肩甲帯や体幹のモビリティが低下します。動的なストレッチを取り入れることで、可動性と安定性をバランスよく維持します。
- エクササイズ:
- キャットカウストレッチ(Cat-Cow Stretch): 四つん這いで背中を丸めたり、反らせたりする動作を繰り返します。このストレッチは、背骨全体の柔軟性を向上させ、肩甲帯と体幹のモビリティを促進します。
- ダイナミックショルダーストレッチ: 腕を上下左右に大きく動かしながら、肩甲骨を動かすことで肩周りの柔軟性を向上させます。
- 臨床応用:
- スマホ使用前後にキャットカウストレッチやダイナミックショルダーストレッチを行うことで、長時間の静的姿勢による筋肉の硬直を防ぎます。
- 目的: モビリティと安定性を同時に向上させ、姿勢を持続的に保つための基礎を作ります。
これらのエクササイズを組み合わせることで、スマホ姿勢による悪影響を軽減し、長時間の使用でも体への負担を最小限に抑えることが可能です。
スマホを使用する上で日常から気をつけられること
スマホの頻繁な使用がバランスや姿勢、歩行に悪影響を与えないようにするために、日常生活で注意できるポイントをいくつか紹介します。これらのポイントは、スマホを使うときの姿勢や動作を意識することで、負担を軽減し、姿勢改善につながります。
1. 頭部の位置に注意する
スマホを使う際、頭が前に突き出やすくなります。この「前方頭位」は首や肩、背中に負担をかけ、姿勢悪化の原因となります。スマホを目の高さまで持ち上げ、首の自然なカーブを保つように意識することで、負担を軽減できます。
2. スマホ使用の合間にストレッチを取り入れる
長時間同じ姿勢でスマホを操作するのは、筋肉が緊張しやすくなります。スマホを使った後や途中で、首、肩、背中のストレッチを行い、筋肉をほぐすことが大切です。具体的には、肩を回したり、首をゆっくり前後に動かすストレッチが効果的です。
3. スマホを操作するときの肘の位置に注意
スマホを持ちながら肘を曲げたままだと、腕や肩への負担が増します。肘を身体に近づけて、腕の力を抜くように心がけると、肩や腕の緊張を減らすことができます。また、テーブルや膝にスマホを置いて、手や腕の負担を軽減するのも有効です。
4. 歩行中にスマホを操作しない
歩きながらスマホを操作することは、バランスを崩しやすく、転倒リスクが高まります。歩行中にスマホを使うと、視覚や前庭系の情報が不足し、適切なバランス調整ができなくなります。歩行中はスマホをしまい、歩くことに集中するようにしましょう。
5. 使用時間を制限し、休憩を取る
長時間にわたってスマホを使用すると、姿勢が固定され、筋肉に負担がかかりやすくなります。30分ごとにスマホを休ませ、姿勢を正したり、少し歩いたりして、筋肉をほぐす習慣をつけることが大切です。
6. 姿勢改善用のアプリを活用する
スマホの姿勢改善をサポートするアプリを使うことで、長時間の使用中に適切な姿勢を保つ手助けをしてくれます。例えば、姿勢が崩れたときにアラートを出すアプリや、ストレッチを促すタイマー機能を利用するのも効果的です。
7. スマホを見る時間を分散させる
一度に長時間スマホを使うのではなく、時間を分けて使用することで、身体への負担を減らします。特に、仕事や勉強中などは、スマホを頻繁に見るのではなく、一定の休憩時間ごとにまとめてチェックする習慣をつけましょう。
8. 正しい座り方を意識する
スマホを使うときに、姿勢の崩れやすい椅子やソファに座ることが多いですが、骨盤を立てた状態で座るよう心がけることが重要です。骨盤をしっかり立てた姿勢は、頭、首、背中の負担を軽減します。背もたれのある椅子を使い、背中全体をサポートしてもらいましょう。
9. 目の休息を取る
スマホ画面を長時間見続けると、目の疲れや姿勢の崩れが起こりやすくなります。特に画面を見つめると自然と前傾姿勢になりやすいため、スマホを使い続ける場合は、定期的に遠くを見るなどして目を休めることで、姿勢維持がしやすくなります。
10. スマホホルダーやスタンドを使う
スマホを手で持ち続けると腕や肩に負担がかかります。スタンドやホルダーを使ってスマホを安定させることで、手や腕の緊張を減らし、自然な姿勢を保つことができます。
これらの日常的な対策を心がけることで、スマホの長時間使用による姿勢やバランスへの悪影響を最小限に抑え、健康的な身体の状態を維持することが可能です。
退院後のリハビリは STROKE LABへ
当施設は脳神経疾患や整形外科疾患に対するスペシャリストが皆様のお悩みを解決します。詳しくはHPメニューをご参照ください。
STROKE LAB代表の金子唯史が執筆する 2024年秋ごろ医学書院より発売の「脳の機能解剖とリハビリテーション」から
以下の内容を元に具体的トレーニングを呈示します。
STROKE LABではお悩みに対してリハビリのサポートをさせていただきます。詳しくはHPメニューをご参照ください
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)