vol.162:視覚情報と姿勢制御 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
立位姿勢の制御における視覚フィードバックの特徴
Characteristics of visual feedback in postural control during standing.
?pubmed Fukuoka Y IEEE Trans Rehabil Eng. 1999 Dec;7(4):427-34.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・視覚、体性感覚、平衡覚が協調的に働くことで身体重心の動揺を感知し、立位を制御する。視覚の立ち直りは1Hz以下の遅い動揺のみに働くとあり(中村隆一、2003)、3つの中では重要度が低いのではないかと感じた。実際にどのように研究されていたのか興味を持ち、本論文を読みたいと思った。
内 容
背景・目的
・先行研究にて平衡覚からのフィードバックが姿勢制御に及ぼす影響は調べられているが、視覚のみを検討したものはない。本論文では視覚のみに焦点を当て実験する。
方法
図1:実験方法 Fukuoka (1999)より引用
・5人の健常成人
・体性感覚と平衡覚を抑制するため、裸足立位で実験装置に頭部を固定し、さらに足関節角度が一定になるようにした(図1)。
・眼前で横線が上下移動した際の反応を記録した。
結果
図2:実験方法 Fukuoka (1999)より引用
・0.4Hz以上から重心動揺が消失している
私見・明日への臨床アイデア
・先行研究と同様に0.4Hz以上の速い視覚刺激は姿勢制御に影響しなかった。鏡を用いて、視覚からのフィードバックを代償的に促すことは多いが、どこまで視覚情報が運動学習に役立っているのだろうか?興味があるため調べていきたいと思う。
引用文献
中村隆一(2006).基礎運動学 医歯薬出版
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)