<第12回:脳科学講座Blog>~注意機能と神経可塑性における脳卒中片麻痺患者への臨床応用編~ – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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<第12回:脳科学講座Blog>~注意機能と神経可塑性における脳卒中片麻痺患者への臨床応用編~

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キャプチャ1

 

 

注意とは?

 

適切な事象への意識の集中,持続,移動の過程,ならびにその準備と維持機能のことを言います.

 

注意には,Alertingと呼ばれる,待機・警戒し機敏に反応する状態を維持する注意機構があります!

 

intrinsic alertness

 

不定期に予測なしに現れる刺激を見落とさないように待機する機能

 

phasic alertness

 

外的手掛かりが現れたときに,目標にできるだけ速く反応する機能

 

キャプチャ

 

右大脳半球の前頭葉(前部帯状回-背外側部皮質)-下部頭頂葉-視床(視床枕など)と脳幹(中脳・橋被蓋など)などが関与しており,一概にどこがというよりは,協調しあいながら必要に応じて活動しています.

 

その他にも,Orientatingと呼ばれる複数の感覚情報への指向性・選択性を担っているもの,Executive controlという,複数の属性または要素を持つ刺激に対して、競合あるいは抗争する反応パターンのうち,要求されているものを選択し遂行する機能があります.

 

Orientatingは,右大脳半球の前頭眼野-後部頭頂葉-視床-網様体-中脳上丘で活動し,Executive controlは,両側または右側の上内側部前頭葉,前帯状回で活動します

 

 

ワーキングメモリとは?

 

情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念を指します.

 

キャプチャ2

 

ワーキングメモリーは,様々な要素と関わりをもっています!

 

視空間スケッチパッド

視覚情報を司る部分で,人混みの中を歩く,物をまたぐといった行為に必要とされます.

 

音韻性ループ

聴覚情報を司る部分で,会話するときなどに重要です.

 

エピソードバッファ

長期記憶から取り出された情報をはじめとするエピソード情報を一時的に保持する部分のことを指します.

 

 

中央実行系

 

課題や環境に合わせて「音韻性ループ」「視空間性スケッチパッド」「エピソード・バッファ」を適切に賦活する部分のことを言います.

 

キャプチャ3

 

例えば,二重課題が困難な患者様は転倒しやすい(歩きながら話すことができない)などや,ワーキングメモリが弱いと観察学習がうまくいかない,などの報告は中央実行系にて適切にコントロールできていなことが考えられます.

 

患者様のワーキングメモリの能力を評価し,その患者様の生活を想像することはとても重要なことだと分かります!

 

 

神経可塑性(Neural Plasticity)

 

キャプチャ4

 

構造的変化

構造的変化は,ネットワークを形態的に再構築します.

 

種類としては,3つのタイプがあります.

 

キャプチャ5

 

機能的変化

機能的変化は,ネットワークの機能を変化させます.

 

その中の一種である長期増強は,シナプスの伝達効率を上昇させ,それを維持する効果をもっています.

 

キャプチャ6

 

 

長期増強における臨床応用の一提案

 

ここまで学習・述べてきた知識を,「どのように臨床応用するのか?」

 

臨床家としては,やはりここからが肝であり,重要になってきます.

 

以下の応用例は,一案です!

 

講義の中では,針谷講師によっていくつかの臨床提案がされていました!

 

キャプチャ7

 

残存している経路と弱化している経路を同時に賦活することで,長期増強における連合性を高め,長期増強(LTP)を促すことを提案していました.

 

 

 

徐々に講義自体も臨床応用に即した内容が多くなってきました!

 

知識である神経科学を臨床への実践に応用する,このプロセスがセラピストにとってはやはり重要です!!

 

 

 

Photo 6-28-16, 9 12 25 PM

 

最後は,ディスカッション!

 

今日は神経可塑性(Neural Plasticity)における臨床応用について議論・討論が繰り広げられていました!!

 

 

 

(編集:齋藤 潤孝)

 

 

 

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