2016.02.01脳科学トピック
<脳科学トピック> プライミング効果って知ってます??
Priming(プライミング)、、、ご存知でしょうか?
プライミングとは、「過去の刺激に基づく行動の変化」と定義されています。
下の図をご覧になったことがあるでしょうか?
この図を見る前に「若い女性の絵です」と言われれば若い女性に見えやすくなり、「おばあさんの絵です」と言われればおばあさんに見えやすくなります。図は変わらないのに、声かけ(先行刺激)によって私たちの認識が変化するのです。
不思議ですね。 プライミングはもともと心理学領域で研究されてきたものですが、近年、リハビリテーション領域において”motor priming”というものが運動学習を促進するものとして研究されてきています。
治療効率が上がるのであれば、ぜひとも臨床に組み込みたいものです。リハビリテーション領域におけるプライミングはまだまだ研究途中のようですが、現時点でエビデンスが得られているものとしては…
①stimulation-based priming(刺激に基づくプライミング)
②motor imagery and action observation(運動イメージと行動観察)
③sensory priming(感覚プライミング)
④movement-based priming(動きに基づくプライミング)
⑤pharmacological priming(薬理的プライミング) の5つが挙げられます。
最近ではもはやメジャーになっている運動イメージと行動観察が含まれているあたり、リハビリテーション領域におけるプライミングというのは全く新しい概念ではなく、私たちが日常的に行っていたものを新しい視点で統一し直しているようにも思えます。
実はこれ、先日のニューロリハビリテーション研究会BRAIN第19回勉強会で紹介したかったのですが、時間の都合上割愛しておりました。ここで数回に分けてご紹介させていただきたいと思いますので、ご興味がお有りの方はお付き合いくださいませ。
Stoykov, Mary Ellen, and Sangeetha Madhavan. “Motor priming in neurorehabilitation.” Journal of Neurologic Physical Therapy 39.1 (2015): 33-42. (文責:針谷遼)