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vol.201:パーキンソン病患者の補足運動野とAPA

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カテゴリー

脳科学系

 

タイトル

補足運動野はステップ開始時の予測的姿勢制御のタイミングに関与する;パーキンソン病の有無による比較

The supplementary motor area contributes to the timing of the anticipatory postural adjustment during step initiation in participants with and without Parkinson’s disease.

👈pubmed Jacobs JV Neuroscience. 2009 Dec 1;164(2):877-85. doi: 10.1016/j.neuroscience.2009.08.002.

 

 

本論文を読むに至った思考・経緯

予測的姿勢制御を司る部位が補足運動野であると知り、その根拠となる論文を読んでみたいと思い、本論文に至った。

 

論文内容

背景・目的

・パーキンソン病患者は姿勢を変える際に転倒することが多く、その動作の一つであるステップ動作はすくみ足と称され障害されることが多い。

・パーキンソン病患者はステップ開始時の予測的姿勢制御(APA)の遅延や消失を認めることが多いと報告されている。

APAの機能を司っているのは補足運動野と言われており、歩行やステップ時に同運動野の活動がPET検査で確認され、さらに補足運動野の損傷により歩行失行が認められていることが根拠として挙げられている。しかし、これらの研究は補足運動野だけに限局されているわけではなく、その周囲も同時に活動、もしくは障害されているため根拠として弱いと筆者は述べている。

・そのため、本研究では一時的に補足運動野のみに刺激を加え、ステップ開始時のAPAを検査することで、補足運動野とAPAの関連性を検討することを目的とする。

 

方法

8名の突発性パーキンソン病患者と8名のパーキンソン病を有さない被験者

・床反力計の上に立位を取り、閉眼で前方へのステップ動作を行った。

・補足運動野(SMA)と背外側運動前野(dlPMC)に対しrTMS (repetitive transcranial magnetic stimulation)を行い、一時的な機能低下を図った。

・ステップはrTMSの前後に9回ずつ行った。

APAは足圧中心(COP)の外側方向への変位量で計測した。

キャプチャ

図1:rTMSによる刺激方法

 Jacobs (2009)より引用

 

結果

rTMSの刺激前、パーキンソン病のAPA時間は、コントロール群に比して変動が大きかった。APAの振幅の最大値はパーキンソン病群で有意に小さかった。

rTMSの刺激を補足運動野に与えた場合、APA時間は有意に減少したが、背外側運動前野への刺激では変化が見られなかった。

rTMSの刺激をどちらの領域に与えても、APAの振幅に変化はなかった。

・パーキンソン病群の下肢の障害の程度とAPA時間は相関がみられた。

 キャプチャ2

図2:rTMSによる刺激後のステップ動作時のAPA時間

Jacobs (2009)より引用

 

 キャプチャ3

図3:パーキンソン病群の障害程度とAPA時間の相関図

Jacobs (2009)より引用

 

私見・明日への臨床アイデア

・補足運動野の活動を抑制すると、APA時間(COPの変位時間)が延長されることがわかった。高草木(2014)によると、補足運動野が生成した運動プログラムが皮質網様体路を経由し、APAを制御しているという。基底核は大脳皮質と脳幹への脱抑制によってこの経路(皮質網様体投射と網様体脊髄路系)を興奮させAPAによる姿勢制御が可能にするため、その障害(パーキンソン病)はAPAを阻害することが予想され、今回の結果と一致する(高草木、2009)。

 キャプチャ4

図3:基底核と補足運動野の脳活動

高草木 (2009)より引用

 ・徒手や運動療法によって基底核に対してアプローチすることはできるのか、文献を探してみたい。

 

引用文献

高草木 薫. 運動麻痺と皮質網様体投射. 脊椎脊髄ジャーナル,27(2):99-105, 2014

高草木 薫. 大脳基底核による運動の制御. 臨床神経,49:325―334, 2009

 

氏名 鵜澤寛伸

職種 理学療法士

 

 

 

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