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vol.95:ボディイメージを徒手で操作する!? 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー

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カテゴリー

脳科学

 

 

 

タイトル

身体図式(スキーマ)のマニュピュレーション‐片側下肢への徒手刺激が立位荷重分布に与える影響 Manipulation of the body schema – Unilateral manual stimulation of lower extremity influences weight distribution in standing position?ScienceDirectへ Uffe Laessoe et al:Journal of Bodywork and Movement Therapies.October 2016

 

 

 

内 容

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

●徒手での刺激、感覚入力が身体図式にどう影響を与えるのか知りたい、ハンドリングの技術を高めるために必要な知識だと思ったため本論文を読むに至る。

 

 

 

Introduction

●徒手的な感覚刺激が身体図式に影響を与えることは臨床上経験するが、文献にて裏付けられてはいない。

 

●本研究は上記経験を立証するため、片側下肢を徒手にて刺激し立位時の荷重分布に変化が生じるか検討した。

 

 

 

方 法

●健常成人21名が参加した。臥位の被験者の片側下肢各関節に徒手刺激を5分間与え、閉眼立位時の荷重分布の変化を見た。

 

●荷重分布は床反力計にて測定した。徒手刺激は3種類あり、a)軽擦法、b)強擦法、c)関節近接法(足関節、膝関節、股関節)を行った

実験プロトコルは、 ①ベースライン計測(Baseline1) ②徒手刺激(Stimulation1) ③荷重分布計測 ④5分間歩行(②の影響をなくすため) ⑤ベースライン計測(Beasline2) ⑥ ②と対側の下肢を刺激(Stimulation2) ⑦荷重分布計測

 

 

 

結 果

●5分間の徒手刺激後、刺激した側の下肢への荷重量が有意に増えた(48.2%→49.0%)。

 

●また、反対側下肢への徒手刺激を加えると②で刺激した側の下肢は荷重量が有意に減少した(数字の提示なし)。 fig. Uffe Laessoe et al:2016?ScienceDirectへ

 

 

 

結 論

•これらの知見は外部求心性刺激が身体知覚を高め、身体図式および正中線方向に影響を及ぼし得ることを示唆する

 

論文背景や興味を持ったこと

●感覚受容器へのアプローチが脳卒中後の患者様の機能、動作を向上することは臨床で多く経験するが、本研究の筆者が述べるように文献的にはほとんど証明されていない。

 

●原因として考えられるのは、感覚、ひいては身体図式を数値化しづらいためではないだろうか。

 

●本研究も同様の問題を抱えていると感じる。徒手刺激を与え、立位時の重心位置の変化は認めるが、実際感覚が促通されたのか、または身体図式に変化があったといえるかは定かではない。

 

●感覚、身体図式をどう計測するか、先行研究を調べる必要性を感じる。

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

●感覚への徒手刺激が身体図式に影響を与えることは臨床的に確からしいが、文献的には研究の余地がある状況である

 

●患者様への説明の際に、治療の目的、理論を正しく伝えていきたい

 

臨床後記:更新日2021/2/28

 

●脳卒中でも整形の術後でもイベント後に身体の使い方・イメージは少なからず変化する。上手く感じられなくなった部分を活性する、他の部位で代償・補償するなどより適切な感覚を導くためにリハビリの徒手介入を含む全ての要素が重要であると感じる。目標とするボディイメージ・パフォーマンスに向けて療法士は常にどのような感覚入力が重要か考えていく必要がある。

 

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

併せて読みたい【立位・荷重】に関する論文

 

●Vol.478.慢性期脳卒中患者の荷重の対称性に対する足部の感覚運動トレーニングの影響

 

●vol.283:片脚立位と中殿筋 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

 

●vol.185:非荷重と筋紡錘の関係性 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

 

脳卒中の動作分析 一覧はこちら

 

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