パーキンソン病における外部刺激と姿勢構造の関連とは?病院/施設向け 文献vol31 – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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パーキンソン病における外部刺激と姿勢構造の関連とは?病院/施設向け 文献vol31

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カテゴリー

脳科学,歩行

 

タイトル

パーキンソン病患者における歩行の生体力学的・運動コントロール The biomechanics and motor control of gait in Parkinson disease?PubMedへ Morris ME et al:Clin Biomech (Bristol, Avon). 2001 Jul;16(6):459-70

 

 

 

内 容

概 要

●パーキンソン病患者は運動機能低下や,無動・振戦・固縮・姿勢の不安定性によって特徴付けられる

 

●このStudyは二人のパーキンソン患者の歩行障害についての介入を記載しており,①の実験ではセラピーをoffのパーキンソン患者に視覚的合図での歩行の反応を記載している

 

●②の実験では高齢者や若い正常な人と比較したパーキンソン病患者への歩行時のターンの運動制御とバイオメカニクスについて示している

 

 

 

結 果

●実験①:視覚刺激を用いると股関節・膝関節・足関節の可動域が増大した キャプチャ1

Fig1:矢状面からみた歩行時における各関節の動き 薄いライン:視覚刺激を用いた実験結果 a:股関節 b:膝関節 c:足関節

 

●実験②:PDはステッピングが多く,30度・60度・90度・120度などでの回旋の程度は小さかった

 

●特に60度で健常人の若い人と高齢者は大きく回旋が認めたが,パーキンソン病患者は小さかった キャプチャ2 キャプチャ3

Fig2:上部体幹と下部体幹の関係性

 

●RSHO(right shoulder)RASI(right anterior superior iliac spine)の程度の比較で,特に60度の線が高齢者や若い正常人において変化の程度が大きい

 

●60度はステップなしに大きなターンを成し遂げる必要性があり,大きなスイング時に体幹の大きな回旋が要求される

 

●PDは上部体幹と下部体幹の不連結が言われているが,それは体幹運動を修正するためのターンの際に著明に出やすい

 

●Ldopaの離脱後12時間時の歩行の平均スピードは23.9メートル/分であった

 

●Ldopaを入れるとわずか27㍍/minだけであり,正常の3分2程度であった

 

●この原因として歩幅の減少であり,同じ年齢の平均の歩幅の3分の2であった

 

●歩行のスピードの乏しさに加えて、タイミング障害も薬物によって改善は認められなかった

 

●リズミカルな歩行は前頭葉による制御というより脳幹や,小脳・脊髄部位によってより制御され,基底核やSMA-PMAといった大脳基底核ループは運動サイズの拡大・縮小の役割を持っている

 

●パーキンソン病は蹴りだしが難しく,Mid stanceが長い

 

 

 

考 察

●機能障害をきたした基底核を開通させるために体性感覚や視覚、聴覚刺激といった外部刺激によって刺激する

 

●外部刺激や注意戦略などは運動前野や補足運動野で可能とし、基底核の運動制御の欠如へのより良い代償手段となる

 

●脳血流をみた研究では,PDが注意戦略や外部刺激によって運動遂行ができるとき,PMA・SMAの脳血流が上昇したという報告もでている

 

 

 

明日への臨床アイデア

●片麻痺などでも大脳-基底核ループが傷害を受けていた場合,視覚刺激などでPMAたSMAといったPlanningを刺激した介入による運動遂行の上昇を狙える可能性を示唆している

 

●ターンを評価する際,何度ぐらいでステッピングがでているか?回旋はどの程度出現しているか?をしっかり評価していく必要がある

 

●パーキンソン病患者には従来から外部刺激・誘導性の治療が有効だとされてきているが,その脳科学的な中身とバイオメカニクス・運動学的な事象のすり合わせを把握しておくことは治療上重要

 

●外部刺激優位でExternal loopを使用しながらも,Internal loopも促通しながら自己の内部モデルを再度呼び覚ますようなアプローチのイメージをもって上で,外部誘導依存になり過ぎないような視点も持っておくことは重要であると考えられる

 

 

 

氏名 金子唯史

所属 STROKE LAB

職種 作業療法士

 

 

 

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