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vol.384:高次脳機能評価は転倒を予測できるのか?

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カテゴリー

脳科学
 

タイトル

TMTが急性脳神経障害の入院患者の転倒を予測する能力の研究
The Trail Making test: a study of its ability to predict falls in the acute neurological in-patient population.Bilal Akhter Mateen, Matthias Bussas, Catherine Doogan, et al. (2018)
 
 
 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

・医師・看護師・セラピストなどのカンファレンスで患者様を自立にするべきかどうかの判断は悩ましいのではないでしょうか?
 
以下のような会話はよく病院であると思います。
 
看護師「介助量も軽減しているし、トイレ動作も安定しているので自立にしてもよいのでは?」
 
セラピスト「リハビリ室など人が多い場所だと注意がそれてふらつく様子があります。もう少し治療を進めて・・・」
 
看護師「本人も自立を望んでますし、なにか基準などはないですか?」
 
・職場で入院患者の転倒予測のためにどのような高次脳機能評価を行うべきかという議論が出たので本論文を読むことにしました。
 
 
 

内 容

INTRODUCTION

・現在の転倒を予測する方法では年齢、尿意の切迫性、歩行障害などの要素を元に評価される。他のリスク要因を追加することで予測の正確性を高められる可能性がある。
 
・転倒のリスク要因として認知機能障害が重要であるという仮説もあるが、注意機能と転倒の関係は遂行機能と転倒の関係に比較して分かっていない。
 
・この研究の目的は注意機能評価として良く用いられるTrail Making Test(TMT)が、他のリスク要因との組み合わせで急性の脳神経障害の入院患者における転倒予測を正確に行えるかを決めるものである。
 
 
 

METHODS

・意しない者を除き、テストを全て行えない者も含めた。
 
・評価バッテリーはTMT、運動機能の患者自身の採点によるアウトカム評価(Walk-12)、過去1ヶ月の医療情報(手術、身体機能の変化、転倒の有無)について2択(yes/no)の質問、人口統計学的情報(診断名、年齢、性別、民族性、教育年数)、で構成されている。
 
・転倒は意図しない床との衝突、もしくは床との間にあるものに足部以外の体の一部が接触することと定義した。転倒は重大な事故としてコンピュータに記録され、この記録を使って後方視的にどの患者が入院中に転倒したか調べ、評価バッテリーの結果と照合した。
 
・どの組み合わせと統計モデルが最も信頼性が高い転倒の予想ができるか決めるために予測モデルを作った。モデルはR (v 3.2.0)統計ソフトウェアとmlr (v 2.7)機械学習ライブラリーを用いて行った。モデルは大まかにロジスティック回帰分析のような「分類」モデルとランダムフォレストのような「機械学習」モデルに分類された。
 
・それぞれの予想戦略の信頼性の量的評価として誤分類の平均、感度、特異度、精度(正しく予想した値)、F1スコア(感度と特異度のトレードオフ)を用いた。
 
 
 

転倒を防ぎ、移動能力を強化する戦略

・正常認知機能を持つ高齢者に対する転倒予防の試みは先行研究で成功例が示されているが、その方法を認知症高齢者に行っても成功しないと最近、結論付けられた。
 
 
 

RESULTS

・TMT-A、Bの時間は転倒者と非転倒者で0.01%の有意な差が出た(Table 1)。TMTのエラーはBでは有意な差が出たがAでは有意ではなかった。その上、3つの2択質問では最近1ヶ月以内の手術歴だけが転倒と有意な関係がなかった(Table 2)。
 
・解析の結果、TMTは最もよく予測できることを示した (Wilcoxon signed-rank P <
0.001)。他のデータを加えても予測精度は有意に上がることはなかった(Wilcoxon signed- rank P < 0.001)(Table 3)。
 
・TMTとランダムフォレストの組み合わせが最も良い予測モデルであった。最も良いモデルで感度68% (± 7.7)、特異度90% (± 2.3)、精度0.600 (± 7.6)、F1-score0.630 (±0.063)であった。
 
・ランダムフォレストのような機械学習はブラックボックスの特性を持つので個々の
決定にどのように、なぜ至ったのかは分からない。結論として我々は単純なカット
オフ値を示すことが出来なかった。
 


 
 
 

DISSCUSSION

・ランダムフォレストのような機械学習はブラックボックスの特性を持つので個々の決定にどのように、なぜ至ったのかは分からない。結論として我々は単純なカットオフ値を示すことが出来なかった。
 
 
 
 

私見・明日への臨床アイデア

・本論文ではカットオフ値が示されず、臨床で直接的に使用していくのは難しいのではないかと感じた。
 
・当院で転倒予測にTMTを用いるためには、当院独自でTMTの時間やエラーの数と転倒の有無の関係を調べる必要があると考える。
 
・また直近の転倒を尋ねるなどごく簡単な評価でも転倒予測に資するということなので、データなどを蓄積し、評価バッテリーと併せて行いたい。
 
 

職種 理学療法士

 
 
 
 
 
 
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