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vol.372:運動機能・高次脳機能障害をもとにした更衣動作の予後予測

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カテゴリー

脳卒中

 

タイトル

認知の障害が上半身の着衣に与える影響:ビデオによる回復のパターンの解析

 

The impact of cognitive impairment on upper body dressing difficulties after stroke: a video analysis of patterns of recovery.Walker CM, Sunderland A, Sharma J, et al. (2004)

 
 
 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

・座位で行われるADLの中で、更衣はとても高次脳機能や認知機能の影響を受けやすく、難渋することが多い。そのためこの論文を読んで改善のヒントを得たいと考えた。

 
 

内 容

方法

・入院から6週間以内で椅子座位を15分以上保持できる麻痺を持った患者30人が対象。
 
・評価は対象者が研究に動員された時点と3ヶ月後に行われた。
 
・病院で普段着ている服の更衣をNSDAで採点(自立:2点、口頭指示:1点、5分試行後の介助:0点を衣服・靴下・下着など一つ一つ採点)。
 
・ポロシャツの着衣をビデオカメラで撮影し、間違いがないか、自己修正できる間違いかを評価し、時間がどのくらい掛かるかを測った。
 
・認知機能は線分抹消試験、VOSP(物体識別と空間認知の評価)、キムラボックステスト(観念運動失行の評価)、ペグを使った左右上肢の評価、聴覚的な邪魔のはいるペグを使った非麻痺側上肢の評価、Motricity indexを使った麻痺側上下肢の評価を行った。
 
・ADLの評価にBarthel indexを用いた。
 
・徒手的・口頭での促し下での更衣訓練を2/週行った。

 
 

結果

<初期評価(下表参照)>
・20人が自分の衣服の更衣が非自立、20人のNSDAのメディアンは39%自立であった。
 
・NSDAの得点とビデオ判定の比較では、両手でポロシャツを着た患者は全員自立でNSDAが高得点だった。片手の者のうち5人が着衣でき、12人が着衣できなかった。
 
・Moricity index>65以上の麻痺側上肢機能が良好な患者はシャツの着衣で補助手として用いていた。
 
・片手で着衣自立の患者の全ては視空間認知と観念運動失行の検査が正常範囲内で、非自立患者の9/12は認知検査の一つ以上に障害が見られ、非麻痺側が器用でなかった。
 
・ビデオ判定では着衣非自立は以下の4つのタイプの間違いに起因していた。

①非麻痺側上肢から着衣するなど混乱した方略(5名):5名全員が左頭頂葉か左前頭側頭葉の損傷があり、4人がキムラボックステストで失行が見つかった。

 

②麻痺側手を正しい穴に通せない(2人):2人とも右後頭葉の損傷があり、視空間認知のVOSPテストで失敗した。

 

③麻痺側(左)肩まで服を引き上げることを無視した(2人):2人とも右後頭葉に損傷があったが2人とも視覚的抹消検査で無視を示さなかった。

 

④麻痺側肘より上に袖を上げられなかった(3人):2人が左、1人が右の損傷。これは特異的な問題ではなく広く色々な部位の損傷で起こるようだ。
 

 
 

<3ヶ月後の評価(下表参照)>
・27名の患者で評価が出来た。
 
・NSDAに有意な改善が見られ、更衣が完全に自立した患者は10人から16人に増えた。
 
・しかし11人は自分の服は自立して着られなかった。
 
・麻痺には改善が見られたが片手から両手更衣に変更した患者は1人のみだった。その患者は左の前頭葉梗塞で最も運動機能が改善した(触診で筋収縮が全く認められない状態から可動域全体まで運動が回復した)。
 
・ポロシャツテストで最終評価でも失敗した3人はいずれも有意な認知機能の低下を認めた。彼らの失敗は混乱した方略(全ての認知テストで障害あり)、正しい袖の穴を特定することが出来ない(抹消試験で無視あり)、肘より高く袖を引き上げられない(抹消試験で完全な無視とキムラボックステストでは3つ連続で正しい反応が出来なかった)、などの障害で構成されていた。

 
 

 
 
 
 

私見・明日への臨床アイデア

・頸部に可動域制限などを認める症例は多い。姿勢制御を考えるにあたっては、頸部の評価と介入が重要であると改めて感じた。

 
 
 
 
 

氏名 理学療法士

 
 
 
 
 

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