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vol.109:脳卒中患者のまたぎ動作と筋活動 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー

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タイトル

脳卒中患者のまたぎ動作における筋活動パターンの変化Alterations of Muscle Activation Pattern in Stroke Survivors during Obstacle Crossing?PMCへChenming Ma.et al.(2017) 

 

 

 

 

 

本論文を読むに至った思考・経緯

 

健常者と同じような姿勢制御戦略を用いれない脳卒中患者が難易度の高い課題をどのような戦略で対処するか興味があった。

 

 

 

 

論文内容

 

研究目的・方法

 

•この研究は、3つの異なる高さの障害物をまたぐ時の脳卒中患者における下肢筋の神経筋活動パターンの変化を調べた。

 

] •8人の脳卒中生存者と年齢、身長、性別が一致した8人の健常者を対象とした。

 

 

•下肢長の10・20・30%の高さの障害を乗り越えるよう指示された。

 

 

•両下肢の大腿直筋(RF)、大腿二頭筋(BF)、前脛骨筋(TA)および内側腓腹筋(MG)から表面筋電図(EMG)信号を記録した。

 

•Berg Balance ScaleやFugl-Meyer assessment(FMA)などのスケールとの相関も調べた。

 

 

 

 

結果

 

9;9

•脳卒中患者において前肢の大腿直筋(RF)、大腿二頭筋(BF)、前脛骨筋(TA)および内側腓腹筋(MG)で対象群と比べ筋肉の活性化レベルが大きく、活性持続時間が長かった。

 

 

•脳卒中患者において異常な同時収縮が観察された。 例えば、TAおよびMG(主動作筋および拮抗筋のペア)は、図の丸印に示すように障害物をまたぐスイングphaseにおいて健常対照群と比較しより大きな共同の活性化を示した。

 

74

 

•脳卒中患者は、対照群と比較し、前後肢共に相対的により大きな「co-contraction:主動作筋・拮抗筋の同時収縮」の活性を示した。

 

 

•脳卒中後にTAは弱く、拮抗筋MGの「co-contraction」は背屈範囲を減少させるが、スイング中の安定性を高め安全なまたぎを保証する。また、大腿のBFおよびRFの収縮は、対照群と比較し前肢のまたぎ動作後の立脚においてより大きく活性し、荷重下の膝の位置を制御することでバランスを維持するのに役立つ。

 

 

•研究では、脳卒中患者において筋肉の活性化レベルおよび主動作筋および拮抗筋の「co-contraction」の活性がより大きく、筋肉のMPF値(the mean power frequency:平均パワー周波数)は対照群よりも低かったことを示している。

 

 

•Fugl-Meyer 評価法にて低いスコアの脳卒中患者は、より大きく異常に筋が活性され、高い転倒リスクが示唆された。FMAスコアが高い脳卒中患者は、股および膝関節を制御して下肢を持ち上げるBFの活性化がより大きいことを示した。

 

 

•筋肉の活性化レベルとFMAスコアとの間に有意な相関を示している。しかし、脳卒中患者の脚の長さの10%の高さで有意な相関を示したが、20または30%の高さの障害時には、有意な相関は見られず、おそらくパフォーマンスがより高い障害の挑戦的なタスクにより妨げられ、より異常パターンをもたらし、またぐ時にグループ内で大きな変動をもたらした為と考えられた。

 

 

 

 

興味深かった内容

 

•本論文では、脳卒中患者は「co-contraction」で固めてバランスを取るように書かれており、それぞれの筋がバランスに必要な分だけ力を出す「co-activation」ではない言葉で表現されていました。Huらは慢性脳卒中患者の運動機能回復過程を調べ、運動機能が改善するにつれCI値(co-contractionを示す値)が減少することを見出しています。

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

 

•筋の同時的な活動は姿勢の安定に必要であるが、過剰な同時活動つまり力みとなってしまうと、動きの自由度を制限してしまい非効率的な姿勢制御の戦略となったり、過剰な筋活性は疲労も引き起こしやすく転倒のリスクに繋がる可能性がある。同時収縮から、より選択的な活動へ誘導していく事が望ましい。

 

 

•健常群と比較し、麻痺側・非麻痺側共に過剰な同時収縮が見られている。全身として動作を捉え、当然非麻痺側も治療対象となり得る。

 

 

 

 

氏名 覚正 秀一

職種 理学療法士

 

 

 

 

 

 

 

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