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vol.185:非荷重と筋紡錘の関係性

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キャプチャ

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カテゴリー

神経系

 

タイトル

14日間の後肢非荷重後のラットヒラメ筋筋紡錘のミオシン重鎖アイソフォームの発現

Expression of myosin heavy chain isoforms along intrafusal fibers of rat soleus muscle spindles after 14 days of hindlimb unloading.  👈PubMed De-Doncker L J Histochem Cytochem. 2002 Nov;50(11):1543-54.

 

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

・健常者でも部位によっては非活動な抗重力筋が多々見受けられる。非活動である筋から得られる固有受容情報は乏しいことが予想されるが、実際に筋紡錘の量や質がどうなのかを知りたいと思った。今回、動物研究ではあるが非荷重、非活動に置かれたラットヒラメ筋の筋紡錘を調べた論文を見つけ、読んでみたいと思った。

 

内 容

背景・目的

・筋紡錘は筋の長さを検出する器官である。

・ラットの後肢を非荷重位にすると、ヒラメ筋は短縮位に置かれ、伸張刺激がほぼない状況となり、IaII線維の発火も乏しくなることが予想される。

・しかし、この求心性情報の低下はまだ立証されてはいない。本研究では求心性神経活動の減少をMHC(ミオシン重鎖アイソフォーム)の発現に置き換えることができるのではないかと仮説を立て、検証する。

 

方法

・対象は8匹の雄ラット。

・雄ラットを対照群とHU群(後肢非荷重14日間)に分けた。

・ヒラメ筋を自然長にして凍結処理、10μmの厚さで横断した。

・細胞学的、免疫細胞学的に検証した。

 

※筋紡錘は3つの線維から構成されており、それぞれの線維は異なる組み合わせのミオシン重鎖アイソフォーム(MHC)の発現を認める。

核袋線維1:embryonic, neonatal, slow-twitch, α-cardiac, slow-tonic, fast-twitch

核袋線維2:embryonic, slow-twitch, slow-tonic, α-cardiac

核鎖線維:neonatal and fast-twitch

これにより、MHCの組み合わせで筋紡錘の発現を予想することができる。

 

※本実験では筋紡錘を3つの領域に分けた。

・本研究では筋紡錘を以下のように分ける。

A region:赤道部と傍赤道部、軸周囲腔

B region:軸周囲腔~紡錘鞘

C regiron:紡錘鞘外

 kyac

図:錘内筋線維の模式図

基礎運動学p.113より引用改変

 

結果

・対照群は33の筋紡錘(33の核袋線維233の核袋線維169の核鎖線維)、HU群は32の筋紡錘(32の核袋線維232の核袋線維167の核鎖線維)を検証した。

HU処理後、筋紡錘の数に群間の差はなかった。

・横断面の観察から、大きさは両群ともに核袋線維2、核袋線維1、核鎖線維の順に大きかった。A regionB,Cより横断面積が大きく、群間の差は見られなかった。

キャプチャ

キャプチャ1 

図1:対照群の筋紡錘横断面

De-Doncker (2002)より引用

※細矢印:核袋線維1、太矢印:核袋線維2、星:核鎖線維 

1-34-6はそれぞれ酸性、アルカリ性にATPアーゼの活動を見たもの。核袋線維1では酸性ATPアーゼはC regionで活動性が高く、ABでは低かった。アルカリ性では全域で活動が弱かった。核袋線維2では高い酸性ATPアーゼ活動がみられ、アルカリ性においても全域に活動がみられていた。核鎖線維のA regionは酸性のラベリングに対して中等度の活動を示した。

・対照群とHU群に有意な差は見られなかった。

 キャプチャ2

キャプチャ3

キャプチャ4

キャプチャ5

図表:実験結果

De-Doncker (2002)より引用

※細矢印:核袋線維1、太矢印:核袋線維2、星:核鎖線維 

 

核袋線維1

NCL MHCs, ALD58, F88 MAbsにて対照群との差がみられた。

type 1 MHCBC regionにおいて有意な減少がみられた。

ALD58 Mab (slow-tonic MHC isoform)BC regionにおいて有意に増加した。

F88 Mab (α-cardiac MHC isoforms)BC regionにおいて有意な増加がみられた。

 

核袋線維2

F88 MAb(α-cardiac MHC isoforms)はすべての領域で有意な減少がみられた。

ALD58 Mabについては有意差がなかった。

BC regionではtype 1 MHC isoformin の有意な減少がみられた。

 

核鎖線維

NCL MHCsF88 MAbs以外に有意差は見られなかった。

・NCL MHCsとF88 MAbsは一部の筋紡錘A regionにおいて増加が見られた。

 

私見・明日への臨床アイデア

・結果は複雑であるが、まとめると2週間の非荷重処理によって①筋紡錘に構造的な差はなかった②ATPアーゼ(ATPADPに分解する酵素)の反応に差はなかった③筋紡錘を構成するタンパク質に有意差がみられた。

・今回2週間の非荷重では構造的変化は見られなかったが、発現するタンパク質に変化があることから非荷重期間を延長すれば構造的にも変化が生じるのかもしれない。

・非荷重処理により神経活動にも変化が生じると予想されているが、立証には至っていない。別の論文にて神経活動を検証したものがあり、読んでみたい。

 

引用文献

中村隆一(2003)『基礎運動学第6版』医歯薬出版

 

氏名 鵜澤 寛伸

職種 理学療法士

 

 

 

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