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年齢と固有受容感覚の関係性:脳卒中(脳梗塞)リハビリに関わる論文サマリー vol.126

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タイトル

年齢と固有受容感覚の関係性Aging effects on joint proprioception: the role of physical activity in proprioception preservation👈Springerへ Fernando Ribeiro.et al.(2007) 

 

 

本論文を読むに至った思考・経緯

 

•Vol.113(年齢と脳卒中の関係性)にて年齢は機能回復を諦める要因にならないと結論を出したが、老化がどのような点で機能低下を引き起こし、どのような点で改善が見込まれるのかを知るべく本論文に至る。

 

論文内容

論文の目的・背景

•老化が関節の固有感覚受容器の減少に影響を及ぼすという証拠は多く示されている。

 

•固有受容感覚障害が起こると、身体位置の変化が正確に検出されなくなり転倒リスクが高まったり、異常な関節の生体力学が機能活動中に起こり、変性関節疾患が生じることがある。

 

•いくつかの研究では、定期的な身体活動が、固有受容感覚における年齢関連の低下を減弱させることが示されている。

 

•この論文は、関節の固有受容感覚に対する年齢の影響と定期的な活動の役割、そのメカニズムについて報告しています。

 

定期的な運動と固有受容感覚の関係の検証

 

•Pickardらは、活動性の低い若者と週に3~20時間の運動を行った高齢者(平均年齢75±6歳)の股関節の位置覚を比較したところ、有意差が見られなかったと報告している。

 

•Petrellaらは、 若者と活動的な高齢の被験者と不活動な高齢の被験者の膝関節の固有受容感覚(位置覚)を調べ、固有受容感覚が年齢と共に機能低下し、規則的な活動がこの機能低下を抑制させることがあることを見出した。

 

•ツァンらによって、正確な関節の位置と方向に重点を置く中国の太極拳が、膝関節の固有受容感覚を改善したことを実証しました。固有受容感覚に重きを置いた定期的な運動がバランスを維持または回復するのに有益であると結論づけた。

 

老化と固有受容感覚の関係

『末梢レベル』

 

【加齢による変化】

 

•末梢レベルでは、筋紡錘の減少をもたらす。筋紡錘の一次求心性神経系の動的応答が加齢に関連し減少する。

 

•筋紡錘の構造的変化では、錘内筋繊維と核鎖繊維の総数の減少、紡錘体のカプセルの肥厚が見られる。それに加え加齢は、感覚入力(ミエリン異常、軸索萎縮、および神経伝導速度の低下)および神経-筋機能の低下のプロセスにおける欠損につながる。

 

•筋線維タイプの構成比の特徴をみてみると、高齢になると白筋が減少すると言われます。

 

•この年齢に関連した運動単位の数および機能変化は、筋力の生成および制御に深い意味を有します。この制御の欠如は、固有受容感覚能力にも影響を及ぼします。

 

【トレーニング効果】

 

•固有受容感覚における末梢レベルの改善は、筋紡錘の変化に関連していた。トレーニングは、機械受容体の数を変化させるという証拠はないが、ミクロレベルで筋紡錘体の適応を誘発することができ、錘内筋繊維はいくらかの代謝変化を示し、よりマクロレベルでは、伸張反射反応の潜時が減少し、振幅が増加する。

 

•筋肉の強さを改善する活動はまた、固有受容感覚を改善することができる。筋力の改善は運動の良好な制御をもたらし、その結果、体重負荷条件下で関節の固有受容感覚を高めることができる。

 

『中枢レベル』

 

【加齢による変化】

 

•中枢レベルでは、中枢性体性感覚経路の伝導機能は年齢の影響を受ける。

 

•老化は、運動皮質における樹状突起系の年齢に伴う進行性の喪失、ニューロンおよび受容体の数の減少、ならびに脳内の神経化学的変化を誘発する。

 

【トレーニング効果】

 

•以前の研究では、中枢の感度を高めることで高齢の悪化した固有受容感覚(末梢入力)を補償し、それによりバランス制御中の固有受容感覚の誤差を減少させることが示唆された。

 

•中枢レベルでは、身体活動は、機械受容体の利得を調節し、中枢神経系における塑性変化を誘発することによって固有感覚を変更し得る。筋紡錘は、その利得が中枢神経系によって調節され得る1つの機械受容体である。

 

•運動時に筋紡錘の出力がγ経路を介して増加し、皮質への投射を促進することにより関節の固有受容感覚を促進することがある。

 

•運動スキルの繰り返し練習は、シナプス結合の強さの増加および組織の構造変化およびニューロン間の結合数のような中枢神経系における塑性変化を引き起こすことで筋紡錘出力を増加させると考えられている 。

•機械受容体からの反復の求心性入力は、経時的に身体の皮質のマップを修正する可能性がある。

 

•皮質の塑性変化は、運動によって要求されるような特定の空間的位置での身体と四肢の関節の反復的な位置決めによって誘発することができる。 定期的な身体活動が経時的に関節の皮質への表出を増加させ、関節の固有感覚を高めることができる。

 

私見・明日への臨床アイデア

 

•我々の対象とする患者の多くは、主病と併せて老化を伴っている。脳卒中片麻痺後の深部感覚低下でなくても、老化という面で感覚の低下は存在するかもしれない。感覚は、固有受容感覚だけでなく、視覚、味覚、聴覚、皮膚感覚様々な感覚機能の低下を有する。

 

•固有受容感覚に対して、筋紡錘へのアクセスが大切なようである。また、末梢の感覚を中枢で補助することができる。中枢性変化には、体と空間上の位置や向きなどの関係を明確にする(空間の中で自分の体がどうなっているのか認知する、空間の中を意図的に動かせるか等)、明確なフィードバックによる誤差学習、反復練習が大切と思われる。

 

•非荷重条件下よりも荷重条件下の方が位置覚の正確度が増す、老化により遠位(股関節より足部)から感覚低下を来しやすいと報告されている。些細な事ではあるが、立位と言わずとも、例えば座位でのつま先で支持し踵を挙げる(calf raise)運動においても、姿勢が後方に崩れほとんど非荷重の状態で行う場合と、姿勢を正し足部に荷重が幾らかでもかかった状態で行うのでは、患者に入力される感覚が違うのを臨床にて実感する。

 

 

氏名 覚正 秀一

職種 理学療法士

 

 

 

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