トップへ戻る

TOP > 療法士専門系 > 論文アイデア > 神経系 > 小脳(脳卒中後の小脳出血など)疾患の姿勢制御について:リハビリ論文サマリー vol.88

小脳(脳卒中後の小脳出血など)疾患の姿勢制御について:リハビリ論文サマリー vol.88

脳神経系論文に関する臨床アイデアを定期的に配信中。 Facebookで更新のメールご希望の方は👉こちらのオフィシャルページに「いいね!」を押してください。」 📺臨床に即した実技動画も配信中!👉こちらをClick!!(YouTube)

 

 

DBN

 

 

キャプチャ

STROKE LABでは療法士向けの脳科学講座/ハンドリングセミナーを行っています!👆上記写真をClick!!👆

 

 

カテゴリー

神経系

 

タイトル

小脳疾患の下眼瞼向き眼振における姿勢制御についてPostural Ataxia in Cerebellar Downbeat Nystagmus: Its Relation to Visual, Proprioceptive and Vestibular Signals and Cerebellar Atrophy👈PLOSoneへChristoph Helmchen et al.(2017)

 

内 容

•小脳は、姿勢制御のために固有感覚、前庭および視覚信号を統合する。

 

•下眼瞼向き眼振downbeat nystagmus(DBN)は、小脳機能障害患者の典型的な眼球運動徴候である。患者は、通常、歩行やスタンスの不安定さとぼやけた視界と動揺視を訴える。

補足:MSA症例では6.3%にとどまり,DBNは脊髄小脳変性症6型(Spinocerebellar ataxia type 6、SCA6)に有意に多いと報告されている。Yabeらは,SCA6では浮動感をともなう懸垂頭位時の下眼瞼向き眼振を高頻度(84%)に認めると報告。脊髄小脳変性症(SCD)は運動失調を中核症状とする神経変性疾患の総称で、そのうち、脊髄小脳失調症(SCA)は主に常染色体優性遺伝形式のSCDのことを意味する。

 

研究目的

•この研究の目的は、DBNを有する小脳患者の大きなコホートにおける視覚入力、視線の偏心、前庭および固有受容性入力の姿勢安定性に対する差別的役割を、健康な年齢適合対照被験者と比較して明らかにすることであった。

 

研究方法

•31人のDBN患者がこの研究に登録され、27人の健常対照被験者と比較された。(平均年齢:70.3±4.7年、患者との有意差なし)

 

•視線安定性、サッカードおよび追従性眼球運動は、 参加者の前に設置された140cmのスクリーンに投影された標的を追従する等して、記録され解析された。

 

•眼球運動(眼振、滑らかな追従性眼球運動)および姿勢(姿勢の揺れ速度sway speed)パラメータが記録された。

 

研究タスク

(I)視覚入力(EyeOpen / EyeClosed)

(II)注視位置(左、真ん中、右)(EO / EC)

   参加者の額の前に60cmの垂直と水平の棒のアルミニウムクロスでLEDが照らされた。

(iii)重力認知(前庭)(下を向く、真っすぐ向く、上を向く)

(iv)固有受容感覚入力(硬い台 対 バランスマット)

(v)姿勢制御に対する異なる課題(正常 対 タンデムスタンス)

 

 

まとめ

結果を図示する。

 

dbん2キャプチャ

 

dbん3キャプチャ

 

3dbん4キャプチャ

 

•27例の患者はすべての実験条件においてより大きな姿勢不安定性を示した。

 

•小脳萎縮は、DBN患者の円滑な追従性眼球障害の重症度と相関していた。

 

•姿勢の動揺は、目を閉じた状態で増加したが、目を開いた状態では増加しなかった。DBNを有する小脳患者の姿勢運動失調は、視覚フィードバックの障害によって説明できない。動揺視にも関わらず、姿勢制御に対する視覚的フィードバック制御は、視覚を奪った際に最も姿勢の動揺が大きかったため維持されるようである。他の研究においても、DBNの歩行障害は、暗闇(閉眼)での歩行が年齢の一致した対照よりも有意に悪く、視覚障害に完全に関連しないことが判明している。

 

•DBNにおける姿勢の動揺は、静的な眼の位置、網膜の滑りに関わらず眼球運動信号の眼精疲労に関係する可能性がある。

 

•ロンベルグ比率(EC/EO)は安定したままであり、健常対照と差はなかった。

 

•姿勢の動揺は、注視位置または重力認知で変化しなかった。

 

•発泡体(スポンジ素材など)に立って体性感覚フィードバックを弱めることは、姿勢の不安定性を増加させた。EC/EOの群において、姿勢の動揺がかなり増加した。ロンベルグ比率は変化しなかった。

 

•小脳疾患の患者は、dual taskにて姿勢制御の悪化を示す。

 

•姿勢の運動失調の増加は、眼振を特徴付ける単一成分の変調や、スタンスを安定させる単一の感覚(視覚、固有感覚)入力の欠乏に関係しない。

 

•バランス制御は、複数の感覚信号の統合と、スタンスの運動制御との相互作用を必要とする。安定した身体姿勢の感覚制御は、前庭系、視覚系および固有受容系から生じる誤差信号によって維持される。

 

•注目すべきは、DBN患者を最も不安定にするのは運動タスクの複雑さです。姿勢の動揺は、運動タスクの複雑さ、すなわち、目を開閉するタンデムスタンスに伴って増加した。

 

 

私見・明日への臨床アイデア

•私の担当する小脳疾患の方も、眼精疲労が見られ、カーテンを閉め、辛い為活動性が落ちている。簡単な臥位でのタスクはまずまず良好に行えるが、課題難易度/同時処理する事が増えると動作が著明に拙劣になる。環境では、導線の単純さ、手すりの距離感は出来る限り課題難易度が高まらないよう(手を操作する中で、下肢体幹等他の制御しなければならない所の動きが大きくなりすぎない範囲)意識して環境設定を行っている。目と手足の動きが協調・連動していないことも多々見受けられ、それにより脳内でのマッチングが上手くいっておらず、動きが硬く苦しい印象を受けることもある。筋力体力だけでなく目と手・体幹など協調・連動(時に分離)を意識した練習で誤差を減らすような練習も予防的に取り組んでいる。

 

 

氏名 Syuichi Kakusyo

所属 訪問リハビリ

職種 理学療法士

経験年数 8年目

 

 

 

病院内 スタッフ育成サポート

 

 

教育写真

スタッフ教育を効率的に進めてみませんか?

 

ハンドリングや中枢神経系への教育は、STROKE LABへご相談ください。

 

2017年12月まで7施設の病院からご依頼を頂いており、計14回の講義・実技を行う予定です。

 

 

 

 

 


  • 最近の投稿

  • カテゴリー

  • カレンダー

    2017年11月
    « 10月    
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    27282930  
  • twitter

  • 無料
    カウンセ
    リング

    お申込み・ご質問・ご相談など 各種お問い合わせ

    無料カウンセリングの
    お申込み