vol.112:歩行における腕振りの重要性 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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vol.112:歩行における腕振りの重要性 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー

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カテゴリー

歩行

 

 

 

タイトル

歩くことの意義 Dynamic arm swinging in human walking?PMCへ Steven H.Collins et al.(2009) 

 

 

 

本論文を読むに至った思考・経緯

人はそれぞれ色んな腕の振り方をしている。その意味は何なのか?どういった腕の振り方が効率的なのか?興味が沸き、断片的であるが腕の振りに関する論文を検索するに至った。

 

 

 

論文内容

研究目的・方法

•能動的な通常の腕振りは、わずかな労力しか必要とせず、間接的に代謝面での利益を提供することを仮説として挙げた。

 

•本研究はパッシブダイナミックウォーキングモデル(受動的動歩行のモデル)による物理的実証と人間の歩行に対する機械的および代謝的影響を測定する実験を行った。

 

•1)通常の腕の振り2)腕を振らない(Held)3)腕を拘束される(bound)4)通常と逆方向への腕の振りの4つの条件下で実験された。

 

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研究結果

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•受動的動歩行のモデルは腕又は脚を駆動するトルクがなくても、人間と同様に腕を振った歩行を生成しましたが、正常とは反対の腕振りを伴うものも見受けられました。これはより大きな床反力モーメントを誘発し、人間で言えば筋努力を必要とする可能性が示唆されました。

 

•人間の実験による測定では、通常の腕の振りは肩のトルクを最小限にする必要があり、腕を自発的に保持するには12%の代謝エネルギーが必要であることが示されました。通常と反対の腕振りは、床反力モーメントを大きくし代謝率を26%上昇させた。

 

•歩行力学の尺度の中で、垂直床反力モーメントは、腕振りの影響を最も受け、腕振りなしでは63%増加した。

 

•垂直方向の床反力モーメントは、腕の振り方の影響を強く受けます。床反力モーメントは、通常<腕を動かさない(held)<腕の拘束(bound)<逆の腕振りにて増加した。

通常であれば、腕の角運動量は脚とは逆位相である。腕振りが逆になると足と同位相になる。全身の角運動量は通常より保持・拘束状態で増加し、逆の腕振りでさらに増加した。

 

•腕の振りは垂直軸まわりの角運動量を減少させることが報告されている。この減少は、垂直方向の床反力モーメントの減少につながり、脚のエネルギー消費が減少することを伴う可能性が高い。

 

 

興味深かった内容/他論文からの追記

 

•腕の振り方一つで反力・代謝はじめ多くの変化が生まれる事が興味深かった。物理的な側面以外にもCPGはじめ神経系の振る舞いも追っていきたいと思う。

 

<下記>The how and why of arm swing during human walking.Pieter Meynsa et al(2013)

•受動的動歩行のモデルでも受動的に腕振りが見られたが、人間では歩行中の腕の振り時に三角筋、広背筋および僧帽筋を含むいくつかの筋肉の活動を伴うようである。

 

•リズミカルな腕のサイクリングが痙縮のあるヒラメ筋のH反射(脊髄の興奮性)を減少させることが判明しているため、腕の振りは脚の筋痙縮に有益な効果をもたらす可能性がある。⇒腕を前に振る(下肢立脚)か、後ろに振る(下肢遊脚)かでもヒラメ筋の反応は違うようである。

 

•腕の振り幅の増加は、歩行速度と歩幅を正規化したとの報告がある。

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

•角運動量保存則から見て、コンパクト(回転半径)に下肢とは逆方向(逆位相・相殺)かつ交互性(両側)に腕を振るという事は、効率の良い歩行を生み出している事が推察された。地球で生活するに当たって、物理的な視点も当然評価として持っておく必要がある。また、何故そのような腕振りになるか(そのメリット・デメリットは?)、効率的な腕振りが出来ない原因は何かを推察することは、動作を変える治療方針の一助になるのではないかと考える。

 

•上肢への治療または腕振りの改善は、下肢の振る舞いを変化させることが示唆されている。

 

 

 

氏名 覚正 秀一

職種 理学療法士

 

 

 

 

 
 

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