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脳卒中者の肩甲骨と筋活動:脳卒中(脳梗塞)リハビリに関わる論文サマリー vol.127

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カテゴリー

バイオメカニクス

 

タイトル

脳卒中後の肩甲骨の神経筋コントロール 

Characteristics of Neuromuscular Control of the Scapula after Stroke: A First Exploration

Liesbet Front Hum Neurosci. 2014; 8: 933.👈PubMed  Lee HJ, J Phys Ther Sci. 2017 Mar; 29(3):523-526. doi: 10.1589/jpts.29.523.

 

本論文を読むに至った思考・経緯

肩関節運動時の肩甲骨周囲筋の活動を詳しく知りたかったため。また、脳卒中者はどういったパターンで筋活動が生じるのか知りたかったため。

 

論文内容

研究背景・目的

・脳卒中者の肩甲骨周囲筋収縮のタイミングを計測し、肩関節痛の有無で比較すること。

 

研究方法

14名の健常成人と30名の脳卒中者(うち10名はインピンジメント様の肩関節痛を有する)

・被験者は座位で肩関節屈曲を45°、全可動域の2パターン行い、各々12回反復した。

・屈曲で肘伸展位、回内外中間位で行った。

・僧帽筋上部線維、下部線維、前鋸筋、棘下筋、三角筋前部線維の筋活動を計測した。三角筋前部線維(主動作筋)に比べて、僧帽筋上部線維、下部線維、前鋸筋、棘下筋(肩甲骨安定化を図る筋もしくは腱板筋)の発火が早いか遅いかをみる。三角筋の発火より遅い場合、負の秒数、早い場合、正の秒数(どちらもミリ秒)で記載した。

 

研究結果

無題

表:屈曲時の各筋の発火時間

Liesbet (2014)から引用

 

45°、全可動域の屈曲ともに、健常成人では僧帽筋上部線維と前鋸筋が三角筋前部線維より前に発火している(図の赤枠)。しかし、肩痛の有無に関係なく、脳卒中者は前鋸筋の発火が遅延している(図の青枠)。僧帽筋上部線維も、全可動域の屈曲では遅延が認められる(図の緑)。

・肩痛の有無で脳卒中者を比較すると、45°屈曲の際、痛みを有する群は棘下筋の発火の遅延が見られた(痛みあり-8ミリ秒、無し8ミリ秒)。同様に全可動域の屈曲で痛みあり-19ミリ秒、無し5ミリ秒で遅延がみられた。

・僧帽筋下部線維に着目すると、45°屈曲において痛みを有する脳卒中者は-135ミリ秒、痛みがない群は-35ミリ秒と遅延がみられた。全可動域でも同様に遅延しており、痛みあり-398ミリ秒、無し-140ミリ秒だった。

・肩痛を有する脳卒中者の30%の屈曲は僧帽筋下部線維の発火を伴わず、37%は前鋸筋の活動がみられなかった。

 

私見・明日への臨床アイデア

・肩関節屈曲運動の際、健常成人では僧帽筋上部線維と前鋸筋に先行する筋活動がみられた。肩甲骨を胸郭に安定させ、三角筋前部線維の活動を効率的するためだと考えられる。脳卒中者ではこの両筋の発火に遅延がみられており、三角筋に過度の負荷が生じているかもしれない。

・しかし、痛みの有無で比較すると僧帽筋上部線維と前鋸筋に違いは少なく、その他の原因が考えられる。

・痛みを有無で違いがあったのは棘下筋と僧帽筋下部線維だった。この二つの筋の活動が遅延することで、麻痺側肩関節の痛みが生じているかもしれない。実際の臨床では、これらの筋が非活動かどうか、姿勢や動作から推論していきたい。

 

氏名 鵜澤寛伸

職種 理学療法士

 

 

 

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