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バランスにおける頭部と体幹の協調関係:理学療法・作業療法のためのリハビリ論文サマリー vol51

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キャプチャ

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カテゴリー

脳科学,姿勢制御

 

タイトル

頭部と体幹の偏位におけるコンビネーションに対する姿勢応答
Postural responses to combinations of head and body displacements: vestibular-somatosensory interactions👈PubMedへ
Horak FB et al:Exp Brain Res. 2001 Dec;141(3):410-4

 

内 容

概 要

●頭部の偏位に伴う姿勢反応は前庭系によって生じ,体幹の偏位に伴う姿勢反応は体性感覚系によって生じる
●この研究では,メカニカルな頭部と体幹の偏位への筋反応の統合に焦点を当てている
●ゴールはどのように前庭脊髄路と体性感覚が,引き起こされた姿勢反応に統合したり,一方に影響するのかを決定することである

 

方 法

●7人のボランティア(男5人,女2人の18~41歳)で床の動揺,頭部の動揺,2つの組み合わせで施行
●頭部には左右胸鎖乳突筋に1kgの錘をつるし,19回実施(2回が頭部の動揺のみ,2回が床面の動揺のみ,8回が頭部の後方への動揺と床面の前方への動揺,7回が頭部の前方への動揺と,床面の後方への動揺への組み合わせで行った)
●小さな予測性姿勢制御を回避するため,ランダムで目を閉じて行った
●分析は内側のガストロと前脛骨筋の筋電図にて解析した(腹直筋やハムストリングス,四頭筋や脊柱起立筋は計測したが,一貫性がないため今回は解析していない)

 

結 果

①頭部動揺のみ
●ヘッドのみの課題では,腓腹筋は前方へのヘッドの偏位に反応する際,平均71.3±9.3ms滞在した
●身体のみの偏位の際は,109.1±16.2ms滞在した
●前脛骨筋は後方へのヘッドの偏位に対して77.7±2.1ms反応し,身体の後方への編位に対して110±3.8ms滞在
②後方へのヘッドの動揺と前方への身体の動揺の組み合わせ
●頭部に対するTIBの潜在性はコンディションに応じて変化はしなかったが,振幅はH20・P10・P50は大きくに低かった
●腓腹筋のプラットホームに対する振幅は,コンディションによって変化は認められなかった
●腓腹筋の潜在性は,H50とH20が通常と比較して明らかに長くなっている
③前方へのヘッドの動揺と後方への身体の動揺の組み合わせ
●ガストロの潜在時間はコンディションに応じての変化は認められなかった
●P10の際に全く(93%)発火が認められなかった
●ガストロの振幅はP10~P50時に正常と比べて最も低かった
●前頚骨筋の振幅はH100で低く,潜在時間はH20とP10で正常と比べ長かった
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(Horak FB et al:2001)

 

 

考 察

●先行研究にて頭部のみへの動揺への反応は,身体のみへの動揺に比べ振幅が小さく,滞在時間も短い(Horak1994)
●今回の研究において,足部に関連してのヘッドの偏位に反応する前庭脊髄路の想起された反応と,身体の偏位に対する体性感覚の想起された反応の複雑な統合を調査した
●前庭脊髄路と体性感覚の脊髄経路は独立したシステムではない
●むしろ,これらの経路はいくらかの電気回路が分かれる場所でのプレモータニューロンレベルで統合されているのかもしれない
●前庭脊髄路は,抑制内在ニューロンを介して屈筋を抑制し,伸筋群に興奮を与えることができる
●この複雑で,柔軟な統合は様々な最適な状況のための運動の生成を,前庭系と体性感覚情報が様々に統合しあうことで姿勢コントロールを保証してくれる
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図:αニューロンに投射される下行性伝導路とその役割

 

 

私見・明日への臨床アイデア

●振幅と潜在時間を分けて分析しているのは興味深い
●リハ治療においても筋収縮の程度と収縮時間を比較しながら評価していく重要性がある
●また,やっている治療(例えば立位でのバランス治療)の際に,体性感覚に重きを置いている(reweighting)のか(身体全身の編位を意識した治療),前庭脊髄路に重きを置いているのか(頭部の動揺)を意識した治療は重要となる

 

氏名 匿名希望

所属 回復期病院

職種 作業療法士

経験年数 8年目

 

 

 

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