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vol19 脳卒中(脳梗塞・脳出血)片麻痺のリハビリ:高速と低速スクワットによる筋活動への影響と効果とは??

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カテゴリー

バイオメカニクス

 

タイトル

慢性期脳卒中患者の麻痺側下肢の筋活動における 高速と低速スクワットエクササイズの影響
Effects of fast and slow squat exercises on the muscle activity of the paretic lower extremity in patients with chronic stroke←Pubmedへ
Choi YA et al:J Phys Ther Sci. 2015
 

内容

要 約

●脳卒中後片麻痺患者の麻痺下肢の筋活動におけるスクワットエクササイズの速度の影響を調査
●麻痺側の大腿直筋は高速スクワットエクササイズ群において統計的有意差を認め,身体直立位への迅速な復帰(スクワットエクササイズの上昇運動)時に最も高い筋活動となることを実証(p<0.05)
●大腿直筋は,身体直立位への迅速な復帰時に最も高い筋活動を示し,高速スクワットエクササイズ中において最も高活性な状態となる
 

方 法

●10名の脳卒中患者(発症6ヶ月~5年)で,それぞれ2秒の高速スクワットと8秒の低速スクワットエクササイズを実施
●被験者は肩幅に足を広げ,体幹を維持しながらスタート合図で,膝を120°屈曲して直立位置に戻す
●大腿直筋(RF)・大腿二頭筋(BF)・前脛骨筋(TA)における麻痺側と非麻痺側の筋活動を表面筋電図を用いて評価し,比較
 

ポイント

●脳卒中片麻痺患者は,非麻痺側に重心をシフトすることにより,制限された運動と筋力低下を補おうとする
●この代償戦略は,麻痺側の非効率的かつ永続的な筋力低下を伴った麻痺側への体重移動をつくりだす
●体重負荷訓練としてのスクワットエクササイズは,歩行やバランスなどの機能的課題のパフォーマンスに役立つことで知られており,非荷重課題に比べ荷重課題は,機能的な筋動員パターンを誘導して固有受容感覚が刺激されることで,多くの関節の動きを必要とする(Selseth Aら2000)
●したがって,麻痺側下肢の筋活性化を標的とした筋力トレーニングは,脳卒中患者の機能的な動きを改善する可能性を示唆
●RFとTAは,屈んだ姿勢から起立姿勢への変換における膝の伸展運動時に同時活性され,RFは高速・低速ともにスクワットエクササイズにおける上昇運動時に高い筋活動を示し,スクワットエクササイズにおける最終的な動きのコントロールに寄与していることを示している
●姿勢制御の低下を伴う片麻痺患者は,高速スクワットエクササイズを通して,麻痺側下肢にプラスな影響を与える足関節に対して,安定性を提供するためにRFを利用する
 
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出典:Choi YAら2015

高速と低速スクワットで比較した場合,非麻痺側においては低速時にTAの活動が低下し,RFの活動に増加を認める傾向にあった.
麻痺側においては,上昇・下降時ともに筋活動動態の比率(RF<TA)に変動はなかったが,高速時と比較して低速時におけるRFとTAの筋活動の差にギャップが大きかった.

 

明日への臨床アイデア・感想

●対象が慢性期脳卒中患者であり,代償戦略が構築されている対象でのアプローチ方法を考えさせられるStudy
●スクワット動作は,起立(sit-to-stand)着座(stand-to-sit)の近似要素の反復であることから,神経学的に上昇時は前庭脊髄系のFeedback要素を要求される.また,身体垂直位をKeepしながらCOMを下げていかなければならない下降時においては,延髄網様体系のFeedfowrd要素を要求されることとなる
●これは,低速時では予測的な姿勢制御が十分に働かず,core stability不足による麻痺側へ効率的なWeight shiftを起こせずに麻痺側足部を過活動で固定し,足関節戦略を使わずに股関節戦略に依存したRFでの代償的過活動だった可能性を感じた
●素早い運動は予測的姿勢制御の産生要件の一つであるため,高速スクワット時はRFの適切な筋活動のもと足関節戦略をとることができ,麻痺側と非麻痺側の筋活動動態のバランス(RF<TA)に至ったのではないか?
●臨床で両側荷重でのSTS(立ち座り)をつくりだすためには,もちろん荷重するための可動域・アライメントも必須だが,予測的姿勢制御(APA)を如何に生成させることができるのか?が重要
●APAsは,不安定な姿勢下では作動しないため,まず立位での評価と治療が必要不可欠


 
 

氏名 齋藤 潤孝

所属 日本医科大学付属病院

職種 作業療法士

経験年数 3年目


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