Vol.3: 大脳皮質と先行性随伴性姿勢調整(APAs)について 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー  – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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Vol.3: 大脳皮質と先行性随伴性姿勢調整(APAs)について 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー 

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論文抄読:大脳皮質と先行性随伴性姿勢調整(APAs)・バランスについて

金子コメント:今日は論文抄読ですね。Jacobさんの論文ですがHorakさんが関わっています。僕は6-7年前、Horakの論文をかき集めて読みまくりました。
 
幸い大学病院だったので論文が非常に手に入りやすかったです。今は大学病院に属さなくても著作権Freeが増えていますが…
 
僕が論文を読んで変われたのは、「この用語が業界用語なのか学術用語なのか」を知ることができたことです。僕はボバース概念を基にセラピーをしていますが、ボバース特有の用語が当時はすごく多かったです。
 
今はだいぶ減りましたが、例えば「Posutural set」とか「CKP」などです。一般の学術の世界ではそれをどのように表現しているのか?単語は?など調べていくほど、知識のバックグラウンドが増えていきました。
 
講師をやっていて思うのですが、知識のバックグラウンドがなく、日本の教科書や権威者の表現をそのまま使っている人は説明ですぐに分かります。
「講師の発言→その裏付けを調べる」
 
これを徹底して習慣化すべきです。講師を批判するのではなく、自分を変えるためにそうするのです。そうすれば、自分の考えを客観的に捉えられる視野ができます。
 
話が反れましたが、今日の論文は階層性でみる姿勢反応ですね。脳は並行したネットワークですが、階層の部分もあります。患者さんのバランス反応が脳のどのレベルの問題なのかを整理する上で優れた文献といえます。
 
認知症、脳卒中、パーキンソン病、脊髄疾患、末梢神経障害など、疾患により特徴的なバランス反応をする方がいます。大学病院だったので当時は色々な患者さんのバランス反応を論文を基に考えていたことを今思い出しました。
 
是非ご参照ください。

 
 
 
英文抄読:Cortical control of postural responses
 
以前書いた「めまいと姿勢制御」のブログに関して、平衡反応やステッピング戦略が大脳皮質で関与するということに対してよい文献はないか?という質問をいただいたので紹介します。
 
 
論文は→
Cortical control of postural responses(大脳皮質制御の姿勢反応)

【 論文要約 】

 

この記事は外部の動揺に対する姿勢反応に対しての皮質の関与のエビデンスを報告した論文である。 すばやい随意運動(strategy)をする際に先行してあらわれる姿勢反応(APA)は、脊髄伸張反射に比べ滞在が長く、皮質の関与が見込まれる。
 
ここ10年オートマティックな姿勢コントロールは神経生理学において、単脊髄ループか皮質を介すループなのか議論が続いている。
 
随意運動(strategy)ではなく、動揺刺激への最初の反応(reaction)に皮質間は含まないが、反応過程の中(late phase)で皮質間は含まれるかも知れない(リーチ、代償的なステッピング反応など)。
 
運動野が損傷されるとスッテッピング反応がでなくなることが実験で明らかになっている。 動揺の4050ms後に第1次感覚野の反応が見られる  
 
早急な反応には皮質の関与は乏しいが環境に適応していくようなバランスに必要となる。
 
姿勢制御において皮質は皮質脊髄路を介す直接的な関与と脳幹を介す間接的な関与があり、スピードや柔軟性のあるバランスに貢献している。
 
 

私見:これまでの階層理論に基づく姿勢反応が妥当かどうかは今でも論議が続いているようですね。どちらにしても大脳皮質がバランスに関与することは間違いないようです。 上記から
 
①刺激に対する反応(Reaction)には、開始直後は大脳皮質は関与しないが、編位が大きくなってくると皮質の関与が出てくるということ。
 
②随意運動時のバランス制御(strategy)では開始するために皮質の企画などが必要であるし、運動中も皮質が絶えずモニターしているということが分かります。
 
確かにアルツハイマー病の患者さんは、脳幹は損傷されていないのでバランスは良いはずなのに、転倒しやすくなります。
 
どちらにしても、これまでの階層理論での姿勢制御は「刺激に対する反応」を基にした実験で行われているようですが、これだけではバランスは説明できないということが今の流れのようです。
 
Bobathの講習会でも、Postural controlというようようにbalanceにはfeedbackfeedforwardcontrolと幅を広げて説明されています
 
 

 
 
Balance may be expressed as a reaction when displacement occurs suddenly and unexpectedly, or a strategy when we right ourselves, transfer weight, turn around, or step.   Edwards (1996) states that equilibrium reactions are synonymous with postural adaptations present in all daily activity. She uses the term equilibrium control to describe the ongoing segmental movements that compensate for displacement of the center of gravity caused by the actual movement or activity (Edwards 1996, refers toMassion 1992).
 
 
 
バランスは,変位が突然、不意に生じる際の反応(reaction)として、あるいは、ステップや振り返り、重心移動や直立時の戦略(strategy)として現れる。Edwardsは平衡反応とは全ての日常活動において現れる姿勢の適応と同義的であると定義している.彼女は実際に生じた運動や活動によって生じる重心の変位を代償する継続的な身体部位の表現で平衡制御の用語を使用している(Edwards 1996, refers toMassion 1992). Bobath concept in Adult Neurology(2007)より抜粋 
 

 
 
脳と姿勢制御・先行随伴性姿勢調整
 
 

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

 

併せて読みたい【大脳皮質・姿勢制御】に関する論文

 
●vol.60:姿勢反応における大脳皮質のコントロール 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

●vol.40:”予測”のための情報の種類で姿勢制御への影響は変わるのか!?:脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

 

 

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