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<脳科学トピック>リーチ動作とグラスプ動作の運動プログラムを作成する脳領域は?

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リーチ動作とグラスプ動作の運動プログラムを作成する脳領域は?

 

 

運動プログラムとは,運動を実行する前に脳の中で作られる運動の実行計画です.コップの水を飲もうと思ったときに,右手を伸ばすか左手を伸ばすか,どうやって口に持ってくるかなど,目的とする行為を達成するために作成されます. 今回は,運動プログラムを作成する運動前野について紹介します.

 

運動前野は,一次運動野の前方にあり,大脳半球の外側に位置しています.背側運動前野と腹側運動前野とに分かれており,少し機能が異なります.

 

 

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背側運動前野(dPM)は「自分の身体をどう動かすか?」という観点から運動プログラムを作成します.対象物に手を伸ばすリーチ動作に大きく関わり,肩を中心とした運動制御を行い,腕全体がどの方向へ向かうべきかを決めることができます.

 

腹側運動前野(vPM)は「対象物にどう働きかけるか?」という観点からの運動プログラムを作成します.対象物をつかむグラスプ動作に大きく関わり,対象物の形や大きさなどに合わせて手の形を変えることができます.

 

両者の違いのひとつは,運動プログラムの作成方針です.「自分の身体をどう動かすか?」,「対象物にどう働きかけるか?」という2つの側面から運動プログラムを作成することで,目的となる行為を正確に達成させています. また,それぞれが主に関わる動作もリーチ動作とグラスプ動作と異なっています。

 

脳卒中の患者さんは,リーチ動作やグラスプ動作をうまく行えなくなっている方が多いです.皮質脊髄路損傷により随意運動が困難になるために,これらの運動が行えなくなっている場合もありますが,運動プログラムの作成が困難なためにこれらの運動が行えなくなっている場合もあります.

 

これは私見ですが、私は臨床的な評価・治療として運動イメージを利用しています.コップに入った水を飲む動作をイメージしていただいたとき,腕全体がコップへ伸びているのか(リーチ動作/dPMの状態を推測),手でコップをつかめているのか(グラスプ動作/vPMの状態を推測),を確認します.

 

動作が行えない理由が運動実行(一次運動野から脊髄までの経路)の問題なのか,運動プログラムの問題なのかを評価することで,より効率的な治療を実践できると思われます.

 

まとめ

①運動前野は背側運動前野(dPM)と腹側運動前野(vPM)の2つに分かれる

②両者は運動プログラムの作成方針,主に関わる動作が違う

③動作が行えない理由のひとつとして,運動プログラム作成困難が挙げられる

 

 

(文責:針谷遼)

 

 

 

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